2025.05.19

高野特任教授らの研究グループは黄砂が補体の活性化を介して肺に炎症を起こすことを明らかにしました

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本学 国際学術研究院・共生健康科学研究機構長 高野裕久特任教授(京都府立医科大学客員教授・京都大学名誉教授)らの研究グループは、黄砂が肺に炎症を起こすメカニズムの一端を明らかにしました。本邦にも飛来してくる黄砂は、喘息や肺炎の病状を悪化させることが知られています。実験動物に黄砂を経気道曝露したところ、異物の排除に関わる補体というタンパクが増加し、それを認識する受容体を有する好中球という白血球に黄砂成分が取り込まれていることを世界で初めて可視化しました。黄砂は、自動車排出微粒子、一般環境中の微小粒子状物質(PM2.5)よりも強く反応を引き起こすことも示しました。

『本研究は、海外から京大への留学生が中心となって進めてくれたものです。今後、共生健康科学研究機構(KUAS-RICH)においても、海外からの留学生による研究が実施できるようになることをめざし、努力していきたいと考えています。』と高野教授は述べています。

<論文タイトルと著者> 


タイトル

Complement system is activated in acute inflammatory response to environmental particulates in the lungs(環境中微粒子に対する肺内の炎症応答において補体が活性化される)


著者

Kerui Zhang, Akiko Honda, Tomoya Sagawa, Natsuko Miyasaka, Binyang Qiu, Raga Ishikawa, Tomoaki Okuda, Takayuki Kameda, Kaori Sadakane,Takamichi Ichinose,Hirohisa Takano


掲載誌

Ecotoxicology and Environmental Safety



(研究連携センター 横山儀八)