[亀岡学] 「まめのある町かわにし」まめ学部長 神戸国際大学経済学部 中村智彦 教授

2018年07月25日トピックス

2018年7月19日は「世界一受けたい授業」にも出演された神戸国際大学の中村智彦先生に、農産物や農産物加工品などのマーケティングの考え方とその成功事例について講義して頂きました。

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2020年には、日本の人口が1年で50万人減少します。農業においても、日本の市場が縮小することを念頭においたマーケッティングをする必要があります。東京浅草でハッピを着て、のぼりを立てて、地方からの産直市をすることは止めた方がよい。ダサいし、最後はたたき売りをすることになり、決してもうからない。自治体の補助があるからやるようなもの。儲からないので長続きしない。ビジネスとして成立していないのが現状です。新しい情報などもっと付加価値を付けて提供することが大切になってきています。

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中村先生はこの15年間、山形県川西町(かわにしまち)と交流し、SNSを通じて「豆の町かわにし」を情報発信し、NHKの全国放送に取り上げられ、JR東日本の広報誌「トランヴェール」でも特集され、知名度が大幅にあがりました。地元山形新聞からも色々な記事が掲載され、地元でも認知され、多くの方が協力してくれるようになりました。首都圏への情報発信は産直型の即売会にするのではなく、豆の「展示会」として、飲食店関係者、食品加工メーカーの開発者、マスコミ、ブロガーや料理研究家を対象に、若者向けのファッション雑誌などでよく取り上げられている「上野桜木あたり」で開催。これが大成功でした(2015年は2000人の来場者、2017年は5000人)。カゴメがスポンサーとなって、学生がまとめた「紅大豆料理帳」というおしゃれなレシピ本が出版、マルヤナギ小倉屋から煮豆が商品化されました。また、東京メトロ沿線だよりに「かわにしの豆」を食べさせる店の紹介記事が掲載されました。

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中村先生のこの活動には、インターンシップ生として毎年夏に派遣される学生が重要な役割を果たしています。地域おこし材料の発掘、豆に関する地元の人達への聞き取り調査(「紅大豆料理帳」も成果の一つです。)、マップづくりなど毎年引き継ぎながら完成していきます。また、SNSでの発信も重要な役割です。地元でお世話になった学生は第2の故郷になり、時々顔を見せにきたり、イベントに参加したりしています。このインターンシップは他大学の学生も大歓迎とのこと。バイオ環境学部の学生も参加してくれたら大変うれしく思います。

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農業も単に良いものをつくるだけではダメで、情報発信も含めた付加価値を付けることが大切です。その意味でも若い人達のアイデアが必要であり、若い人達が農業に進出する余地がたくさんあります。

(バイオ環境学部 食農学科 深見 治一)

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