【人文学部ニュース】心理学科 山愛美教授の書籍が図書新聞で紹介されました。

2020年04月16日メディア

 本学人文学部の山愛美教授が執筆した書籍『村上春樹、方法としての小説―記憶の古層へ』(新曜社、2019年12月24日発行)の書評が2020年4月18日付の書評専門紙『図書新聞』に掲載されました。

 本書は、村上春樹の創作の原点について、エッセーやインタビューにも周到に目配りしながら、心理療法的なアプローチによって追体験的に探っていく作品。

 図書新聞髙橋龍夫寄稿「創作の内実を探り、文化現象を紐解く 村上春樹論の新たな二つのベクトル」の書評において、次のように高く評価されました。

 臨床心理学・深層心理学を専門とする山愛美は、臨床的な心理療法の実例を挙げながら、共同体的な記憶の古層に向けて他者との繋がりを見出そうとする春樹の奥深い創作過程を丹念に検証する。特に、『風の歌を聴け』に登場する架空の作家デレク・ハートフィールドをめぐる分析は、春樹の世界観を探る上で不可欠な要素としてこれまでになく解明され、極めて興味深い。本作品は村上春樹ファンにとっても、また、文学研究者にとっても春樹を理解するための様々なヒントが散見されるだけでなく、平易な文体で実作者に寄り添う洞察は、著者の体温を感じさせ、不思議と読者をも魂の深いところを見つめ直そうとする想いへと静かに誘う。

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山愛美教授の教員紹介はこちら

(人文学部学部長・教授 佐藤嘉倫)

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