学長・理事長講演 ~前田学長がエール「遠慮せず一歩踏み出す勇気を」、永守理事長節がさく裂~

2019年09月27日トピックス

胸を張って「京都先端科学大学」と言える大学に私が変える――。いつものように永守重信理事長の熱い思いがさく裂した。2019年9月25日、本学京都太秦キャンパスで学長・理事長講演が開かれた。テレビ会議システムを利用し、京都亀岡キャンパスとも結び、両キャンパスで約800名の参加となった。前田正史学長の理知的な講演とエールがあった一方、理事長講演では“永守節”が、両会場とも満杯になった3年生を中心とする学生を魅了した。

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講演は前田学長の話から始まった。4月から京都先端科学大学と名称が変わったが、日ごろオープンキャンパスなどでも解説している通り決して理系の大学になったわけでないことを強調。

来春、新設される工学部が加わり5学部11学科の総合大学になることを説明した。現在、建設中の工学部の学舎は延床面積2万6000平方メートルと大きく、5階建て。

工学部だけの施設ではなく4、5階に図書館が入り、1階と地下には工房を設け、一般学生にも開放する計画であることを明らかにした。

23ヘクタールある京都亀岡キャンパスも、既に公表している公道実験のコースやドローン実験場の新設のほか、旧人文、経済経営学部の学舎を産官学やNGO,ベンチャー企業などとの共同研究の施設として活用する考えを示した。

さらに前田学長は就職活動が本格化する3年生に向け、先端科学の知識を有効に活用し社会に還元できる道を見つけてほしいとエールを送った。さらに、「皆さんを見ていると遠慮がちな学生が多いと感じる」と指摘し「一歩踏み出す勇気をもってほしい。

困ったら、教員、職員に何でも相談してください」と教職員挙げて支援することを約束した。また就職がままならない4年生にも「まずはキャリアサポートセンターに毎日行って相談してほしい」と呼びかけた。

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次に登壇した永守理事長はいつものように初めからエンジン全開で、激しい口調で会場の学生らに檄を飛ばした。「1年前に、学生から質問されたときに『恥ずかしくて大学名が名乗れない』と言われた」と振り返る一方、この1年間で、受験生が前年比1.6倍に増え、4月に校名も変え劇的な変化を起こしたことを強調。

「もう大学名が名乗れない、などという情けない大学ではなくなった。今後、改革をもっと進め、まだまだ良くなる。私が強力なリーダーとして先頭に立って大学を変えていく」と宣言した。

一方で、教員には授業内容の改善を期待。学生が授業中集中できていない状況を憂い、この原因が、教員の教え方にもあるかもしれないと発言。「90分間、座学だけでは持たない。半分にして残りはディベートをさせたり、動画を流したりして、学生が興味を持てるようにしてもよいのではないか」と、工夫を要請した。

ただ、「勉強しない者は卒業させない。4年生でも同じ。理事長として言っておく」と、くぎを刺すことも忘れなかった。また、今後AIの進展で単純作業が人間から急激に奪われていくことを予測し、学び方のポイントを3点挙げた。

  1. 専門能力を磨くこと。
  2. 英語を話せること。
  3. 人間力・雑談力をつけること。

さらに、75歳になった8月の誕生日に自身の50年計画を立てたことを明かし、125歳までの具体的な目標も披露。「人からそんな年齢まで生きられるわけない」と言われた、と笑い「徳川家康は、今であれば130歳ぐらいまで生きたので、十分生きられる」と煙に巻き、意気軒高に語った。

最後に質疑応答が行われ、太秦・亀岡両キャンパスから学生からの熱い質問が相次いだ。一番に挙手した経済経営部4年生が、永守理事長のような仕事好き人間になる方法を尋ねると「夢と理想を持って一途にやり抜くこと」と即答。強いリーダーになるためにすべきことを尋ねられても「授業で一番前に座って、先生を質問攻めにしろ」と明快に答えた。

前田学長もAIが進化する中、働くうえでの重要な点を尋ねられ「AIはたくさんの同じような事例がないと学ぶことができないが、人間は少しの経験でも創造できる。専門能力を磨いていれば大丈夫」と示唆に富んだ返答を繰り返した。学生からの質問が続出し、予定の時間をオーバーして、盛況のうちに講演は終了した。

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(総合研究所 講師 上島 誠司)

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