京町家新柳居市民講座「いつまでも、いきいき元気で過ごすために」の第2回目「ハイカラ!?(肺から)で元気になろう」を開催しました。

2019年02月28日トピックス

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「いつまでも、いきいき元気で過ごすために」をテーマに、口と健康・肺から元気に・地域とのつながりの三つの切り口で、市民の皆様とともに考える、本学 健康医療学部による京町家新柳居市民講座が、2019年2月15日(金)、京都太秦キャンパスで開講されました。

第2回目のテーマは、本学 健康医療学部看護学科 河田志帆講師による「ハイカラ!?(肺から)で元気になろう」です。

第1回目の「口から元気に」のテーマに引き続いて、今回のテーマは「肺から元気に」です。気温が低くなり、空気が乾燥する冬場のこの時期は、風邪やインフルエンザなど様々な感染症に気をつけなくてはなりません。そうした感染症と身近にできるその予防法についてお話いただきました。

まず、感染、あるいは感染症とは何でしょうか。よく子どもたちが「ばい菌」と言っている病原体は、ウイルス・細菌・真菌(カビなど)と分類されます。この種類や感染経路によって対処法が変わってきます。感染には、空気感染・飛沫感染・接触感染などがあり、感染者から感染し、症状があらわれてはじめて感染症と呼ばれるようになります。

季節性インフルエンザについてのお話では、私たちもふだんからよく耳にしているように、主にA型(香港型・豚インフルエンザ)・B型があります。潜伏期間は、1、2日と短く、熱が下がっても感染力があります。急激な感冒の症状が出て、まれに脳症を引き起し死に至る場合もあるようです。感染は主に飛沫感染で、1、2メートルの範囲まで菌が飛沫するため、予防にはマスクが有効で、マスクの扱い方のポイントについても説明がありました。

予防には、予防接種・加湿・うがい、手洗い・くしゃみ、咳のマナーなどがありますが、手洗いの方法によって残存ウイルスの数に違いがあることが図表で示されました。
たとえば、流水で15秒では、約1万個もウイルスが残りますが、石鹸で1分程もみ洗い後に流水で15秒すすぐと、数十個にまで減るというデータがあり、この具体的な数字を見て参加者からは小さな驚きの声があがりました。先生はごく基本的な予防の知識こそが大事であると話されました。
また、くしゃみや咳をする時は手で受けずに、受けるものがない時には肘の内側で受けると良いとアドバイスがありました。

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続いて、感染症の中でも最近とくに注意しなければならない、ノロウイルスの感染、結核、肺炎、麻しん(はしか)について説明され、「過去の感染症」と思われがちな「(肺)結核」への新たな注意喚起の必要性が語られました。
現状では、世界の人口のうち約4分の1が結核に感染していて、日本も「中まん延国」であり、米英などの先進国に比べても比較的高い数値であることが示されました。日本では、高齢者や20歳代の若い世代の発症が目立つようです。
感染経路は主に空気感染ですが、感染しても発病しない場合が多く、発病しないための免疫力の強化が大切のようです。結核は人にうつすものとそうでないものがあることや6ヶ月ほど薬を飲み続けると治ることも話され、予防、早期発見、そして発病したら確実に治すことが大事なポイントとして挙げられました。

さて、「いつまでも、いきいき元気で過ごすために」のテーマのもと、今回はとくに肺にまつわる感染症について、気をつけておきたいことが話されました。
最後のまとめでは、「日常生活がカギ」「正しい知識と正しい行動」「自分の体調を知る」「かかりつけ医を持つ」といった重要点が掲げられ、睡眠をよくとり、適正な体重を維持し、適度に運動をし、食事も大切にするといった、基本的な健康法が示されました。
感染症は、確かに恐ろしいのですが、正しく知り、ふだんから健やかな生活習慣に徹する、それこそが最も大切な予防の知恵と実践であることを学ぶことができました。

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