バイオ環境と社会のつながり第11回「バイオ環境と社会のつながり」を開催【バイオ環境学部】

2019年08月22日

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講義「バイオ環境と社会のつながり」は、主に入学したばかりの1年生を対象に開講しています。自然環境の劣化や生産環境の荒廃、地域社会の弱体化などの諸問題に実社会で取り組んでいるキーパーソンをお招きし、問題の社会的背景や実践事例を伺うことで、今後4年間のバイオ環境学部での学びの方向性を各人が考察するための試みです。

2019年6月25日(火)にシリーズ講義「バイオ環境と社会のつながり」第11回が開催されました。今回は、株式会社丹後王国 代表取締役社長 中川正樹様 から「地域商社機能を発揮し、ニコニコ、ハキハキ、イソイソ」という題名でお話を伺いました。

中川様は、地域の特産物販売や食品加工体験施設であった「丹後あじわいの里」を道の駅「丹後王国食のみやこ」として再生することに奮闘されてきました。前職で農家への教育事業や専門家派遣プロジェクトに参画して手腕を磨き、そのキャリアが大いに役立ったそうです。

親会社である株式会社パソナの企業理念は「社会の問題点を解決する」とのこと。社会にどんな問題点があるのでしょうか? 問題点だらけのように見えても、見方を変えれば、実は、埋蔵お宝満載かもしれません。「丹後王国食のみやこ」は、観光案内や地域特産物販売など、地域づくり拠点機能に加え、域外事業所への自社加工品販売や地域産品配送、域内の学校給食配送も手がけています。最近は、地元高校生などの参画による丹後七姫の演劇や各種イベント開催などを通じ、地域の歴史や文化の継承を手助けし、人材育成や地域文化の発信拠点としての役割も担うようになりました。

限界集落が増えるとの予測の中、仕事を通じ、田舎で働くことの楽しさや可能性も追求され、働き方やライフスタイルが変わってきて副業を持つ人も出てきました。“地域”をテーマとしてしなやかに考え、柔軟に対応をするのが、丹後王国の機敏な“商社機能”に繋がるのかなと思いました。

果たして学生たちは、“地域づくり”というテーマに思いが至ったのでしょうか。活動に共感できたのでしょうか。地域の疲弊や限界集落に立ち向かう・・・というと悲壮な印象になりますが、「丹後王国」の仕事の流儀は、“ニコニコ明るい笑顔”、“ハキハキ優しい言葉”、“イソイソ働く手足”です。冷静な視点で地域ビジネスの可能性を探求しつつも、交流により地域を巻き込み、楽しくしっかりと事業展開することで、不可能な事が可能になることを、一人でも多くの学生が学び取り、地域づくりに思いを馳せる人材に育って行くことを期待します。

(バイオ環境学部 教授 藤井孝夫)

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