京都先端科学大学

京都先端科学大学

Newsお知らせ

「2015年度 対人援助現場」の見学実習が始まりました!

更新日:2015年10月29日(木)
このエントリーをはてなブックマークに追加

「対人援助現場の見学実習」は、心理学科の3回生川畑隆ゼミ(臨床心理学専門演1B)が毎年、秋学期に行っているもので、川畑ゼミ生だけでなく、他のゼミ生、他学科、他学部の学生も(主に3回生以上ですが)、希望者は参加できるようになっています。

 

今年度、訪問を予定している現場は以下の近隣の7つです。

第1回 10/13(火):障害者支援施設 かしのき

第2回 10/27(火):特別養護老人ホーム 亀岡たなばたの郷

第3回 11/10(火):京都府教委認定フリースクール アウラ学びの森 知誠館

第4回 11/17(火):重症心身障害児・者施設 花ノ木医療福祉センター

第5回 12/01(火):児童養護施設 青葉学園

第6回 12/08(火):特定非営利活動法人 亀岡子育てネットワーク

第7回 12/15(火):なんたん障害者就業・生活支援センター

 

今回はその第1回、社会福祉法人「松花苑」の「障害者支援施設 かしのき」の報告です。私(ゼミの担当者である川畑)からの報告は最小限にして、参加したわがゼミ生の声をお届けします。

 

▪️第1回 障害者支援施設 かしのき 訪問

 

障害者支援施設「かしのき」にて施設の説明を受けるゼミ生

障害者支援施設「かしのき」にて施設の説明を受けるゼミ生

 

1013日(火)、「障害者支援施設 かしのき」と「障害者福祉サービス事業所 ワークスおーい」にお邪魔しました。これらの施設は、知的障害をもった方々が利用しておられます。

大学のマイクロバスに乗り込んだのは(運転手さん、毎年ありがとうございます)、3回生ゼミ生10名、4回生ゼミ生1名、他学科の4回生1名と私の計13名。大学出発後20分で到着し、午後1時から230分までの実習が始まりました。

迎え入れてくださったのは、「かしのき」と「ワークスおーい」の施設長、矢野隆弘先生で、パワーポイントを用いた概要説明と、室内、室外の施設の案内をていねいにしてくださいました。

また、利用者のみなさんも、お仕事の様子やご自分のお部屋の造りや飾り付けなどを見せてくださいました。

ありがとうございました。

(心理学科教授 川畑隆)

 

<レポート1>

 今回、初めて障害者支援施設に見学をさせていただいた。これまで生きてきた中で実際に施設に足を運び、施設の環境や入居者・利用者を肌身で感じることをしたことがなかったので、いい経験をした。はじめに矢野先生からお話を聞き、障害とは何か、現在の障害者数はどのようになっているかなどを聞き、あらためて障害者支援施設の重要さを知った。

 今回見学した「かしのき」には40名ほど入所しており、「ワークスおーい」に60名ほどが通所をしている。入所では、高齢化・重度化に応じて暮らしを支えている。部屋の構造は5つのユニットに分かれ、410名が暮らしている。部屋を見学させていただいたとき、実際に入居者の方が作業をしておられたり、自分の部屋で寝ておられたりした。急に見学に行ったにもかかわらず、話しかけてくださり、あいさつをかわすことができた。部屋の中も見せていただくことができ、中はそんなに広くはないが、入居者の方の個性があふれているお部屋だった。

 重度重複障害の方のお部屋も見せていただくことができた。こちらでは、職員が一人ずつ付き、11で支援していて、その中に看護士が一人おられた。看護士が必要なほど重度な方々であるが、この日は元気に迎えてくれた。看護士の方がおられるから、安心して施設に通うことができるのだと感じた。

 次に、通所の方々が働いたり、活動したりしている「ワークスおーい」を見学させていただいた。こちらには、就労支援部門と活動支援部門の2つがある。就労支援部門では、喫茶店やクリーニングなどの仕事があり、月13万ほどの給料だそうだ。見学したときは、クリーニングの仕事場でたくさんの方が働いていた。隣の病院からシーツなどの洗濯物がたくさん届き、大変忙しそうに見えたが、一生懸命働いておられる姿をみると私も頑張ろうと思えたし、このようなことで元気を私たちのほうがもらえるのだと実感した。活動支援部門では農園芸などをされていて、野菜や花を育てていた。とてもたくさんの花を植えておられて、施設も心もお花でいっぱいになるのだろうなと思った。

 今回見学して、知っているつもりで知らないことがたくさんあったことに気づけ、知識として身についたものもたくさんあったし、初めて知ったこともたくさんあり、障害をもつ方について、施設について、支援について、学ぶことができた。今後の授業や見学実習・就職活動に繋がったと思うし、この経験を無駄にはしたくないと感じた。 

 (心理学科3回生川畑ゼミ 田中 千明)

 

<レポート2>

(前略)施設の周囲は建物も少なく,非常に静かでのどかな田舎の雰囲気を醸している。さまざまな障害を持つ方のためにバリアフリーを徹底した建物の作りをしているのが印象的であり,段差の少ない環境や軽い扉など配慮されていることがわかる。

