FD・SD研修会2016年度 第1回SD研修会

2016年08月08日

『グローバル化に求められる人材とは』

日 時:平成28年8月8日(月)京都亀岡キャンパス
報告者: 国際交流センター長 古木圭子 先生
     国際交流センター室長 井筒周 氏  

今回のSD研修会では、「グローバル化に求められる人材とは」をテーマに、「グローバル化」という言葉の意味するもの、母国語の重要性、グローバリズムが叫ばれはじめた時代背景、反グローバリズムのあらわれ、などについて、本学国際交流センターのセンター長と室長にご講演いただきました。

H28_1thSD01.jpg

草野功一 先生

H28_1thSD02.jpg

H28_1thSD03.jpg

ご講演内容の概要は以下のとおりです。

グローバリズムとは何か?

・「グローバル人材=英語力」という認識がまかり通っている?

・「グローバル人材育成推進会議」の中間まとめ(2011年6月)における「グローバル人材」の定義

・我が国の英語力の現状としては、TOEFL(iBT)の国別ランキング163か国中135位、アジア内では30か国中27位という低位置に甘んじている。

・ただ、英語母語話者からみた外国語学習の難易度を10段階評価にしたところ、日本語は10という結果が出ており、日本語と英語は相互に学習の難度が高い言語であることを示している。

「コミュニケーション」とは?

・求められる英語力とは?

・日本では多くの人が、話し、聞く能力を「役に立つ英語」であると言うが、大切なのは「読み、書き」のほうではないか。

→英語を「第二言語」として使う環境にない

→「読む」ことができれば相手の言うことがわかる

「伝えたい」日本語の文章

・大学がすべきことは、学生の基礎学力を育てつつ、「知的好奇心をかきたてる授業」を展開し、もっと深く研究してみたいと思う学生を育てることではないか。

・本学における、ある英語プロジェクトの学生の例をみると、学生自身が興味を持った1冊の小説を英訳していく過程で、英語力が飛躍的に伸びていることがわかる。ここから、学生自身が好奇心を持って取り組んだ作業であることや、学生自身に文章の読解力、理解力があったことなどが英語力の伸びにつながったと考えられる。

・外国語の学習は、母語や母国を知る・大切にするために必要なことであり、必ずしもその外国語が英語である必要はない。大切なことは「言葉を尊ぶ」ということである。

グローバリズムと反グローバリズムの系譜

・グローバル化の経緯、時代背景

 →共産主義国の崩壊→グローバル化(多国籍企業の活動がしやすい環境)

・グローバル化の悪影響

 →国家間格差、国内の経済格差、移民問題、国際テロ、環境破壊など

・反グローバリズムの脅威

・グローカルの推進

 →グローバルな視点を持ち、ローカルで活動する

以上のことを、さまざまな文献や本学学生の英訳文章などを用いて、わかりやすくお話いただきました。どんな時代背景があり、世界はどのように動いているのか、その中で自分自身は「グローバル化」についてどのように考えるのか、改めて考える良い機会となりました。

また、質疑応答では、本学の取り組みについて質問があり、短期のアジア圏留学については、語学学習というよりも、海外の文化に触れることで「もっと勉強しよう」と思えるきっかけになるよう実施していること、学生の参加率が年々増加していること、などが報告されました。

今後もさまざまなテーマについて、教職員で考えられる研修会を企画していきたいと思います。

前の記事へ

次の記事へ

一覧へ戻る

このページの先頭へ