2019年8月6日(火)から7日(水)に、京都学園高校1年生の皆さん(各日約100名)が来学し、大学の講義と実験を体験して「大学ではどんなことを学ぶのか」を知る「京都学園高校SGSプログラム」に取り組みました。
今回は、そのプログラムの中でも、高校ではなかなか勉強しない「微生物学」の体験についてレポートします。
当日は、バイオ環境学部バイオサイエンス学科の3年生が学ぶ「応用微生物学実験」の中から、最も基本的な技術の一つを体験。
午前中は、ピペットマンを使って10マイクロリットルというごく少量の培養液を取って酵母を顕微鏡で観察し、「ミクロメーター」を使って酵母の大きさを求めました。
午後は、大腸菌※1を、液体培地の入った試験管で育てて増殖速度を計算。大腸菌は増殖してくると、培養液がだんだん濁っていく性質を使って、培養液の濁り具合(濁度)を分光光度計で測定し、大腸菌の増殖を測定しました。
さらに、「微生物アート」にも挑戦。「微生物アート」とは、平板培地をキャンバスに見立てて細菌などの微生物で絵を書くアートのこと。微生物を植えて、数日間育てることで絵ができあがっていきます。
今回は、美味しいパンづくりに貢献してくれている「酵母」を絵具として、「平板培地」をキャンバスに、「微生物アート」に挑戦してもらいました。
これらの実験が、「微生物学」に興味を持つきっかけになってくれていたら嬉しいと思います。
※1大腸菌は半世紀以上にわたり蓄積された生物学的知見から、安心して使える組換えDNAの宿主として、また、遺伝子操作実験には欠かせないモデル生物として、遺伝学や生化学、分子生物学の分野で広く利用されています。
(バイオ環境学部バイオサイエンス学科 講師 櫻間晴子)