2月21日、平成30年度バイオ環境研究科 博士課程前期の修士論文公聴会が開催されました。

2019年02月24日トピックス

京都学園大学大学院博士課程前期の修士論文発表者は生物有機化学分野の高原千尋さんとランドスケープデザイン分野の北方麻友さんの2名でした。

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高原さんは植物のシキミに寄生するシキミグンバイの分泌物質を同定し、そのいくつかが抗菌活性をもつことを明らかにしました。抗菌活性の評価法は微生物分野の先生に一から教わりながら生物試験法を確立し、自ら合成した類縁体を活性試験することで、より効果の高い抗菌物質を見いだしました。このようにバイオサイエンス分野の幅広い技術を使うことで、昆虫から得られた基礎的な知見をさらに応用的な研究へと発展させる可能性を示してくれました。

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一方、北方さんは、吹田の万博記念公園の自然文化園の森(もともと造成地だった場所が約45年の年月を経て森林になった)の生態、特に多く生育するカシ類の樹木(どんぐりの木)と生息しているアカネズミの餌(主にどんぐりを食べている)の関係から森の環境について考察しました。アカネズミには堅果(どんぐり)に選好性があることが示唆され、アラカシの優占が問題となっている自然文化園の森でアカネズミが増えれば、アラカシ以外のシラカシなどが、アカネズミにより種子散布される可能性があることを指摘してくれました。北方さんは万博記念公園に足繁く通いこの成果を得ることができました。

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二人はいよいよ社会人となり、益々の活躍を期待しています。

(バイオ環境研究科長 深見 治一)

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