[亀岡学]「次の世代の幸せのために」と言う思いでNPO法人「京都匠塾」や「テダス」を運営する木工工芸家の高橋博樹さん

2018年07月04日トピックス

今回は、京都府南丹市園部で、NPO法人京都匠塾(若手の京都伝統工芸活動を支援)を始め、NPO法人テダス(まちづくり・まちづくり活動支援)、㈱ぼくらがつくるとこうなります(木工芸品製造販売、工芸品レンタル、工芸家育成)などの代表をされている高橋博樹さんにお話を頂きました。

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高橋さんは神戸大学工学部建築学科を卒業、同大学院自然科学研究科建設学コースを修了後、建築・設計関係の会社に就職、その後、自分の手で「ものづくり」がやりたくなり京都工芸大学校で木工芸を学ばれた。技能がある若手職人が社会で日の目を見ず、また伝統工芸品を製造する職人の担い手が減っている現状を目の当たりにして、このような活動を始められました。
京都匠塾では、マイ箸、マイ茶碗をつくる、「ツクール」という工芸体験塾、全国えんぴつ削り大会を開催しています。これらの体験で、子供達は自分でつくってみて、工芸品のすごさがわかるようです。釘を一切使わない桐の名刺入れ、一本足の高下駄(スケートの小平さんが使用、体幹を強めるということで、ブームになっています)などを製造販売しています。高価だが、永く大事に扱うような工芸品の良さを広めています。貴重な工芸品をレンタルし、その良さを認識してもらうこともしています。このような活動を通じて、「ものの価値を認める」、「ものを大事にする」、言い換えると「よいものは良い、良いものにはお金を出す」という価値基準を子供の時から身につけ、すべての若者がやりたいと思える生き方をできる社会にしたいと考えています。

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京都府まちの公共人を委嘱され、「集落の教科書」を作っています。都市では考えられない地域の規則を丁寧に説明し、I-ターン希望者が地域になじむための参考書となります。
これらの活動の中で夢プレゼンパーティー(夢をプレゼン、受援力を磨く)、男前道場(企画力、女子の思考回路、リーダーシップなどを学ぶ)、南丹市のケーブルTV番組にも出演しています。高橋さんは今や工芸と教育とまちづくりの3つを営む複業家を自称しています。
高橋さんはまさに次の世代が幸せに生きるために活動しています。人がつながること、人のためになること、世の中のためになることをすることがその人を幸せにし、次の世代を幸せにすることになります。

(バイオ環境学部 食農学科 深見 治一)

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