大学の就職支援の先生に聞いた「就職に有利な学生生活の過ごし方」

大学の就職支援の先生に聞いた
「就職に有利な学生生活の過ごし方」

ライターのカツセマサヒコです。

今となってはマンションの管理人にニートと思われている僕ですが、これでも大学をギリギリ卒業した比較的マジメな部類の人間でした。

そんな僕から皆さんに聞きたいことがあります。大学の「就職支援課」とか「キャリアセンター」って、なんとなく使いづらいイメージがありませんでしたか?

大学の就職支援機関って、なぜか「情報が遅そう」とか「あんまり役に立たない」って雰囲気が醸し出されちゃっていると思うんです。そして、それを毛嫌いして「一度も行かずに卒業した」っていう僕のような学生もたくさんいる気がします。

でも、僕が知らないだけで、大学の就職支援機関は、本当は超使えるところなのかもしれない。そんな淡い期待をいまさら抱いたので、今回は京都学園大学 キャリアサポートセンター長・小野里光広(おのざとみつひろ)先生にお話を聞いてみることにしました!

小野里光広先生

1960年、神奈川県横須賀市生まれ。筑波大学大学院ビジネス科学研究科後期博士課程企業科学専攻(企業法コース)単位取得退学。三井信託銀行(現 三井住友信託銀行)等にて主に証券関連業務に従事後、2006年京都学園大学法学部助教授、現在、同経済経営学部教授(商法・会社法)。この間、英国オックスフォード大学客員研究員、学校法人京都学園理事など。

カツセマサヒコ

先生、よろしくお願いします! キャリアサポートセンターの素晴らしさを伝えつつ、学生たちが就活で有利になるような情報をください!

小野里先生

こちらこそ、よろしくお願いします。

ちなみに僕が就職活動をしたのはもう8年近く前のことでして、学生の気持ちもいい加減わからなくなってきたところがあります。そのため、今回は京都学園大学の学生さんにも協力してもらうことにしました。
経営学部経営学科の田之村有輝くん(3回生)、人間文化学部心理学科の進藤晃一くん(3回生)、バイオ環境学部バイオ環境デザイン学科の石川のぞみさん(3回生)です!
(※3人ともキャンパス内を歩いていたところを強引に捕まえました)

カツセマサヒコ

3人ともよろしくね!

田之村さん、進藤さん、石川さん

何するのか全然わかってないんですけど。

カツセマサヒコ

大丈夫、来てくれただけでうれしい。

「就活はリア充が勝つ」のか?

カツセマサヒコ

さあ先生! キャリアサポートセンターがどれだけ素晴らしい就職支援をしているのか、お話ください!!

小野里先生

うーん……今回、そういう話はあんまりしたくないんですよね。

カツセマサヒコ

え!? なんで!?

小野里先生

キャリアサポートセンターが「資格取得のための課外講座が充実している」とか、「個別に面談して面接対策ができる」って話も、もちろんできます。でも、それくらいなら多かれ少なかれどこの大学でもやっているでしょうし、学生さんもそのくらいは知っているでしょう?

カツセマサヒコ

ああ、そのぐらいだったら僕も想定してました。

小野里先生

でも就活って、「面接対策」とかの小手先のテクニックだけ鍛えてもダメなんですよ。

カツセマサヒコ

(そうだったのか)

小野里先生

それよりも「学部でどんなふうに勉強したか」とか「バイトやサークルでどんなことをしたか」とか、そういう経験を持っていることが大事なんです。

カツセマサヒコ

でも、それを言っちゃうと……

「就職活動は、リア充が勝つ」ってことになりません……?

田之村さん、進藤さん、石川さん

終わった。

小野里先生

学生たちの不安を煽らないでください(笑)

小野里先生

たしかに、就職活動成功の鍵は「充実した学生生活そのもの」かもしれません。

田之村さん、進藤さん、石川さん、カツセマサヒコ

(ばっさり言い切った)

小野里先生

でも、「私はこんな経験をしたから、学生時代は誰よりも充実していました!」なんて人は、実は世の中にそんなにいないんですよ。

カツセマサヒコ

ああ、確かに。リア充自慢しても、意外と学生がやってることなんて、似たり寄ったりなことが多いですもんね。

田之村さん

そうなんですか?

