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先生に聞いてみた【51】 田中 秀樹 准教授

更新日:2017年7月19日(水)
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#聞いてみた」シリーズの51回目は、2017年度から京都学園大学で教鞭を執られている新任教員への突撃インタビュー。経営学科の田中先生に、企業における人事管理、人的資源管理についていろいろ聞いてみました。

さらなる企業の飛躍に向けて
今、最良の職場づくりを根本から考える。

職場でいきいきと働く。持てる才能を伸ばす。
そのための職場環境づくりや仕組みを考える田中先生の研究。
今の時代だからこそ求められる、いくつかの重要テーマについてお話をうかがいました。

働く人が、やりがいを感じ、さらに意欲を高めていくために。

Q: 先生がご研究されているのは、どんな内容ですか?

研究対象は、細かくあげれば非常に多岐にわたるのですが、大きく言いますと、いわゆる企業における人事管理、人的資源管理の研究です。

働く人が働く上でどういう心理でどのように行動するのかを的確に把握することや、彼・彼女らの仕事へのモチベーションを高め持続していくために企業はどのような施策を行えばよいのかを考えています。もちろん、そこには背景となっている職場特有の風土や人間関係など、複雑な要素も関わってきます。それら個々の多様な条件も考慮しながら、企業内において、社員の方々の働く意欲をいかに高めていくことができるかを、実際の事例やアンケート調査等で得た情報に基づいて、追究することが研究の目的です。

さらにより具体的な研究内容についてお話しますと、大きく3つのテーマがあげられます。

まず1つ目は、働く人たちが働きがいを感じ働きやすいと感じる職場環境について考えることです。この研究については、厚生労働省のプロジェクトにかかわったことをきっかけに着手しました。厚労省のプロジェクトでは、中小企業で働く1万人の労働者に対してアンケートを取り、それらを分析していました。それをきっかけに、今も継続してこのテーマでの研究を進めています。

Q: 今の時代に即した、とても重要な研究ですね。

それから2つ目は、最近とくに話題にもなってきている「タレントマネジメント」というテーマです。タレントというのは、「優秀で有能な人材」という意味です。そしてそういう人たちを、企業は、採用後どのようにして次世代の幹部として有能になりそうな人材を選抜し育成していけばよいかを研究しています。これについては、かつてのように、じっくりと見さだめてゆっくり育てるというのではダメな時代になってきています。なぜかと言いますと、日本は不況が続いて就職難の時代も長かったです。その結果、企業内の年代構成がいびつになっており、ある世代の人たちが極端に少なかったりします。また、同期世代をまんべんなく集めて、世代内での格差をつけずにじっくり育てるという育て方では、育成のスピードが遅くなりすぎてしまい、特にグローバル展開の速さにはついていけないことも考えられます、ですから、これまで以上に、優秀な若手を見極めて、もう5年後10年後には会社をひっぱっていくような人材にきちんとルール立てて、すなわち良質な経験を積ませて優秀な次世代幹部人材として育て上げていくことが喫緊の課題になってきているのです。

時代の流れによって、課題はますます切実に。

Q: 現代の企業の現場においては切実な課題ばかりですね。

3つ目の研究ですが、これがどちらかといえば、私の主要研究分野なのですが、企業における研究開発部門、つまり研究開発者・技術者の人的資源管理というテーマです。 ご存知のように今の日本では、少子高齢化が進み、企業では人材不足が深刻な問題になっています。労働集約型で利益を得ていくビジネスはできなくなっています。そんな中で、日本の経済を牽引していく人材グループの一つが、「知恵や知識で勝負する」研究開発者・技術者だと思います。しかし、ある研究によると、研究開発者・技術者を中心とした自然科学系人材仕事への意欲も、かつてに比べて低下してきています。そうした研究開発者・技術者の方々の仕事へのやり甲斐をいかに高めていくかという研究をこれまで続けてきています。

