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先生に聞いてみた【17】 神原歩講師

更新日:2016年12月19日(月)
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京都学園大学でユニークな研究に携わる先生に突撃インタビューする「#聞いてみた」シリーズ。17回目は、キャリア関連の講義を通じ、学生たちが「自分で自分の人生を選び取っていく」ことをサポートする神原先生に、いろいろお話を聞きました。

神原先生

生き抜く力を育むために
学生たちと、ともに語り考え歩んでいく。

何かを教えたり指導するというのではなく、
生きていくための力となる「気づき」と「きっかけ」づくりを。
自分で感じ、考え、選択し行動するための実践講義を展開。

Q.先生は、どういった講義をご担当されているのでしょうか。

本学に入学された一年次生を対象にした、必修科目の「キャリアデザインA、B」です。それから、二年次以降の選択科目なのですが「仕事とキャリア形成」という講義を受け持っています。学部と学科を横断した「教育開発センター」に属していますので、講義の対象も、全学部の学生です。

講義と言っても、何かを教えたり、指導したりそういう性格のものとはまったく違います。どちらかと言いますと、よく耳にする言葉ですが「ファシリテーション=Facilitation」に近いかもしれません。討議を通じて出た意見をまとめたりしながら、受講者の「気づきのきっかけ」の場づくりをしているといった感じです。

「生き抜く力」を育てる、きっかけの場づくり。

Q.具体的に、講義ではどういったことをするのでしょうか。

「キャリアデザイン」の講義では、まず、大学生活をどう過ごすかについて考えます。そこから、人生70万時間をどのように過ごしていくのかについても思いをめぐらせます。ほかには、他人と正確に意思疎通するための方法を考えたり、協働して何かを作り上げる体験も含まれています。たとえば、協働作業と創造的思考の体験を兼ねて「新聞紙を使ってどんな形でもよいので1つの高いタワーを創る」というお題で、チーム対抗で高さを競ったりします。

秋学期以降は、自分の特徴や社会に関心をもってもらうことに主眼をおいています。例えば、他者とは違う自分の性格的特徴を洗い出したり、自分が生きていく上で譲れないものは何かについて考えたりします。

また、2年次以降の「仕事とキャリア形成」においては、もちろんこれからの進路決定について、つまり仕事選びについてのお話もするわけですが、それがすべてはないです。むしろ性急に進路を決めましょうという色合いではなく、現在の社会の動向などを一緒に調べることを通じて、まずは自分が今いる立ち位置について理解をする。また、「働く」ということそのものの意味を考えてみたり、それを通じて多様な生き方を知るきっかけをつくっています。

自分自身で考え、道を選び、行動することの大切さ。

Q.学生たちに、どのようなことを伝えていきたいですか。

たとえば、グループワークを通じて、「みんなと協働することは楽しいという気づきを得てもらうのも勿論よいですが、その一方で、画一的な考え方に偏って欲しくないとも思っています。「みんなでワイワイするより一人でコツコツ作業するほうが好き」と感じたとしても、それは重要な気づきですから、その気づきを大事にして欲しいです。ただ、一度試してみないとそれを感じることもできません。

そして当然ですが、講義で得られるのは、考えるきっかけにすぎないので、実生活の中でこそ、色々な経験をして様々な思いを体感して欲しいです。本講義での気づきが、その時に何かを感じる下地になれば本望です。

「答えはない」ということを知ることからすべてが始まる。

Q.先生ご自身の教育・研究に対するお考えをお聞かせください。

冒頭でもお話ししましたように、私が学生たちに何かを教えているという考えはありません。学生たちは何かと正解を求めますが、生き方なんて人それぞれです。正解はないから、自分で考えて選択していくしかないのだと伝えています。私にできることは、学生たちが「自分で自分の人生を選び取っていく」ことをサポートするということだけです。

私の専門分野は、社会心理学や認知心理学です。人がどのように世界を理解しているのか、またその理解によって行動が決定される様について研究をしています。人は一般的に、周囲の様々な出来事を客観的に理解して生活していると思っている節がありますが、究極を言えば、視覚でさえも脳が創りだした映像にすぎません。つまり、人は外界の事象について直接的に確かめることはできなくて、解釈はつねにその個人に委ねられているということです。講義内容とも共通しますが、私自身の関心は、不確かさの中で、人が何かを信じ、選択する様にあるのかもしれません。

Q.オフタイムには、どういった時間を過ごされていますか。

運動不足を解消するような意図もあるのですが、もっぱらスポーツジムで走ったり、泳いだりしています。ヨガも楽しんでいます。心身ともに開放してゼロに戻す。それが何かの活力になるようなそんな気がしています。

それから、海外旅行が好きです。おしゃれな観光地ではなく、あんまり他人が行かないようなところ。アフリカやアジアの辺境なども旅します。結局、“人間観察”が好きなのかもしれませんね。その国特有の、文化や風習が姿形になって見えてきます。それらはいくら見ても見飽きることはありません。

face教育開発センター

神原歩 (かんばら・あゆみ)講師

兵庫県神戸市生まれ。大阪大学人間科学部行動学専攻卒業後、数社企業勤めを経て、関西大学大学院心理学研究科心理学専攻博士課程後期課程修了 博士(心理学)。奈良女子大学生活環境学部生活文化学科博士研究員を経て、現職。

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突撃インタビュー「# 聞いてみた」