【必然コラム】田中泰延のエンタメ分党  脳内お花畑ではなく腸内お花畑になるブックガイド

【必然コラム】田中泰延のエンタメ分党

脳内お花畑ではなく腸内お花畑になるブックガイド

みなさんこんにちは。田中泰延といいます。ひろのぶと呼んでください。47歳です。映画のコラム雑なコラムを書いたりしていますが、最近は、就職についてのインタビューを受けたり、働きかたについてのコラムを寄稿したりしています。

受験生の皆さんや大学生の皆さん、就職活動中のみなさんは、いちど読んでいただけるといいなあ、なんて思います。わりと、いいこと言ったりしている可能性があります。

さて、この連載はブックガイドといいながら、ライターのさえりさんの写真ばかりが掲載されているという批判があります。

本当はだれにも批判されてないのですが僕の中に自責の念があります。

そこで今回はこの「京都学園大学に行ってみた」シリーズのもう一本の大黒柱、車でいうと両輪、飛行機でいうと両翼、将棋でいうと飛車角、お寺でいうと金閣銀閣、仁王でいうと阿形吽形、もうええわ、要するに2人のライターがこの連載を支えてくださっているのですが、その一方の主役、カツセマサヒコさんに注目してみましょう。

きゃー!かっこいい!僕はカツセマサヒコさんを勝手に「ライター界の王子」と呼んでいます。ちなみにさえりさんのことは勝手に「ライター界の姫」と呼んでいます。

ひろのぶさん

カツセさん、カツセさん。指とか本とか食べる人なんですか。

かつせさん

食べては、ないですね。

ひろのぶさん

今年の春からフリーライターになられて、ここ最近は特に膨大な量のお仕事をされてますよね。

ひろのぶさん

リンク貼るの大変でした。これでもまだ一部で、他にもラジオDJとかイベント登壇とか、この合間に出演されてますよね。人間って、短期間にこれだけ仕事ができるものですか。

ひろのぶさん

それだけ働くとやっぱり、お腹が減って指とか本とか食べるんですね。

かつせさん

食べては、ないですね。

そんなお忙しいカツセさんが京都学園大学を訪問して夜は祇園のお茶屋さんで宴会して舞妓さんまで呼んで書いた記事はこちらです!

集中力や記憶力、コミュニケーション力まで高める!? 「適度な運動」が激オシされる理由

 

さてみなさん。指や紙は食べられませんが、わたしたちは何かを食べたらそれを消化したり、腸の中のいろんな働きで自分の身体に役立てています。

そんな時、体内で重要なのが「酵素(こうそ)」です。裁判のやり直しをしたいときに重要なのは控訴です。ぜんぜん関係ありません。

そんな酵素を「応用微生物学」という分野で追求され、さらには健康や、世の中をよくする研究までつなげていこうとされているのが、京都学園大学の櫻間晴子先生。

さえりさんはそんな櫻間先生にお話を…

結局さえりさんの写真を載せる必然性がほしかっただけです僕。はい。載せました。すみません。

今回のコラムがなぜ【必然コラム】かというと、さえりさんの写真を載せる僕の気持ちは常に必然だからです。どうでもええわ。

ちゃんと櫻間先生と私の話を聞いてください。

聞いてます聞いてます。

そんな櫻間先生とさえりさんのお話は、写真を撮るのに忙しくて僕も聞いてなかったので、記事を読んでいただきたいと思います。

微生物をつかって「ものづくり」? バイオ環境学部の櫻間先生にお話を聞いてみた

そして僕には例によって先生から課題図書を読むミッションが課せられました。

では、最初の本。

くらしと微生物
村尾沢夫 荒井基夫 藤井ミチ子 倍風館 出典:Amazon

い…いきなりけっこう教科書ライクな本じゃ…ないですかこれ?カビ類、酵母、細菌、ウィルス、そんな微生物をまず挙げて、ついで発酵食品や抗生物質、工業利用、環境浄化に微生物が果たす役割などなど。教科書的ではあるんですが、左ページに解説文、右ページに図・写真・表となっていて意外と読みやすかったです。これをざっと読むことで、微生物学の基礎を身につけることができます。

ひろのぶさん

先生、先生、櫻間先生。
いやあ、かなり基礎的なことからお勉強させてもらいました。文系の僕には読むの大変でした。それにしても、ありとあらゆるところに微生物がいて、酵素の働きがあるんですね。

微生物はどんなところでも生きていますが、生きていくためには様々な環境に適応するための多様な酵素が必要です。それらを研究して応用していけば、膨大な可能性が眠っているんじゃないかなと思うんです。

タンパク質とからだ
基礎から病気の予防・治療まで 平野久 中央公論新社 出典:Amazon

おっと、この本も化学式や分析法がちょいちょい、出てきます。普段なら読んで(ちょっと硬め?難しめ?)と思うところですが、さいしょに教科書に近い本から入ったので読み物としてしっかり楽しめました。「タンパク質」ってよく聞くけど、お肉とか?大豆とか?ぐらいの認識の僕だったわけですが、もっとだいずなもの、間違えた、だいじなものだったんですね。たとえば、皮膚の弾力のもとコラーゲン、筋肉を伸び縮みさせるミオシン、血糖値を下げるインスリン、酸素を運ぶヘモグロビン、みなタンパク質だったんですね。現代では病気の検査も治療も予防も、タンパク質を調べることで大きく進歩したそうで、これからの展望もよくわかる本です。