 入所者の部屋はほとんどが個室でベッド,テレビ,洋服箪笥などが置かれており,広くはないものの必要な広さの間取りとなっている。室内は入所者の方が持ち込んだ生活用品やぬいぐるみなど飾られており,それぞれ個性的な室内である。

 施設内の見学をさせていただいている間,入所者の方々は作業を行っていた。その作業内容はおしぼりを畳む,食堂内の清掃を行う,施設内で使用するタオルを畳む,近隣の別の施設から届いたシーツやタオルの洗濯・クリーニングを行う,農場の作業をする,カフェに出すパンやクッキーを焼くなど様々である。この作業の割り当ては各自の能力や適応を職員の方が判断して振り分けている。

 以上のような施設の見学を行わせていただきながら,特に印象的であったことは施設の入所者の方々が非常にこちらに興味を持って接してきてくださった事である。我々がどこから来たのか,どんな理由で施設見学に訪れたのか,なんという名前なのかなど積極的に尋ねてきてくださった。また,自分たちの一日の流れやどんな作業をしているのかなど,にこやかに話してくださった。ご自身が抱える障害がまるで「障害ではない」というかのような明るさに少し驚いてしまった。

 さらに施設で働く職員は決して高くないお給料でたいへんな労働をされているにもかかわらず,この仕事にやりがいを見出し,入所者の方々に寄り添っている姿を拝見した。

 その現場で実際に働く方や住まう方々を見ることで,私自身が文献やテレビの中でしか知りえなかった体験を全身で感じることができ,自分の持っている「福祉施設のイメージ」というものが変わった。「福祉施設」というよりもひとつの「大家族」のように感じたからである。

 施設内の階段の多さや部屋位置の悪さ,職員の少なさなど課題も多々あるものの,さらに良い環境になる努力をしていらっしゃる印象を受け,非常に勉強になった見学であった。   

(心理学科3回生川畑ゼミ 朝倉奈々)

 

障害者支援施設「かしのき」にて

障害者支援施設「かしのき」にて

 

<レポート3>

 「かしのき」についてまず感じたのは、そこが開放的で明るいということ。今まで見ていたドキュメンタリーや映画などで受けた印象は、暗かったり、閉鎖的だったり、逃げ出したい場所というものだった。福祉施設というのは社会から隔離されていて、もどりにくいものの一つだと思っていた。

 そんなところとは別に、彼らは居たくてそこにいるのだろうと思った。仕事をしていて、すごく楽しそうだった。食堂の掃除をしながら、どんなことをしているのかを説明してくれた人や、おしぼりの袋を開けて広げていって作業を楽しそうに説明してくれた。それでも月に一万円にしかならないというのは、正直やっていけないと感じた。

 一人で生きていくことはできないけれど、毎日笑っていられる様な生活と、一人で何でもできて、何でも買うことができるけれど、死にそうな毎日。人にとっての幸せをあらためて考えさせられた。心のふれあいがある空間に行くと、自分がリセットされたような感じがする。自然とそこにいていいという空間を作ってくれている。保育園にいって子どもたちと遊んでいるといつも感じるような感覚を感じた。それがすごく私には心地よくて、落ち着く。そこにいてもいなくても変わらないという感じの私たちが生きている社会は、そこにいるだけで疲弊していく。人としての感覚が停止しないと生きていけないのではないかと思う。お金があっても幸せじゃない人はいっぱいいるし、お金がなくても幸せな人はいっぱいいる。生きていく上でお金は絶対必要だけれど、それによって生きている心地がしないのならば、私はお金がなくても笑って生きたいと思った。自分の部屋を、知らない人たちがぞろぞろ来て、見せてくれる人が今の社会に何人いるだろうか。

 障害とか個性とか能力とか、それっていろんな人がいる中のひとつで、ダウン症の方はすごく人懐っこくてにこにこしていて、本当にそんな能力がうらやましくて、結局はないものねだりをしてしまう。自分を自分として受け入れられるような生き方がいいと思った。

 一回見学に行っただけでは、きれいな部分しかみえないから残念だった。いざこざがあったというお話はきいたけれど、結局その収集も大変だったのだろうし、仕事は重労働でいやなことも多いのではないかと思う。人と密に関わっているからこその苦労とか苦しさとかむずかしさもあるのではないだろうか。

 見学をきっかけに、もっと知れるような環境に飛び込めたらいいと思った。自分の中の感覚として、体が大きいのは大人で、体が小さいのは子ども、子どもが何かできないのはあたりまえで、大人ができないのは普通ではないというのがどうしてもぬぐえない。偏見の目というわけではないけれど、色眼鏡を使ってでしか接することができないため、自分ではそれが納得がいかない。

 自分の学びや考えを深めるためにも、人と人の中にいたと思う。今は自分を中心にしてしか考えることができないけれど、もっと視野を広く持って、いろんな面が見られるようになっていけたらいいと思った。      

(心理学科3回生川畑ゼミ 浦山豊森里)

▪️心理学科のサイトへ