カツセマサヒコ

就活で披露される意識高いエピソードの8割は「自転車で日本一周」「ヒッチハイクでアメリカ横断」「途上国で井戸を掘る」のどれかって決まってるでしょ。

小野里先生

それはさすがに偏見が入りすぎです。

小野里先生

まあ、中にはすごいエピソードを持った学生もいると思いますが、実は多くの企業の場合、立派なエピソードがなくても問題ないことが多いんです。

小野里先生

もちろん経験自体が魅力的な方が、話は盛り上がります。でも、就活では具体的なエピソードよりも、その経験を通してどんなことを思ったか、どんな理由から行動したかのほうが注目されていますから。

カツセマサヒコ

行動自体ではなく、行動に付随する想いに、個性が出るんでしょうね。

小野里先生

そうです。だから、派手なことを闇雲にやればいいってものではない。ありふれた経験でもいいから、そこで何を得られたのかを考えてみてほしいと思います。

やりたくないことを考える就職活動もアリ

カツセマサヒコ

「就活には学生時代の経験が大事」って話がありましたけど、企業っておもしろいほど「学生時代にどんな経験をしましたか?」って聞いてきますよね。

小野里先生

そうですね。それで多くの学生が、事実より少し盛ったエピソードか、ネタ作りのためにわざわざ行動したエピソードを話しがちです。

カツセマサヒコ

単なるサークルの「飲み会係」だったのに「副幹事長」って盛って自己PRしてた黒歴史がよみがえるな。

田之村さん

そんなことしてたんですか……。

カツセマサヒコ

こんな大人にはなっちゃだめだぞ。

小野里先生

就活で話すネタを作るためにサークルの役職を目指したり、遠くまで旅をするのも悪くはないと思います。ただ……

カツセマサヒコ

ただ……?

小野里先生

とくに1,2回生のうちは、まだ時間もあるわけですし、就活を意識せずに自分の興味のあることにどんどんチャレンジしてもらいたいですね。その方が無心になって挑戦できることが増えると思うので。

カツセマサヒコ

なるほど。

カツセマサヒコ

あと、「やりたいこと」で考える就職活動もあれば、「やりたくないこと」で考える就職活動もあると思うんです。キャリアサポートセンターとしては、そういう「消極的な企業選び」って、どう思いますか?

小野里先生

条件から絞る仕事探しをするっていうのも、悪くないことだと思いますよ。

小野里先生

今となっては多くの企業がそうですが、たとえば「土日は必ず休みがいい」とか、働くうえで外せない条件はしっかり決めたうえで企業を探すほうが、入社後のギャップも少なくて済みますよね。

カツセマサヒコ

週5で休みたいですけどね、本当は。

小野里先生

昔は「なんでもやりますと言え!」という文化だったと思うのですが、最近の若い人は面接で虚勢を張って入社しても、社風が合わなかったらすぐに辞めちゃいますからね。

カツセマサヒコ

そうなると企業も学生もお互い不幸ですよね。

小野里先生

そうそう。だから、そうならないためにも、イヤなことはイヤと明確にしておくことも大事でしょうね。

カツセマサヒコ

進藤くんは、全国転勤とか、したいと思う?

進藤さん

僕は絶対にイヤですね。出身が秋田なので、秋田か京都のどちらかで就職したいです。

小野里先生

そしたら「全国転勤は自分の条件に合わない」ということを明確しておくことも大事だね。

進藤さん

でも、それで落とされることって、ありませんか?

カツセマサヒコ

面接官に「それでもコイツと働きたい」って思わせたら勝ちなんだし、「全国転勤NG」って答えただけで落とされるような会社なら、行かなくて正解なんじゃない? 転勤指示が出た瞬間に辞めたくなるでしょ。

小野里先生

その通りですね。

カツセマサヒコ

あと、不思議なんですけど、とくに金融関係の企業って「家を建てたら転勤」ってパターンが多くないですか?

