【バイオ環境学部ニュース】「シリーズ特別講義B」~第一線で活躍中の方にお話を聴く~ 9回目

2019年12月07日トピックス

「シリーズ特別講義B」は、バイオ環境学部3学科の2年生以上を対象に開講されている15回にわたるオムニバス講義です。

この授業は、産業界(食品、化粧品、医薬品等)あるいは研究機関の第一線で活躍されている方々からお話を伺うことで、今後社会人になる学生の皆さんのキャリアアップに繋げてもらうことを目的としています。

「食品機能性研究~機能性農産物開発と新たな機能性表示制度~」

農研機構食品研究部門ヘルスケア創出研究統括監兼

ヘルスケア創出特別プロジェクト長:山本(前田)万里先生

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第9回は、2019年11月26日(火)、農研機構食品研究部門ヘルスケア創出研究統括監兼ヘルスケア創出特別プロジェクト山本(前田)万里プロジェクト長に、「食品機能性研究~機能性農産物開発と新たな機能性表示制度~」と題して講演して頂きました。

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まず、食品の機能性研究について、日本における食品機能性研究のこれまでの歩みと我が国の食と健康に関する問題点についてご説明頂きました。

次に食品の機能性に係わる表示制度について、トクホと栄養性機能食品、機能性表示食品の違いについて、実際の商品を例にわかりやすく説明して頂きました。農産物も機能性表示食品として表示することが可能で、すでに39品目の届出がなされているということでしたが、一方で、農産物は季節や産地の違いにより機能性成分の含有量に変動があるので、なかなか届出数が増えないという問題点もあるとのことでした。

最後に、農研機構で実際に行っている食の機能性に関する研究について、特に機能性農産物(大麦や大豆、タマネギ、みかんやりんごといった果樹)のお話をして頂きました。機能性農産物の研究において、試験管や動物試験だけで機能性を評価するのではなく、人に食べて頂いて実際に期待される効果があるかどうかを、医薬品の評価で用いられるような客観的な試験で明確にすることが最も重要であると強調されていました。

130枚のスライドを使って頂き、具体的な商品等も数多く見せて頂いたおかげで、食生活の大切さについても多くを学べた講義となりました。

次回は、株式会社ファルコバイオシステムズバイオメディカル事業部福井崇史先生を講師にお招きします。

(バイオ環境学部 バイオサイエンス学科 教授 藤田裕之)

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