Q: 経営学といっても、社会学的な視点も求められるのですね。

私が出身校に入学した時は、私の所属学部・専攻は文学部文化学科教育学専攻でした。今は改組されて、社会学部の教育文化学科と名を変えていますが、今思い返せば、学部時代のゼミ担当教授は神学専攻で宗教社会学的なアプローチから研究される先生でした。ある集団が別の集団によって「同化」「統合」されていく過程などを丁寧に教えてくださいました。そのためか、私の視点は、どちらかと言えば、まず社会のなかにおける人間や組織がどのようなメカニズムで影響を与え合うのか、といった点にあります。そこから始まり、現在の研究である「働く人たちについて考える」という視点につながっているのではないかと思います。

修士課程から博士課程へ至る間には、企業の雇用政策、女性の労働参画から、今の人的資源管理まで、研究は多岐にわたりました。基本的に、まずデータや事例に基づいて「現実を見つめる」ことから始まりそこから「テーマを見つけて」「解決(改善)への道を探り」、「現実を見つめる」という、その繰り返しです。

そこには、幾分大げさな表現になるかもしれませんが、最終的には「働く人たちが幸せと思える」「より良い豊かな労働や社会」の実現へ少しでも貢献できればという思いが根底にあると思っています。

学生たちには「将来への投資」と思って学んで欲しい。

Q: これから社会に出る学生たちには、どう役立つのでしょうか。

学生たちには、実際に社会に出る以前に講義を聞いても即座に理解することは難しいかもしれません。実際に、これまで何度もビジネスパーソンの前でもレクチャーをしたことがありますが、私の研究内容は学生よりもビジネスパーソンのほうが強く興味を持ってくださいます。「企業のなかでの人材・組織のマネジメント」は学生にとって身近ではないからだと思います。しかし、学生たちが社会に出るための準備という観点からみれば、大切なことを語っていると思います。ぜひ、「将来への投資」と考えて受講してください。これからの人生において、「ああ、あの時先生が話していたことはこれか」と感じる時がくるかもしれません。そもそも、一般企業においては上司と部下という関係の中に誰しも立つわけですし、昇進して部下たちのマネジメントを行う場面もでてくるでしょう。それに、アルバイトをするにしてもサークル活動においても、人間、組織、社会(競技)は強く関係するものです。たとえば、サークル活動などで「自分自身の能力を最大限に活かすことのできる、組織や仕組みってなんだろう」と考えてみることが経営組織や人事管理を学ぶ上でもプラスになるかもしれません。

Q: オフの時間は、どのように過ごされていますか。

趣味は、音楽を聴くことです。とくに、ジャズが好きです。ほかにもソウルやR&Bやダンスミュージックなども聞きます。

一時期、アメリカで生活していて、デトロイト近郊(といっても車で1時間くらいかかりますが)のアナーバー(Ann Arbor)という町に住んでいました。その時に、日本ではなかなかお目にかかれないエスペランサ・スポルディング(Esperanza Spalding)のライブを見たときのことがいまだに忘れられません。ライブ後に握手もしてもらい、とてもうれしかった記憶があります。今でも彼女の大ファンです。

古いジャズも好きで、今朝も大学への通勤時にキャノンボール・アダレイ(Cannonball Adderley)の『Something’ Else』を聴いてきました。古いものから最新のものまで幅広く聴いています。

経済経営学部 経営学科

田中 秀樹(たなか・ひでき)准教授

大阪府出身。三重県育ち。同志社大学大学院総合政策科学研究科博士後期課程修了。博士(政策科学)。専門分野は「人的資源管理論」「組織行動論」。担当科目は、「経営組織論」(学部)、「人的資源管理論研究」(大学院)など。所属学会は、「日本労務学会」、「経営行動科学学会」、Euro-Asia Management Studies Association(EAMSA)など。主要な研究分野は、「研究開発者・技術者の人材マネジメント」、「働きがいを高める職場要因」。

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