永守重信理事長が1年生全員に直接語りかける講演会(学部・学科ごとに計6回実施)が2020年10月、新型コロナウイルス感染対策を万全にしたうえで、京都太秦・京都亀岡の両キャンパスで開かれた。
今年度は、新型コロナウイルスの影響により、入学式が中止になり、1年生に対する永守理事長の講話は、ビデオレターは有ったものの、直接対話は行われていなかった。かねてからの理事長の強い思いから今回実施された。
講演の冒頭、永守理事長は「1年生の皆さんに直接会えるのを楽しみにしていた。入学早々、コロナで不安な春学期を過ごされたと思う」と1年生を労った。
そのうえで、1973年の日本電産創業時の第一次オイルショックを例に「ピンチはチャンスだ」と強調し、学生を鼓舞した。他社が危機で事業を後ろ向きに捉えているときに、石油価格が急騰していることを受け、エネルギー消費の少ないモータを開発し好調の波に乗った経験を語り、「このコロナの影響で後ろ向きなことばかりを言ってもしょうがない。創意工夫のしどころだと思い、努力すれば克服できる。今こそしっかり学ぶことが大切」と説いた。1年生は迫力ある“永守節”を目の当たりにし、圧倒された部分もありながらも、思いのこもった理事長の話に熱心に耳を傾け、改めて本学に入学した喜びをかみしめていた。
各講演とも、理事長の講演に次いで、学生からの活発な質問が相次ぎ、白熱した雰囲気で予定時間を大幅に超過した。
(総合研究所 上島誠司)