[亀岡学] 西日本最大級の道の駅「丹後王国」でビジネスのイノベーションに挑戦するパソナの中川正樹さん

2018年07月16日トピックス

2018年7月12日は、丹後王国「食のみやこ」のビジネスとして、地元産物を大都市へ流通させる地方商社に育て上げることに奮闘する中川正樹さんにお話を伺いました。

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丹後王国「食のみやこ」は京丹後市にあり、丹後あじわいの郷を㈱パソナグループが2015年にリニューアルオープンした道の駅で、㈱西利と地元企業5社(野村牧場(ミルク)、農業法人福喜農園(茶)、㈱野木源(米)、日本海牧場(肉牛)、㈲日吉ファーム(養豚))が出資した運営会社(80%パソナ)が運営。2015年の4月開園から3年と3ヶ月で150万人の入園者となりました。丹後王国は単に売ったり、食べたりするだけでなく、人材を育てることも運営の基本方針にしています。

トヨタのジャパンラリー、道の駅の食べ比べ「道—1グランプリ」、水の代わりにカニを食べるカニカニマラソンなどイベント開催数は年間130回以上、丹後七姫劇団の公演・イベント出演数は2016年度で83回等イベント開催に力を注いでいます。

また、地域商社としての取り組みを始めています。例えば、京丹後市内の農家を中心に113戸が登録、丹後農産物を収集し、園内販売・利用以外に京都や大阪のホテル、スーパーなどに販売。丹後食材を使ったオリジナル特産物(30品目)を通販サイト(丹後王国こだわり市場)で販売、さらに小売店や海外需要家への販売を行っています。2017年夏、パソナ本社(東京駅前)にアンテナ拠点をオープンしました(13Fに牧場があります)。また、観光体験・農家民泊などの観光産業の振興や人材育成・就労支援・しごと創出で産業振興を図っています。丹後王国の地方商社としての活動がガイアの夜明け(2018年7月3日放送 第821回)で紹介されました。

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NHKの放送などメディアで話題になった京都丹後鉄道と丹後王国で貨客混載輸送の国からの認可(運送業)を受け、久美浜駅に集荷し鉄道を使って、峰山駅に輸送、丹後王国への配送と車での輸送時間が大幅に短縮できた貨客混載輸送事業も軌道にのっています。

人材育成・就労支援では、京都府とコラボした海の民/丹後農業実践学舎・農家民宿・加工・観光おもてなしのコースを開講し、のべ400名が受講しました。農家民宿協議会を立ち上げ、第3種旅行業許可を生かし、観光客の誘致にも力を入れています。園内には流通・販売・食品加工・醸造・調理・ホテルなどの業態があり、多くの実務体験が可能です。インターンシップ(京都学園大学も参加)では、地方創生のリアルな現場の就労体験から、経営陣への本気の事業提案(イベントも含めて提案して、採用された例もあります)までの一連の流れを体験・体感できます。

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丹後王国「食のみやこ」は人を呼ぶ、ものを売る「道の駅」だけではなく、地域外にものを売ることによって、お金を地域に集め、人材の育成とともに地域を活性化することに挑戦しています。

(バイオ環境学部 食農学科 深見 治一)

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