台湾留学レポート国立高雄餐旅大学 交換留学レポート2019年度・高本陽夢くん

2020年04月21日

台湾 国立高雄餐旅大学に交換留学している高本陽夢くんのレポートを紹介します!(2019年9月~2020年7月)

2019年10月

こんにちは、今月は台湾の夜市にあるB級グルメを紹介していきたいと思います。
まずは臭豆腐ですね。
これは外国人で食べれる人はほとんどいませんね。名前の通り、夜市を回っていても凄まじい匂いが漂っています。ちなみに僕は大好きです。個人的には臭ければ臭いほど美味しいですね。

 次は盧肉飯ですね。
これはかなり定番で日本人でも好きな人はかなり多いと思います。
値段も安いところでは40元(だいたい日本円で150円くらい)で食べられて、量もそこそこ多いので満足できる一品となっています。

 次は蚵仔煎です。
これは日本語でいうところの「牡蠣オムレツ」みたいな感じですね。牡蠣自体はそんなに大きくはないですがこれも安い値段でお手軽に食べられるのでオススメです。

 次は定番の小籠包です!
食べ方はまずは皮を軽く噛みちぎり中の汁をレンゲに出し、その汁を飲み本体はタレにつけて刻み生姜を乗せて食べます。中には肉汁がたっぷりなのでそのまま食べると口の中を火傷します。これも日本では考えられないような値段でレベルの高いものが食べられることがあります。60元(200円くらい)で食べられるところもあります。

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 続いては現在ブームになっているタピオカです。タピオカは以上に安く、サイズが大きいです。値段は安いものでは40元(150円)のものもあり、サイズも日本にあるものの2倍から1.5倍くらいあると思います。

 最後に鹽水雞です。これは野菜や鶏肉が並んでいる中から自分で具材をチョイスし、それをお店の人が食べやすいようにカットしてくれ、味をつけてくれます。お酒が好きな人にはこれはかなりおすすめです。日本では滅多にない鳥の鶏冠などもあります。プリプリしていて美味しいです。

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 最後に、台湾には沢山美味しいB級グルメがあります。そして日本では簡単に冷凍食品を焼くだけで済まされるようなものも台湾では手作りが多いです。それだけに日本では絶対に味わえないようにほんとに美味しいグルメに出会えると思います。皆さんも台湾に来た時はぜひ、夜市ではもちろん、夜市のみならずたくさんのお店で食べ物をたくさん食べて体重増やして帰ってください。

2019年11月

こんにちは、今月は私が感じた日本の大学と台湾の大学の違いについて書いていこうと思います。
 日本人が大学の友達のことをそのまま「大学の友達」や「同じゼミの人」という言い方をするのに対して台湾人は「クラスメイト」という言い方をします。私はこの言い方にずっと違和感を抱いていました。簡単にその答えから述べると台湾の大学にはクラスがあります。学部、学科、クラスという区切りになっており日本の大学にある「ゼミ」とはまた違い、ほとんどの授業をクラスのみんなと4年間受けることになります。日本の高校と同じようなものです。ちなみにクラス替えはありません。日本では自分1人で講義を受ける姿も特に珍しいというわけではなく、むしろ大学ではそのような印象の方が強いと思います。しかし台湾では高校と同じようにクラスがあるためみんなで常に行動します。そのため大学の中での学科の団結力が強くイベントでは学科同士で競いあったりします。本当に高校と特に制度が変わってない印象を受けました。
 そして台湾には先生の補助係のような係もあります。日本であれば先生が行う丸つけや時にはPowerPointの作成なども生徒が行うことがあります。その生徒を介して次の授業の注意点や中間テスト、期末テストの内容などを知らされます。今言ったように台湾では「日本の高校までの制度」と同じようにテストが中間テストと期末テストに分かれています。テストが二つあり大変という印象を持つかもしれませんが、範囲は少なく、中間テストは厳密ではなく、かなりフランクに行われるためこの制度のほうがかなり楽だと思います。さらに日本の1限が90分なのに対し台湾では1限が50分です。2単位の授業は基本的に2限行われます。ですので基本的に日本の1限(90分)が台湾では1限2限(合計100分)となっています。たまに3単位の授業3限分(合計150分)の授業もありますが、基本的には全て1.2限で行われることが多いです。つまり台湾では1つの授業は1限、2限に分けており、間には休憩があるのです。合計時間だけ見ると台湾の大学の方が長くてキツそうですがよく考えればしっかり半分の時間で休憩があり、その間にリラックスできるので授業時間が無駄に長くなく短時間でしっかり集中して講義を受けることができるため、私はこの制度にはすごく素晴らしいと思いました。