小野里先生

ああ、私も元々は金融業界にいたから、まさにそれでした。金融業界はどうしてもお金が絡むから、4~5年で転勤させないと、金に絡む不祥事が発生しやすいと考えられているのでしょうね。ひとつのリスクヘッジなのでしょう。

カツセマサヒコ

性悪説だなあ。

小野里先生

家を建てて、そこに住んで、子どももできました! っていうタイミングで「じゃあ転勤ね」って展開も、よく見かけましたよ。

カツセマサヒコ

それ、本っ当にキツいと思うんですよ。家建てちゃったから奥さんも子どもも動けないでしょうし、単身赴任決定ですよね? 新築の家に自分は住めず、ローンだけを払い続けるって、もう地獄じゃないですか。

進藤さん

すごい現実を見せられている気がする。

小野里先生

でも「全国を旅したい」っていう人は、全国展開している金融業界には向いているかも。いつも「転勤したい」とばかり言っている友人もいましたよ。

カツセマサヒコ

すごい落ち着きのなさだ。

小野里先生

だから、人によって職場に望む条件は異なります。カツセさんみたいに「やりたくないこと」が多い人は、条件から選ぶ仕事探しをしたほうがいいかもしれません。

カツセマサヒコ

いっそ、働かずにヒモになって暮らしたいんですけどね……。

小野里先生

それを学生の前で言うのはやめましょう……。

インターンシップで「こんなはずじゃなかった」を経験する

カツセマサヒコ

3人は、「就職活動で話すならこのエピソード!」みたいのはあるの?

田之村さん

文化祭実行委員をやっていることくらいしか、ネタがないですね……。

カツセマサヒコ

自己PRを考えたことはある?

田之村さん

まだないです。

小野里先生

今3回生ってことは、就活が本格化するのは来年からだし、まだ固まっていなくても自然かな。

田之村さん

そうですね。

小野里先生

進藤くんはどういう業界に行きたいとか、決まっているの?

進藤さん

そもそも就職するかも迷っていますね……。

カツセマサヒコ

お! 何かやりたいことあるんだ?

進藤さん

実家が寿司屋なんですよ。

カツセマサヒコ

へー! 寿司職人!!

進藤さん

どこかのお店で修業するか、すぐに家を継ぐか、ちょっと悩んでいるんです。

カツセマサヒコ

しっかりしてるなあ……。

小野里先生

石川さんは?

石川さん

わたし水族館の飼育員になりたくって、1回生のときにインターンシップをやってみたんです。

カツセマサヒコ

行動力ある!

石川さん

そしたら、本当に水族館で働きたいのかわかんなくなっちゃって。

小野里先生

なるほど。でも、それも、インターンシップのいいところですね。インターンをしてなかったら、間違って入社してしまったかもしれない。

石川さん

たしかにそうですね。

小野里先生

そのインターン先は、どうやって見つけたの?

石川さん

水族館のホームページで見て、自分からいきました

カツセマサヒコ

大学で斡旋とかは、してないんですか?

小野里先生

もちろん積極的にしています。あと、京都には「大学コンソーシアム京都」っていう組織があって、そこでは大学を横断して、教育プログラムとしてのインターンも提供しているんです。かなり手広く情報が集まりますよ。

カツセマサヒコ

えー! すごい! 京都やるなあ!

小野里先生

でも、そこにも水族館のインターンはないと思う。

カツセマサヒコ

石川さんのリサーチ力すごいな。

小野里先生

たのむらくんは、インターンとかを考えたことはある? 

田之村さん

行きたいと思ったんですけど、申し込もうとしたら締め切ってました。

小野里先生、カツセマサヒコ

あるある。

アウトプットのやり方こそ、就活支援機関に頼る

カツセマサヒコ

高校時代には想像もつかなかったんですけど、大学の4年間って、異常に短いじゃないですか。

小野里先生

何かやろうとするには、確かに短いですよね。

カツセマサヒコ

就活シーズンまで一瞬だった気がして、その間なにもしてこなかったから、めちゃくちゃ苦労したんですよ、僕。

小野里先生

わかります、わかります。

カツセマサヒコ

だから1回生のときからもっとゴリゴリ将来のことを考えさせればいいと思うんですけど、そういう支援、大学はやってないんですか?

小野里先生

1回生のときに実施する「自己確認アンケート」から就職支援は始まっていますね。

カツセマサヒコ

自己確認?

小野里先生

質問に答えていくことによって大学生活を振り返り、自分の長所や短所などを見つめなおすきっかけになることを狙ったアンケートで、進路支援の一環です。

カツセマサヒコ

へえ! いいじゃないですか!

