【安心コラム】田中泰延のエンタメ分党 勉強したら泣くことがわかるブックガイド

【安心コラム】田中泰延のエンタメ分党

勉強したら泣くことがわかるブックガイド

みなさんこんにちは。田中泰延といいます。ひろのぶと呼んでください。47歳です。田中泰延のエンタメ新党という映画のコラムを書いたりしています。

このコラムシリーズは、京都学園大学の先生方のインタビュー記事を連載している、さえりさんの写真がやたらに掲載されているのが特徴です。

そしてこのコラムに載っているさえりさんの写真は、こっちを向いてないのも特徴です。

さらにその写真は僕が遠くからこっそり撮影しているのも特徴です。

そのさえりさんが本を出されました。

今日は、自分を甘やかす いつもの毎日をちょっと愛せるようになる48のコツ
夏生さえり ディスカヴァー・トゥエンティワン 出典:Amazon

出版おめでとうございます。

ありがとうございます。

そもそもさえりさん…「夏生さえり」っていうのか。

田中さんには知られたくなかった。

さて、大学を目指す皆さん、そして大学生の皆さん、
食の安全・安心について、みなさん関心があると思います。
身体に入れるものですもんね。またその作物は、すべて「土」からできています。そんな「土壌肥科学」「作物栄養学」の研究に取り組まれているのが京都学園大学の藤井孝夫教授。また藤井先生は、「宇治茶生産学」の研究もされていて、「日本茶インストラクター」の資格もお持ちなんです。

さえりさんはそんな藤井先生にお話を…

やった!今回はデート感ないぞ。

回診中のお医者さんにつきまとって説明を聞く女性みたいでとても良い。
「ちょっと今忙しいんだけど感」がとても良い。

みんながみんなデートっぽい写真じゃなくてほんとうに良かった。

今回のコラムがなぜ【安心コラム】かというと、食の安心・安全もだいじですが、さえりさんが他の人とデートしていないと安心だからです。

そもそも京都学園大学の先生方とはデートじゃないですし、歩きながらお話を伺ってるだけです。

首の角度の話を蒸し返したい気分です。

そんな藤井先生とさえりさんのお話は、ぜひ記事を読んでいただきたいと思います。

お茶の味は何で変わるか? 800年の歴史を持つ“お茶”の奥深さを藤井孝夫先生に聞いてきた

そして僕には例によって藤井先生から課題図書を読むミッションが課せられました。

では、最初の本。

土の科学
久馬一剛 PHP研究所 出典:Amazon

「土からものを考える視点」に貫かれた本ですね。

地球という惑星が生まれて46億年だそうですけど、4億7千万年前、生物が陸上に生息するようになって以来、鉱物、つまり岩のかけら・砂が生物の活動によって土壌に変身したんですね。つまり、いまのところ地球の歴史の9割には「土」はなかったんですね。驚き。

で、土は、微生物、植物、動物の生命活動を支える基点となったと。
そしてこれだけの動植物微生物が地球上で活動しているのに、年間1ミリしか新しく地表を覆わないんです。「土壌は1日にして成らず」であると。
ところがいま、地球上で土壌が急速に消える事態が進行している。塩害・砂漠化・土壌侵食…人間の農業もその一因です。

ひろのぶさん

先生、先生、藤井先生。
いやあ、土ってだいじなんですねぇ。

土というのは、数千万年、数億年といった長い時を経て培われてきた、あらゆる生命を育む、栄養の貯蔵庫です。
暮らしの下にはバックボーンたる大地があります。土があり、そこに水がそそがれ、四季を通じて、私たちに食材という恵みを与えてくれているのです。
まずその大地の贈り物へのありがたみ、「いただきます」の心からもう一度かみしめてみたいですね。

京料理の文化史
上田純一(編) 思文閣出版 出典:Amazon

「いただきます」の心。そこで、こちらの本です。

10人の筆者がさまざまな専門分野からアプローチした京料理、ひいては和食、そしてグローバル化する食文化についてのとても読みやすく面白い本です。

第八章には宇治茶生産学の研究もされていて、日本茶インストラクターでもある藤井先生が「宇治茶について知っていますか」という章を執筆されています。第九章の京都府立大学准教授・上杉和央先生の「ラーメン、とんかつ、カレーライス」の話も楽しい。第三章はカパッソ・カロリーナ先生による宣教師フロイスが驚いて書き遺した、めちゃくちゃ高度に洗練された日本の食文化の話などなど。

読書の楽しみが一冊につまった、本の懐石料理ですよ!いま僕、うまいこと言いましたよ。

植物は〈知性〉をもっている 20の感覚で思考する生命システム
ステファノ・マンクーゾ、アレッサンドラ・ヴィオラ、マイケル・ポーラン(著) 久保耕司 (訳) 
NHK出版 出典:Amazon