 間違っていることがあるかもしれないですが僕が台湾で感じたそれぞれの大学の大きな違いでした。以上です。それではまた来月。

2019年12月

こんにちは、今月は桃園の開南大学に留学中の中釜氏に会いに行ったのでそのことについて綴っていきたいと思います。実は先月11月に中釜氏は高雄に来ていたのですがそのことはおそらく中釜氏のマンスリーレポートを見ていただければ詳しいことが書いてあるので見たい方はそちらをご覧ください。それでは本題に入っていきましょう!


 台湾の開南大学には去年うちの京都先端科学大学に留学に来ていた生徒がいることもあって、その友達とも一緒に遊びました。学校があるのは桃園ですが遊んだ場所は台北です。今回は故宮博物院や士林夜市に行ってきました。
世界四大博物館にも数えられる台湾でも最大の博物館である故宮博物院には日本人観光客もちらほらいました。中はかなり広く、細かく様々なコーナーに分類されておりかなり見応えがありました。そして士林夜市、実は私は前にも行ったことがあったのですが、やはり人の量が半端じゃなかったです!ちなみに士林夜市は台湾では一番有名な夜市でぜひ皆さんにも台湾旅行の際に絶対に行って欲しい場所の一つです。台湾では一番の夜市ということもあって、店も多種多様なものがあり、家で食べる夜食も買って帰ります。(冷めても美味しいもの「鹽水雞」などがおすすめです)台湾のカラオケに初めて行って見たのですが、とても高かったですね。ちなみに今回行ったところは日本語の曲が歌える場所(少し高い)で1時間で200元ほど(700円くらい)でした。友達曰く、中国語の曲しか歌えないカラオケでもここまでではないが高いらしく、日本のカラオケが安すぎるらしいです。
 そして、台北と高雄では温度がかなり違うということに気づかされました。ずっと私は高雄に住んでいるので、日本人の私からすれば高雄ではたまに肌寒い日に長袖を羽織るくらいで、基本的には毎日半袖で問題ないです。しかし台北ではそうはいかず、少し厚めの服を着ていました。ですので、皆さんも台湾にいかれる際には亜熱帯地域だからといって舐めてかからず、いきなり雨が降ってきたりすることもあるので、羽織るものが必ずあったほうがいいと思います。高雄にいる私と桃園に住んでいる台湾人の友達の肌の色の違いです。日差しや紫外線の強さが違うのでしょうか…………


あ、、最後に皆さん気になっているであろう開南大學に留学している友達の写真を載せておきますね。
では、また来月。

2020年1月

こんにちは、今月は中間テストがあったのでそれについて述べていこうと思います。
日本の大学とは違い、台湾の大学では中間テストと期末テストに分かれています。日本で言えば中学校や高校と同じ仕組みですね。その分範囲が少なく、とてもやりやすかったです。テストの雰囲気にはかなり驚かされました。なにに驚いたかと言うと、特に学生番号や顔の確認などもなく、席も基本的に自由、試験内容も前の週に先生がその場で決めたりとかなり自由でした。さらには先生によってはテストの前倒しが普通に行われたり、途中でお喋りをしだすテストもありました笑。


これは11月分のマンスリーレポートでも話しましたが、台湾の大学ではクラスがありそのクラスと4年間過ごすことになり、専攻している授業の先生も基本的に変わる事はないため、かなり先生と生徒の距離が近いです。そういうこともあってか、かなり先生と生徒の間の信頼感があり、とてもいいなと思いました。
しかし、一応テストなのでそこはもう少し日本のように厳しくしてもいいのかなとも思いました笑。
そして、何より驚いた事はテストの日程です。今年は1月6〜10日と試験期間に大晦日やお正月を含んでいたのです。テストを前倒しした授業もあったので31日にもテストがありました。台湾は旧正月を主としているため、一応1月1日の年越しも祝わない事はないのですが、「happy new year!」の後にはみんなすぐに現実に戻ってテスト勉強でした。ちなみにお年玉も旧正月に渡します。一応私は友達と一緒に初日の出を見ようとのことでかなりの道のりをバイクの後ろに乗せてもらい、移動し、橋の上で待っていたのですが、ちょうど見えない位置でいつの間にかしっかり明るく朝になっていました。私は初日の出を見た記憶がありません。「初初日の出は台湾か!」と楽しみにしていたのですが、、、初初日の出はいつ見られるのやら…もうすぐ21歳なのですが。。。