小野里先生

でも、そのアンケート受けたこと、3人は覚えてるかな?

…………。

小野里先生

1回生で、将来の進路を意識する学生は多くはないんでしょう。(笑)

カツセマサヒコ

なるほど。

小野里先生

学生たち自身に「将来どうしよう? 大学生活何しよう?」というスイッチが入らない限り、こちらがいくらアピールしても、興味関心は薄いままなんです。

カツセマサヒコ

スイッチを押してあげる役目も果たしたいですけど、つい説教くさくなっちゃいそうだし、難しいんでしょうね……。

小野里先生

あと、先ほどもお話したとおり、キャリアサポートセンターはどちらかというと就活に直結する支援をメインにしているので、実質的に学生の利用が増えてくるのは3回生、4回生のときでしょうね。

カツセマサヒコ

ふむふむ。

小野里先生

とくに、うちは中堅大学だからこそできる「サポートの手厚さ」をウリにしています。

カツセマサヒコ

どんなことをやっているんですか?

小野里先生

相談に来てくれた学生には、職員やキャリアアドバイザーがひとりひとりに付いて、継続的に見守りながら「あなたにはこの会社、向いてると思うけど?」といった提案までしています。

カツセマサヒコ

え、意外と細かい!

田之村さん

知らなかったです。

小野里先生

あつかましくならないように注意しながら、中堅大学ならではの強みできめ細かいサポートをしているので、就活が近づいてアウトプットの仕方がわからない人こそ、訪ねてもらいたいですね。

おわりに

カツセマサヒコ

いろいろ伺ってきましたが、やはり「テクニックを磨くのは就活シーズンが本格化してから。それまでは、派手なエピソードでなくてもいいので、大学生活の4年間を思いきり謳歌すること」が、結果的に就活でも有利な学生生活の過ごし方になるのでしょうか?

小野里先生

そうですね。大学側は、キャリアサポートセンターでは就活に直接生きる支援を、基盤となる人間的に成長する多様な場は学部や大学全体でサポートする仕組みを整えています。

カツセマサヒコ

二本柱なんですね。

小野里先生

授業やゼミでは、座学に限らずフィールドワークなどさまざまな体験をできるようにしていますし、学部のみで扱っているインターン斡旋や、授業カリキュラムとしての長期インターンシップもあります。

カツセマサヒコ

学生はその中でいろいろ経験してもいいですし、アルバイトなどの学外活動に熱中するのもいいってことですね。

小野里先生

大学関係者としては少し寂しいですが(笑)、学外活動に精力的になるのも、この時期しかできないことですからね。いろんな経験をして、それをアウトプットするときに困ったら、キャリアサポートセンターをぜひ訪ねてもらえればと思います。

カツセマサヒコ

就職支援機関、使い方次第ではめちゃくちゃタメになることがわかりました。ありがとうございました!

せっかくの4年間ですし、「3限サボって映画デートした」といったユル~い青春を過ごすのも、「ソシャゲにハマって2週間家から出なかった」といった完全インドアな青春を過ごすのも、それはそれで最高だと思います。(むしろ、社会人になった今となっては、その時間こそ貴重だったなと思います)

しかし、就職をするにせよ、別の道を歩むにせよ、基本的に4年後には、みんなそれぞれ別の道へ進むことになります。そのときに学生のみなさんが正しい判断ができるように、また、「選んだ道が正しかった」と5年後、10年後に笑っていられるように、大学はみなさんを遠くから、ときに近くから見守り続けてくれているようです。

「楽しいけれど、このままでいいのかな?」と思ったときや、「将来どうしよう?」と思ったときには、ぜひいろんな人に相談したり、就職支援関連の部署を覗いたりしてみてください。きっと何かのヒントを得られるはずです!(あくまでも「きっと」ですけど!)

それでは、すてきな学生生活を!!

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カツセマサヒコ
カツセマサヒコ

下北沢のweb系編集プロダクション・プレスラボのライター。
書くこと、話すこと、企画することを中心に活動中。
最近『SNSポリスのSNS入門』(ダイヤモンド社)のコラムパートを執筆。
趣味はTwitterとスマホの充電。

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