人を助けるへんな細菌すごい細菌 ココまで進んだ細菌利用
中西貴之 技術評論社 出典:Amazon

やったー!硬い本で基礎から勉強したおかげで、この読み物風の本が、もう、まったく娯楽そのものに感じます。あー、最初の2冊、めんどくさかった。この本、めちゃくちゃ面白いです。「細菌」に的を絞って、そのなりたち、ヨーグルトを食べた時の身体への良い影響「プロバイオティクス」とか、「音楽にも細菌の力が?」とか(その答えはスピーカーやヘッドフォンの振動板にアリ)、これから人類は細菌をもっとコキ使って働かせる時代…面白い話しか載ってません。

極限環境の生き物たち なぜそこに棲んでいるのか
大島泰郎 技術評論社 出典:Amazon

上記の「知りたい!サイエンス」シリーズの一冊です。「すべての生物は、極限環境生物から始まる」…!目からウロコでした。地球は生命のゆりかご、暖かい陽射し、穏やかな海や森の中で動植物がゆっくり進化して…そんなイメージを持っていませんでしたか。違います。地球は甘くなかったのです。そういえば転んで砂が口に入った時も甘くありませんでした。巨大隕石の衝突、何度も起こった「全球凍結」と呼ばれる海も陸地も全て凍りついた現象(知らなかった!)、そんな大量絶滅の中で生き残った微生物からまた進化がリスタートしているのです。なので、いまでも地中数十kmの高圧、100℃を越える熱水、高放射能が降り注ぐ原発の配管内……そんなところにも微生物がたくさんいて、彼らこそまた大絶滅があっても生き残る次世代の主役かもしれません。彼らはとんでもない環境に耐えうるための「酵素」を作り出して生命を維持しています。その酵素を研究することは、人類にも非常に役立つことなんですね。そのうち、過酷な環境でも人間が生きられる酵素も開発されるかもしれません。

腸内フローラ10の真実
NHKスペシャル取材班 主婦と生活社 出典:Amazon

「やせる!若返る!」ぐぬぬ、いまいちばん僕が読まねばならん本ではないですか。「腸内フローラ」ブームを巻き起こしたテレビ番組、NHKスペシャルの内容の書籍化です。「フローラ」とは、「お花畑」に近い意味の言葉です。人間の腸には大量の細菌が住み着いていて、まるでお花畑のように咲き乱れ、さまざまな活動をしているんですね。その作用で人間は健康にも病気にもなることが近年の研究でどんどんわかってきました。肥満も、老化も、がんにも大きくかかわり、それは食生活や生活習慣で大いにコントロールできるんです。「太っているのは体質だからまぁいいや」なんて、そんな脳内お花畑な適当な考えで生きていてはダメなのです。知識と実践で腸内お花畑にしないとダメなのです。驚いたのは、「健康な人のうんちを抗生物質が効かない患者の腸に移植する治療の効果は絶大」という話。えーと、健康な◯垣結衣さんとか、健康な石原◯とみさんとか、健康な桐◯美鈴さんのものなら自分の腸に移植されてもうれしいですが、健康な中年男性のとかはちょっと、遠慮したいです。

さて、今回もいろんな本を読んで思うのは、微生物、細菌、酵素、そんな目に見えないものの働きを確かめ、実証し、未来へ向けて役立てていく人間の頭脳のすばらしさ、そしてやっぱり、科学する態度の大切さですね。

それと、面倒だけど、難しい本を頭に入れてから、やさしい本を読む。これ、なんにでも言えることですが、あらためて感動しました。例えば歴史なら、読むのが面倒な一次資料をちゃんとおさらいしてから歴史小説や歴史漫画を読めば、楽しさ面白さは何倍にもなる。「入門書から入るといい」なんて言いますが、逆の良さもある。だから、真面目で硬い学校の授業も教科書も、将来面白がるための仕込みになる。今回、そんな「より面白がれる順番」を教えてくださった櫻間先生に感謝です。

いやぁ、勉強って楽しいなぁ。今回もやっぱり、そう思いました。櫻間先生、ありがとうございました。

さて、京都学園大学のキャンパスを訪ねていろんな話を聞いて書く「京都学園大学に行ってみた」シリーズも連載丸1年を迎えます。

そこでこの連載を支えるライター、さえりさんとカツセマサヒコさん、そして僕で、「今後どんな記事を作っていくか」という会議をしました。

さえりさん

わたしは、そうですね、日常生活の素朴な疑問を大学の先生に訊いてみたら?とか。そんな記事は面白そうですね。

ひろのぶさん

なるほどなるほど。

さえりさん

ここで私の大きい写真いらなくないですか。

ひろのぶさん

そうかもしれませんが、カツセさんはいかがですか?

かつせさん

僕は、大学の先生のパーソナリティにもうすこしフォーカスを当てた記事とか個人的にも読みたいですね。そんな企画はいかがでしょう。

ひろのぶさん

ふむふむ。それにしても、やっぱり本を食べていませんか?

かつせさん

食べては、ないですね。

さえりさん

田中さんがいると会議が進まない気がします。

はい。黙って写真撮ってます。

というわけで、「京都学園大学に行ってみた」シリーズ、新しい展開にご期待ください。来月もまた、京都学園大学からお届けします。

田中泰延
田中泰延

1969年大阪生まれ
株式会社 電通でコピーライターとして24年間勤務ののち、2016年に退職。ライターとして活動を始める。
世界のクリエイティブニュース「街角のクリエイティブ」で連載する映画評論「田中泰延のエンタメ新党」は100万ページビューを突破。
Twitter:@hironobutnk


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