2019年10月1日、カワウソ類を保全していくための研究、普及啓発、国際学術交流を目的として、本学バイオ環境学部バイオ環境デザイン学科の大西信弘教授が参画している、『日本アジアカワウソ保全協会』が発足しました。
カワウソは、日本で絶滅してしまったと思われる方も多いでしょう。
確かに、2012年に環境省がニホンカワウソの絶滅を発表しました。しかし、2017年にニュースでも大きく取り上げられましたが、ユーラシアカワウソが分布を広げて対馬にやって来ました。
これは、多くの生物が生息地を失いつつあるなか、自然な分布拡大によって再び絶滅種がよみがえるという重要な事例といえるでしょう。
また、北海道にはラッコが生息しています。実はラッコもカワウソ亜科に含まれるカワウソの仲間なのです。
世界的には、カワウソの仲間は13種が生息しています。
そのうち、アジアにはユーラシアカワウソ、スマトラカワウソ、コツメカワウソ、ビロードカワウソ、ラッコの5種が分布しています。
その殆どが、生息地の消失や、密猟などにより、生存が危ぶまれています。残念なことに、近年、東南アジアから日本への密輸が摘発されており、世界からは対応が求められている状況です。
日本アジアカワウソ保全協会が国内での拠点となって、アジア各国とのネットワークを展開し、カワウソと共存できるアジアの実現を切に願う次第です。
(バイオ環境学部 バイオ環境デザイン学科 教授 大西信弘)
関連リンク
日本アジアカワウソ保全協会HP