2017年12月17日(日)嵐山・大堰川にて、京都学園大学民俗学研究室と京筏組、NPO法人プロジェクト保津川の主催による「十二連筏(いかだ)プロジェクト」が実施されました。
かつて、丹波山地で伐り出された材木の輸送手段として盛んに行われていた筏流しを再現するもので、本学民俗学研究室の手塚恵子先生(人文学部 歴史文化学科教授)と民俗学コース2~3回生の25人もこのプロジェクトに参加しています。
この日の午前中、伝統の藤づるやカンを使って組まれた十二連筏は、午後2時に大堰川の千鳥ヶ淵を出発し、琴ヶ瀬茶屋までの数百メートルを運行します。筏が着く琴ヶ瀬茶屋やその対岸には、昔を再現した筏流しを見ようと詰めかけた観客や取材陣がカメラを構えてスタンバイ。川の上には、空から筏流しを撮影しようと学生が操作するドローンも飛んでいました。
出発点と連絡を取り合っていた手塚先生の「今から出発しますよ」という掛け声に歓声が上がると、ほどなくして千鳥ヶ淵を出た筏が姿を見せました。船頭さんの巧みな操作によって、連結部を蛇行させながらゆったりと川を下ってくる十二連筏。近づいてくると、約50メートルという長さに驚きます。さおを操る船頭さんにも相当な技術がなければ運行はできないそうです。
冷たい風が吹く師走の嵐山ですが、今年は好天に恵まれ、たくさんの人に見守られながら無事に運行を終えた「十二連筏プロジェクト」。見学に訪れていた子どもたちが船頭さんのサポートで筏に乗せてもらっている様子も和やかです。 「天候の影響を受ける筏流しですが、運行する午後は風も弱まって良いお天気。ありがたいです」と安堵の表情を浮かべる手塚先生。「学生たちはこの日のために船頭さんや地元の人たちと連携をとり、今日も朝からトラックで丸太を運び、筏の組み作業を手伝ったり、撮影を段取りしたり、見物客を案内してくれたり。私が何も言わなくても動いてくれたおかげでスムーズに進行できましたよ」と、参加した学生たちを労いました。