【経済経営学部ニュース】経済経営学部学会 2021年度第2回研究会

2021年12月21日トピックス

2021年12月16日(水)、本学京都太秦キャンパス西館(W302号室)において、対面とオンラインを併用した経済経営学部学会2021年度第2回研究会が開催されました。同会では、本年度より経済経営学部の教員に就任した2名の先生が報告者として発表しました。

第1報告 日本における外国人留学生の就職に関する研究 CAO准教授

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報告者

CAO THI KHANH NGUYET 准教授

タイトル

日本における外国人留学生の就職に関する研究

報告概要

日本政府が2008年に掲げた「留学生30万人計画」は、2019年5月時点で外国人留学生総数が31万人強に達したことから、数字の上では達成されたといえる。しかし、その出口戦略ともいうべき外国人留学生の「就職」について、低い就職率をはじめ、様々な問題点が指摘されている。そうした中、本研究は外国人留学生調査の個票データに基づいて、留学生の就職意欲と就職に成功した要因について実証分析を行った。分析において、日本での滞在期間が長くなるほど、日本での就職意欲が強くなることが検証できた。また、留学する前に、日本の社会が好きで、日本で就職したいというモティベーションを持つ留学生は、日本で就職する意欲が高くなり、日本で働いてからも、永続的に日本で働きたい意欲も高いことが検証できた。さらに、就職に成功した要因として、インターンシップに参加したことと早い時期(3月中)に多くのエントリーシートを出したことが統計的にプラスで有意となった。

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第2報告 会計学の面白さと難しさ 徳賀教授

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報告者

徳賀 芳弘 教授

タイトル

会計学の面白さと難しさ

報告概要

会計(財務会計・企業会計)は企業活動を「一定のルール」に基づいて貨幣計数的に写像化するものと一般考えられている。しかし、単純な「写像化」ではなく、同時に作成主体の意図を反映する「築像化」も行う。会計制度には、それを許す弾力性があり、作成者はそれを用いて自分の意図を反映させる。事実と作成者の意図を反映した「写像」(会計数値)は情報として利害関係者の行動を変化させ(情報利用)、また一定の情報が提供されると利害関係者が行動を変えることを知ることによって、作成者の情報開示に関する行動も変化する(情報誘導)。そのため、作成者は絶えず「写像」にバイアスを加える動機を有している。しかも、現在のルールの範囲でバイアスをかけることができない場合には、「ルール」を変えようとする。変えようとする主体は、経営者の団体であったり、国の規制機関であったりする。つまり、企業業績(=写像)はルールによって左右されることが分かる。最後に近年の多くの会計論争の原因となっているインタンジブルズについてお話をする。

Ⅰ 会計(情報)とは何か
Ⅱ 会計測定値の硬度の低さ -何が会計測定を複雑にしているのか-
Ⅲ 会計が創り出す現実 -会計基準の意味の再考-
Ⅳ 会計上の認識の限界 -多くの会計上の論争はここから出発している-

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(経済経営学部 准教授 李立栄)

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