経済経営学部 平成30年度第3回研究会を開催しました

2018年06月22日トピックス

平成30年6月20日(水)12:00より本学太秦C北館N407にて、本年度よりミクロ経済学担当教員として就任された川﨑雄二郎先生と、同じく本年度より財政学担当教員として就任された跡田直澄先生による研究報告を行いました。

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第1報告では、ゲーム理論を応用してマッチング問題の数理的分析に取り組まれている川﨑雄二郎准教授による「Matching with Search Friction and Noisy Types」と題した研究報告が行われました。初めに、現実社会において結婚、学校選択制度あるいは研修医制度など多くの応用事例が積み上げられてきている「マッチング理論」の基本的特徴が解説されました。次に、参加者の間でのマッチングを司る当局(the clearinghouse)が存在しないマッチング市場を前提とする「サーチ・モデル」の分析フレームを設定し、パートナー捜しおよびその識別のプロセスにおける不確実性の存在が、参加者の効用およびその行動の変化を通じて、ゲームの均衡条件に与える影響が検証されました。

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第2報告では、税や社会保障に関する制度改革の経済的影響や寄付税制が非営利活動に与える影響などに関する経済分析に取り組まれている跡田直澄教授による「大阪府構想の経済分析:副首都化・特別区設置の経済効果」と題した研究報告が行われました。初めに、1970年代に入って顕在化し始めた東京都と大阪府との間での格差拡大の原因の一つとして、1960年代の大阪市や大阪府の行政当局による都市経営の失敗事例が紹介されました。次に、現在の大阪維新の会が提案する「大阪都構想」の具体策の概要が説明され、その実現によって期待される経済効果として、経費削減効果だけでなく、供給能力の拡大あるいは社会資本蓄積とそこから派生する様々なプラス効果に関する実証分析結果が報告されました。

いずれの報告も、限られた時間の中で参加者の理解と関心を刺激する、よく準備された報告であったため、報告後の質疑応答の時間も大変に盛況となり、参加者にとっては大変に有意義な時間となりました。

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