京都先端科学大学

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2015年度「対人援助現場の見学実習」第2回を行いました

更新日:2017年1月30日(月)
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 1027日(火)の午後、特別養護老人ホーム「亀岡たなばたの郷」を訪問しました。たなばたの郷は京都学園大学からも近く、学生が駅からのバスの車窓からいつも眺めている施設です。9名の学生がお邪魔しました。

 井本施設長は、介護保険制度や施設の概要について、学生からの発言も促しながらていねいにご説明くださいました。そしてその後、職員の方に館内をご案内いただき、利用者のかたがたにもご挨拶することができました。たなばたの郷は、最近、「すばる館」という新しい建物を増設されましたが、今回はそこでお話をうかがい、見学をさせていただきました。

 学生たちにとっては、自分の祖父母のことともあわせて身近に感じることができた見学だったように思います。ありがとうございました。

 

■レポート1

 亀岡たなばたの郷は特別養護老人ホームで、要介護認定3から5と判断された高齢者をお世話する施設であった。京都学園大学に近く日当たりのよい場所にあり、館内もきれいだった。

 施設長や職員のかたの話をお聞きして、介護をするうえで問題となるのが人手不足とのことだった。超高齢化社会の現在、介護の必要な人が多く、介護する人間が少ない。このままいけば介護ロボットに頼らざるを得ないかもしれないとのことだった。しかし、国としては介護ロボットをよく思っていない(?)。施設長も「介護は人と人とのもの」とおっしゃっていた。私もそれらの意見と同じく介護ロボットをよくは思わない。温かみがないと考える。たしかにそれを使って高齢者のお世話をすると介護者の負担が少なくてすむだろう。だが、感情のないロボットに介護をしてもらっていては満足した生活を送れないと思う。介護をする人とされる人がコミュニケーションをとることで、少しでも高齢者は笑顔で過ごせるのではないかと思う。

 しかし、一方で「車椅子もいわば介護ロボット」とおっしゃっていたことが印象的であった。多くの場で使われているところを見ているが、そのようなことは考えたことがなかった。よく考えてみると、車椅子も人間の手でないものによって介護を支えている。このように現代では何事にも機械に頼ることが多い。しかし、そういった社会だからこそ人から人への援助が重要だと考える。介護を行う際、高齢者と人間関係を構築することで、相手の様子、心理状態を理解することができるのではないだろうか。

 施設を見学させてもらって、高齢者一人ひとりの個室やリビングに明かりが入るような大きな窓、屋上の遊歩道など、高齢者のストレスをなるべく少なくするように作られていると感じた。また、施設内の床は柔らかい素材で、もし転んでもケガが最小限にすむようにされているなど、細部まで考えられていると思った。他にも利用者を施設で看取るときに使われる親族のための部屋はホテルの一室のようだった。

 このように明るく様々なことが考えられて作られた施設を見学させてもらった。利用者さんも笑顔で接してくださったので、自分が老人ホームに対して持っていたイメージがよりよいものに大きく変化した。一方、上記したとおり施設内で亡くなる方もいる。「明るい」や「きれい」ということばかりでないことも知り、この仕事をするには覚悟が必要で、決して楽なことではないと思った。        

(心理学科3回生川畑ゼミ 幸田知樹)

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■レポート2

 今回訪問させていただいた亀岡たなばたの郷は、特別養護老人ホーム、ショートスティ、デイサービスの3つの支援を行っている。各定員は90名、30名、25名となっている。

 私たちが見学させていただいたのは、最近新しく建てられたというすばる館である。館内はどの場所も利用者のことを一番に考えた造りになっていた。利用者が転んで怪我をしないようにすばる館には段差がほとんどなく、フローリングは通常のものではない、柔らかいものを使用していた。また、利用者の状態に合わせて居室も模様替えをするというお話を聞き、万が一のことが起こってしまわないようにという対策の徹底ぶりに驚いた。居室の扉を開いたすぐ先には、テレビや机、椅子が設置され、キッチンが備え付けられている広い共同のリビングスペースがあり、まさに一般家庭のリビングと変わらない場所であった。利用者が椅子に座ってテレビを見ている姿は自分の実家でも見る光景で、この自然さが利用者の心のケアに繋がっていくのだと考えた。