よし。今月はこの辺で。ではまた来月。さようなら〜

2020年2月

こんにちは、今月は絶賛冬休み中の私が様々な場所に観光に行きましたので、「観光」について書いていこうと思っています。

その前に、現在流行中のコロナウイルスにより、学校の開学が2週間ほど遅れ、冬休みも延長されました。それに伴い2学期の終了の時期も同じ2週間延びることになるのですが…

WHOの見解ではそれほど「致死率の高い病気ではない」とのことですが、やはり現在のこの状況は異常なので少し怖いですね。台湾ではマスクが買えない状況がしばらく続いており、この前から1週間に一人2枚までという制限付きで買えるようになりました。みなさんも手洗いうがいを心がけて過ごしましょう。

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さて、本題に入りますが、冬休みということで、様々な場所に行きましたので、紹介していこうと思います。

まずは台北にある「國父紀念館」です。ここは名前の通り、國父と呼ばれる孫中山(日本の高校や中学歴史の教科書には「孫文」と書かれていることの方が多いです。)の記念館です。中に入ると、主に孫中山に関する内容がずらりとあり、もちろん日本との関係を示す資料も多くあり、かなり見応えがありました。この記念館に入るのにお金はいらないため、ぜひ行ってみてください。

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次は南投にある「微熱山丘」本店です。台湾の名産といえばパイナップルケーキを思い浮かべる方が多いと思うのですが、ここはそのパイナップルケーキがとても有名なお店です。南投にあるということもあり、山のほうにあるのでアクセスは少し悪いかもしれませんがここでは無料で、さらにお茶付きで出来立てのほんのり温かいパイナップルケーキを食べることができます。

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そして最後は台湾一住みやすい街、台中にある「高美濕地」です。ここはとにかく景色がいいです!南投にある「日月潭」も景色がとても良く、有名ですがそれに引けを取らずとても美しい夕日を見ることができます!ちなみに日月潭にも行ったので一緒に写真に載せておきます。(昼の写真ですが…)

2020年3月

皆さんこんにちは、ウイルスの影響もあり3月の頭まで冬休みが伸びてしまいましたが現在はなんとか授業を受けられています髙本です。しかし学校で2人以上感染者が出た時点で登校が出来なくなり、オンライン授業に切り替わるということが決められました。そうなると学生は実家に帰省することになるのですが、いかんせん私は実家がこちらにないものですからどうなることやら…
 各国で留学生が帰国などを行っている中、幸運なことに私は元気に毎日を過ごしています。とは言ってもやはり現在の状況からして休日にふらふら出かけるということはめっきりなくなってしまいました。様々なイベントが中止になったり、日本に行っているこちらの大学の学生が帰国してきたりと様々な人が複雑な思いをかかてえる状況ですが今は我慢するしかないようですね。いつ緊急で帰国することになっても後悔のないように毎日を大切に過ごしていこうと実感した月でした。
というわけで今月は特にご紹介するものや書くことがないのです…どうしましょうか…
特にないので話したいことを話すことにしますね。
 台湾にはMRT(日本で言う地下鉄)というものがあり日本とは違い電話や音楽を聴くことはそれほどマナー違反ではありませんが、改札通ってから飲食は完全に禁止です。これは破っている人を今まで見たことないくらいかなりみんなきちんと守っているように感じています。ちなみに私は電車の連結部分に立つのが好きです。あのなんとも言えないアトラクション感を電車で味わうことができるのが嬉しいですね。はい。アトラクションといえば地元のバスです。台湾のバスは基本的に運転が荒いのですが、学校の付近を走るバスは比にならないくらい荒いです。私はくる時間もまちまちなこともあり私はこのバスにはほとんど乗ることはありません。私はあれのことをバスとは呼ばずジェットコースターと呼んでいます。まだ台湾に来てすぐの頃、ここの一人大学生が立っており、右折時に膝から崩れ落ちるのを見て衝撃を受けました。(怪我はしておらずみんな笑っていました)皆さんも、酔いやすい方は特に台湾のバスに乗る際には要注意を。
早く安心して出かけることができる日が来ることを祈っています。
台灣加油💪日本加油💪世界加油💪

