【バイオ環境学部ニュース】[地域食農論]京都市内でユニークな農業経営を実践されている渡邉幸浩氏の特別講義を実施しました

2019年07月02日トピックス

2019年6月11日、本学バイオ環境学部と地域連携協定を結んでいるJA京都市より、組合員で野菜栽培を中心に活躍されている農業経営者の渡邉幸浩氏をご紹介頂き、そのユニークな経営方針について「私の農業経営について」と題し、特別講義を行って頂きました。

渡邉氏は、認定農業者、京都府農業指導士の資格をお持ちで、住宅地に囲まれた京都市山科区において都市型農業を営まれており、京の伝統野菜を含む多品目の野菜と果樹、そそして八木町で米の栽培をされています。京の伝統野菜の中でも、山科ナスと山科トウガラシは貴重な伝統野菜であり、御自身で優良系統の採種を行い保存にも取り組まれています。また、春夏期および秋冬期には、京の伝統野菜を含め40品目以上の野菜を栽培されています。

多品目栽培もさることながら、渡邉氏の販売方法は非常にユニークで特徴的です。最近では滅多に見る機会が無くなった「振り売り」という、自ら生産した多品目の野菜を消費者の玄関先まで運び販売する方法を中心に据えられ、直売やスーパーなどへの契約販売、さらに地域の仲間と連携し、市場出荷にも取り組まれ収益を上げられています。「振り売り」という、山科地区で古くから行われている販売方法を現代にも通用する独自の工夫によって、自ら栽培・収穫したこだわり野菜を、熱意を持って販売されている渡邉氏の話を、生徒達は熱心に聞き、ペンをノートに走らせていました。

渡邉様は栽培や販売方法にのみこだわっているのではなく、農業を文化としてとらえ地域との関わりを非常に大事にされています。例えば、近所の園児や子供達を招いての、自宅でのイチゴ狩りは地域の恒例行事になっており、地域の野菜の品評会への出展、さらに、京野菜を知ってもらうため、東京でのイベントにも積極的に参加するなどされています。こだわりの野菜の生産・販売のみならず、地域社会との関わりの重要性、さらに今後の農業をも見据えて、「農業は私の天職である」と話され講演を締め括られました。

講演後には活発な質疑応答が行われ、農業という職業について学生達は考えを新たにした特別講義になりました。

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(バイオ環境学部食農学科 教授 佐藤隆徳)

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