 更に、5階の遊歩道には花壇があり、景色もよかった。「ずっと部屋にこもりきりでは季節感がわからず、認知症の進行も早くなってしまう」というお話から、花や景色を通して季節の変化を感じられる場所の大切さを知ることができた。利用者が利用するバスルームは、寝浴、座位浴が可能な介助装置が備わっていて、どんな利用者も気軽に入浴ができ、利用者のお世話をする職員にも過度な負担がかからないような環境になっていた。利用者だけでなく職員の負担を減らす環境を作ることも、よりよい施設になるために必要なことだろうと考えた。

 様々な場所を見学させていただいて一番感じたことは、家庭のような雰囲気のある施設だということだ。自分の部屋があり、リビングがあり、そこで同じように毎日を過ごす他の利用者と職員がいる。本物の家族ではないにしろ、自分が家族と過ごしていた時を再現するような空間で感じることは、「ただ施設に入居している」ということだけではないだろう。自分の部屋にこもっているのではなく、リビングまで移動し何か作業をしながら誰かと会話することによって、利用者は心を癒やしている。第二の家とも呼べる存在である施設には、本当の家庭ではないからこそ「家庭」を再現する必要がある。バリアフリーとしての住みやすさだけではなく、利用者の心が住みやすい場所であることが非常に大切なのだ。

 しかし、その環境になかなか馴染むことができないかたもいるだろう。その時は職員がそのかたとコミュニケーションを図ることで、家庭のような空間へ何とかして馴染んでもらう。その方法は「人それぞれ」で決まったものはないという。つまり、個人の性格をしっかりと理解していなければ、その空間へ馴染んでもらうことは不可能だということだ。職員の仕事は、ただ利用者のお世話をするだけではなく、利用者と家庭の雰囲気を作っていくために一人一人とコミュニケーションを図り、個人を理解することであるということが分かった。                

(心理学科3回生川畑ゼミ 青島菜光絵)

 

■レポート3

 私が今回亀岡たなばたの郷を訪問して心に残ったことは、1.ご家族が宿泊できる部屋があること、2.バリアフリーが徹底されていること、3.夜勤の人手が足りないこと、4.窓がたくさんあることであった。

 まず1についてであるが、私たちが見せてもらった部屋はベッドが1つ、シャワー室も付いたこぢんまりとした小さな部屋であった。本館のほうには家族5人が宿泊できるほどの広めの部屋もあるそうだ。この設備によって、たとえば利用者のかたが亡くなられるときにも家族は看取ることができ、行き届いた配慮がなされていると思った。

 2については、エレベーターのボタン付近には必ず点字が施されていたり、エレベーターの手前には点字ブロックが設置されていた。また、段差がなく、ゆるやかな坂になっていたり、利用者が転倒してしまった際の怪我を防ぐため、床に通常のものより柔らかい素材を使っていることもわかった。そして、屋上ではたくさんの花が植えられており、季節の風を感じながら辺りの風景を一望できた。そして、そこでも床に柔らかな素材が使用されていたが、そのことには職員のかたに言われるまで気づかなかった。利用者に起こりうる危険を想定し、その危険を予防する。また、被害を少しでも軽減するということにすごく行き届いた配慮がなされていると思った。

 3については、1つの階に大体20名の利用者がおられるそうだが、夜間の職員配置は2名だそうだ。1名の場合、同じタイミングで利用者からのブザーが鳴ってしまうと、どちらかを後回しにせざるをえなくなるため、後からかけつけた際にはもう利用者が転んでしまった後になっていることもあるそうだ。そんなことがあると利用者はたいへんだが、職員も自責の念に駆られると思う。葛藤と戦いながら勤務されるのだろうと思った。

 最後に4についてである。「職員が施設の中にこもりっぱなしでいると、どうしても季節感がなくなってしまう」というお話があった。窓が多いのは、日光を入れ、施設内を少しでも明るくするためだと思ったが、同時に、そこから外を眺めると少しでも心が開放され、季節を感じることができるのだろうと思った。 

(心理学科3回生川畑ゼミ 一色紗也加)

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