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2019年10月26日

【体験ゼミレポート】スピーチ・セラピーの魅力

8月5日(土)・6日(日)に開催されたオープンキャンパス。 たくさんのイベントの中でも、幅広いテーマの講義や実験を体験できると好評な「体験ゼミ」。 今回は数あるテーマの中から、健康医療学部言語聴覚学科 苅安誠教授の「スピーチ・セラピーの魅力」のレポートをお送りします!

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暑い中、多くの参加者とスタッフで賑わいをみせた8月5日(土)のオープンキャンパス。京都太秦キャンパス東館の基礎実習室では、健康医療学部言語聴覚学科の苅安誠先生による体験ゼミ「スピーチ・セラピーの魅力」が行われました。

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興味をもって集まった参加者の皆さんに、スピーチ・セラピーへの理解を深めてもらおうと参考図書や求人ファイルが用意された実習室で、体験ゼミがスタート。 スピーチ・セラピーとは、どんな仕事なのか?まずはスピーチ・セラピー(言語聴覚療法)がことばや発声発語・聞こえ・嚥下などを専門的に診る仕事であること、言語の起源・社会生活での必要性といった内容から講義が始まり、続いてセラピスト(治療者)の仕事を具体的に分かりやすく説明していきます。

声・発音・飲み込みなどのさまざまな問題があるが、治せるものは治して、治せないものでもベストを尽くすのがセラピストの仕事です。
「発声障害」の例として、声変わりや喉を持ち上げた発声になってしまう変声障害の実際例を映像と音で紹介。声がひっくり返ったり、かすれてしまったりする様子が撮影されたビデオを見ながら、適切な身体の使い方を忘れてしまったことなどの原因が挙げられました。さらに本学科の一年次に音声学で勉強する内容を基盤に、「構音障害」では、「魚」を「たかな」、「セミ」を「ケミ」と発音してしまう例を理解することが示されました。構音障害の症例には、CT画像で喉や口の中をみるといった方法で異常な構えや運動を明らかにする最新の研究を紹介。呂律(ろれつ)が回らなくなる神経原性の発声発語障害例としてパーキンソン病患者や小脳出血を起こした患者の音声が紹介され、言語障害では子どもの発達段階に併せた指導が行われることなども説明。他にも、生まれつきの難聴によって音声学習が困難になる聴覚障害、飲み込みが困難になる嚥下障害など、さまざまな症例を挙げながら、患者を深く理解するためには経験が必要であると説明。

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最後に苅安先生から、今日の講義を真剣に聞き入っていた参加者の皆さんへ。スピーチ・セラピーの仕事は難しい分野であり、かなりの勉強が求められますが、その分、とっても良い仕事。患者の社会生活を取り戻すために欠かせない仕事であると呼びかけ、体験ゼミを締めくくりました。

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