「知性」ってなんでしょう。知性を「問題解決の能力」だとするなら、植物にははっきりと知性がある、ということを豊富な実例と科学的な説明で教えてくれる本です。

球根にありがとうと話しかけると綺麗な花が咲くとかそういうバカな本じゃないですよ。

たとえば、ハエトリグサのような食虫植物に限らず、かなり多くの植物が実は動物を栄養源としています。動かない植物に食べられる虫と動かないのに食べてしまう植物、知性が高いのはどちらか明らかですね。ほかにも受容体で光を感知できるという意味では目が無くても見えているわけだし、トマトは害虫の被害を受けると香りを放出して周囲のトマトに知らせて、鼻がなくても嗅いでるわけで。脳があるかないかは知性に関係なく、植物はこの惑星の知的生命体なんですね。

あと、人類が知っていて分類している植物種は全体の5〜10%にすぎず、あとはほとんど未知で、発見すらされてないというのにはびっくり。でもこのわずかな種の中から医薬品の95%が作られているんですね。

いやあ、自然ってすごいわ。僕、この本読んでからはベランダのトマトの苗に挨拶するようになりました。

沈黙の春
レイチェル・カーソン(著) 青樹簗一 (訳) 新潮社 出典:Amazon

人類の歴史に重要、超重要な一冊です。池上彰さんの「世界を変えた10冊の本」にも選ばれていましたね。

アメリカの郊外の住宅地の朝。小鳥の声が聞こえません。その静かな、いや静かすぎる描写から始まる物語。鳥がいないのはなぜでしょう?これは小説でしょうか?寓話でしょうか?違います。そこから始まる徹底的に科学的で、そして激烈な告発。

1962年に発表された、化学物質公害を世界ではじめてまっこうから唱えた本です。この本がきっかけとなりケネディ大統領は農薬についての調査を指示し、米国では農薬や化学物質の使用を制限するさまざまな法律が制定されました。そして世界中に「環境保護」の理念が生まれた。この本で生まれたんです。

第十四章は「人間はなぜ癌になるか?」という話で、ここでも人間が乱用した化学物質の影響は甚大です。ですが、皮肉な事に、本書執筆中にレイチェル・カーソン自身が癌におかされ、刊行されてまもなく彼女はこの世を去るのです。

この怒りと告発に満ちた本を読了したら、ぜひ、同じ著者のこちらの本を読んでほしいと思います。僕、『沈黙の春』を読んだ後、たまたま手に取ったんです。

センス・オブ・ワンダー
レイチェル・カーソン 上遠恵子(訳) 新潮社 出典:Amazon

わずか50ページほどの本です。レイチェルのラストメッセージとして、彼女の友人たちによって出版された本です。

レイチェルが毎年、夏の数か月を過ごしたメイン州の海岸と森。彼女は姪の息子である幼いロジャーと美しい自然のなかを歩きます。鳥の声。雨に濡れる大地。風の音。夜空の星。渡り鳥。春を待つ花の蕾。それらを瞳に映した幼いロジャーのやさしい驚きを、レイチェルは静かな、静かな筆致でそっと伝えます。

あの激烈な『沈黙の春』のあとに遺された…もう泣いて書かれへんすみません。僕この本、宝物ですね。みんな両方読んで。

いや、僕ね、これだけは言いたい。この連載を始めて、京都学園大学の先生方のお話を伺って、本を教えていただいて、読んで…僕、泣かなかったことないぞ。勉強って、なんか知識を得るためだけにするんちゃいますね。人間が、心を震わせるためにあるんやなと思います。

いやぁ、勉強って楽しいなぁ。そんで、泣いちゃうぞ。今回もほんとにほんとに、そう思いました。藤井先生、ありがとうございました。

さて、京都学園大学で取材を続けるもう一人のライター、カツセマサヒコさんは…

書いてますね。カツセマサヒコさんもこの春、フリーランスのライターとして独立開業されました。

ひろのぶさん

独立おめでとうございます。

ありがとうございます。

ひろのぶさん

まず、お伺いしたいんですが、

すみません、ちょっといま書いてまして手が離せず。


ひろのぶさん

カツセさんカツセさん。

ちょっといま書いてまして手が離せません。僕の記事紹介しといていただけたら助かります。

ひろのぶさん

…。カツセさんの記事はこちらです!

【アツすぎる】大学にある体力測定設備が異常にスポ魂だった件

記事にリンク貼った?

ひろのぶさん

ついていきます。

では、最後に、書籍が増刷になってご機嫌なさえりさんを確認して今回はお別れしたいと思います。

ご機嫌だからってどんだけ食うねん。

これ、毎回やらされますけど、田中さんが食べるやつを持たされてるだけですよね。

おっしゃる通りです。

いいかげん田中さんの痛風の主治医にチクりますよ。

ああそれだけは言わんといてくれ ああそれだけは言わんといてくれ

では、次回も京都学園大学からお届けします。みなさんまたお会いしましょう。

田中泰延
田中泰延

1969年大阪生まれ
株式会社 電通でコピーライターとして24年間勤務ののち、2016年に退職。ライターとして活動を始める。
世界のクリエイティブニュース「街角のクリエイティブ」で連載する映画評論「田中泰延のエンタメ新党」は100万ページビューを突破。
Twitter:@hironobutnk


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