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2020年4月

こんにちは
今月はコロナもだいぶ落ち着いてきており、かなり外で遊ぶ機会も増えました。
ここ台湾では政府の対策が早く、国民の対応もしっかりしていたため、現在では外食や国内旅行などは問題なくできる程安全な地域になってきました。
話は変わりますが、前々から感じていたのですが、台湾は野良犬がかなり多いです。(朝や夜などは学校内にも沢山います)
最初は少し怖かったですが、犬も犬でこちらの存在に慣れているようで噛み付いたり吠えたりすることもなくのんびりと暮らしています。
安全になってきた台湾でのお出かけ中に沢山の野良犬を見かけたので、それらの写真を共有していきたいと思います。

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「パイナップルケーキの会社の写真!」

そして、先日友達にもらったお菓子(パイナップルケーキ)が今まで食べてきた中で一番美味しいものでした。パイナップルケーキは主に酸っぱいものと甘いものの2種類に分けられるのですが、酸っぱさが控えめでどちらかというと少し甘めで、ふんわりした食感です。
店の名前は「俊美」といいます。台中が本店なのですが、調べてみるとどうやら台北にもあるようです。現在は台湾には外国人が旅行にくることはできませんが、少し落ち着いて台湾旅行をする機会があれば是非皆さんにおすすめのお土産の一つです!

台湾はもうかなり安全な地域になっており、外で遊んだり国内旅行をする人が増えてきていると言ってもまだまだ台湾人の方もかなり気をつけている状況です。ニュースや専門家などによれば「5月末までには国内感染が0になる」との見解ですが、どうなるかわかりません。
しかし今の状況から見るとかなり現実的な意見に思えます。私も外出時はもちろん、授業中にも必ずマスクをつけるようにしています。日本の皆さんも十分に気をつけてください!もう少し頑張りましょう!

2020年5月

こんにちは
今月は学校のイベントがいくつかあったので紹介していきたいと思います。
まずは餃子作りのイベントです。
このイベントは交換留学生のためのイベントで、大学には料理系の学科があるので、その学科の生徒や先生からのサポートを受けながらイベントが実施されました。生地を伸ばし、その中に作った具を入れて、最後は自分たちで作った焼き餃子、水餃子を教室の中で食べるというとても楽しいイベントでした!
下に載せている教室の写真は学校の中の写真です。ホスピタリティ専門の学校なので、ここで料理の出し方などを学んでいるとのことです。

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次は交換留学生による発表です。
この発表は学校で学んでいることや、自国との文化の違いなどを校長先生を中心とした先生方の前で国別に発表するというイベントです。
実は前の学期にもあったのですが、その時は一人しかおらず、一人で寂しく終えた思い出しかなかったのですが、今年は新たに二人の日本人交換留学生が来たので、楽に終えることができました。
今学期の交換留学生はカナダ、フランス、日本の三カ国だけでしたが、それぞれ発表を終えたあとは少しだけ仲良くなりました。

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次は期末大會です。
これは日本語で言うところの「送別会」ようなものです。学期が終わる前にみんなで食事をして遊んで楽しもうというイベントです。
主に翌年インターンシップを行う2年生、卒業する4年生を送るためのイベントですが、とにかくみんな遊んで喋って食べていました。
このイベントが私たち日本人留学生の最後のスピーチの場でもありました。チューター(留学期間にお世話をしてくれた友達)にプレゼントももらい、とても楽しく終えることができたのですが、それと同時にもう1年間が終わってしまうというなんとなく落莫とした気持ちにもなりました。

