バイオ環境と社会のつながり第3回「バイオ環境と社会のつながり」を開催【バイオ環境学部】

2019年04月26日

2019年4月23日(火)にシリーズ講義「バイオ環境と社会のつながり」が開催され、保津川遊船企業組合の豊田代表理事様にご講演をいただきました。

亀岡市保津から嵐山につながる保津川は、江戸時代初期に角倉了以の開削により船の運航が可能となり、丹波地方から京の都への重要な物資運搬ルートとなりました。現代では保津川遊船企業組合による川下りが大人気で、全国各地や諸外国からの観光客で賑わっています。

ところで観光客が気持ち良く保津川下りを体験できる裏には、船頭さんたちの並々ならぬ奮闘があります。特に、昨年は度重なる台風襲来で、散在したプラスチックゴミなどの清掃や川底の改修(川作)に奔走されました。実は、ゴミ掃除は今に始まったものではなく、約10年前から定期的な清掃活動を実施され、NPO法人保津川を設立し市民に活動の輪を広げて来られました。

さらに、市民への理解を深めるため、ゴミの種類や行方の調査を毎年実施され、その結果、ゴミは大阪湾に流出し、明石にまで到達していることが確認されました。「川のゴミ」と考えていたものが実は「海のゴミ」でもあったのです。

その後、2012年に内陸部では例のない海ゴミサミットが「亀岡保津川会議」として開催され、プラスチックゴミによる海洋汚染に警鐘が鳴らされ、その後は「川と海つながりの共創プロジェクト」の展開、「海ごみ探偵団」の結成(教育、啓発、実践などの活動)など、幅広く市民参画の輪を拡げ、活動を展開しておられます。

船頭さんたちのゴミ掃除から始まった活動が、様々な啓発活動を通じて多くの市民の共感を得て、世界的な課題であるプラスチックによる海洋汚染の防止へと活動の輪が大きく拡がりました。

亀岡で活動されている身近な方々の素晴らしい社会貢献活動を聴講できたことは、今後、学生達の修学や課外活動にとって大変有益な経験となりました。

(バイオ環境学部 食農学科 藤井孝夫)

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