今学期は来月までで、1年間の留学生活があと1ヶ月で終わってしまいますが、悔いなく残りの日数を楽しみたいと思います。
それではまた来月。

2020年6月

こんにちは
とうとう最後の月になりました。
今月は卒業式やら期末試験やらお別れ会やら小旅行やらでとてもバタバタしていました。
しかし、いい意味のバタバタでとても有意義な時間を過ごせたと思います。
今回交換留学という初めての経験をここ台湾ではしたわけですが、台湾で交換留学ができてよかったと思っています。

自分の中に「もっと台湾を知りたい」という気持ちが常にあり、敢えて一人で様々な場所に遊びに行ったり、ご飯を食べに行ったり旅行したりしました。その中で得られたものは多く、学校のシステムの違いやマナーの違い、変わった言葉の使い回しなど、自分の価値観が変わるようなことも多く学びました。まだ短い人生しか生きていませんが、この1年間は私にとって一番「収穫のあった年」であると断言できます。お世話になった先生方や、仲良くしてくれた友達、道端であったおばさんやおじさん、留学先で出会ったすべての方々に感謝しています。

話は変わりますが、日本へ帰る便を予約していたのですが、コロナの影響により、航空機のキャンセルの連絡が続き、帰れる目処が立っていません…
台湾では、国内感染者が1ヶ月ほど全く出ていないと言う状況もあるため、「いざ帰国」となっても中々国際的には難しい問題が蔓延っていることが浮き彫りになって見えてきます。
この問題に対して、早期解決を実現できたこの「臺灣」という素晴らしい国で1年間過ごしたことを誇りに思っていますし、「いつかこの貴重な経験をお話しできる機会を持てればなぁ」とも思っています。

謝謝臺灣!
我希望台日關係友好!

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留学最終レポート 髙本 陽夢

私は台湾の高雄餐旅大學に一年間留学しました。留学を意識したのは一年生の時、留学生のチューター業務を引き受け、それから留学生と交流する機会が急激に増えました。その後留学を心に決め、留学の準備は一年生の夏から始めました。まずは交換留学の仕組みを知り、「一年間留学しても留年はしないか」、「歴史文化学科という単位交換が難しい学科に所属している私が最も効率よく単位交換できる交換留学先はどこなのか」、「予算はどのくらい必要か、また家賃や生活費を計算し、何万円稼げばその予算に達するか」。これらをしっかりと吟味し、台湾の学校の新学期開始時期に合わせ、2年生の夏から留学することに決めました。こうして念願の留学が決まりました。

9月3日から私の留学生活が始まりました。

もちろん台湾のことについて何冊も本を読み、ある程度準備はしていきましたが、私は中国語を履修したことがなく、語学に関してはほぼ0の状態から留学生活が始まりました。留学してしばらくはひたすら片言の英語でコミュニケーションを取り、社交的な性格である私は友達こそできたものの、言いたいことが言えない状態がかなり長い期間続きました。環境適応能力は高いため、食べ物はおいしく寝るところもどれだけベッドが難かろうが眠れる体質であるため全く問題はなかったのですがなぜか3か月間毎日腹痛が続きました。

台湾と日本では全く大学の雰囲気が異なり、学科が一つのクラスとして扱われ、担任の先生も学年ごとに一人ずついました。そして、クラスメイトー台湾では中学高校とクラス替えがめったにないため日本人が「同級生」と呼ぶところをこのように呼ぶーとは4年間ほぼすべて同じ授業を受けイベントもすべて学科(クラス)単位で行われるためかなり仲が良く、まるで高校のような雰囲気でした。授業の時間数や区切り方もかなり異なっており、日本の大学が90分一コマなのに対し、台湾の大学は1コマを二つの授業に分け、間に休憩をはさむ形式で50分×2、休憩時間も併せて1コマ110分で授業が行われます。実際にこの形式の授業を一年間受けて日本の授業よりはるかに良いと感じました。90分通して授業に集中することは難しいため、台湾の大学で50分授業を受け、10分休憩ののちに後半の50分の授業を受けるという形はとても自分には合っており、集中が続き学習の質が上がったと思います。

私が留学した高雄餐旅大學には交換留学生はそれほど多くはないのですが、4年間在学の外国人留学生が多数在籍しており、私が留学生活を始めた時も日本人の交換留学生は私一人でした。外国人が多く在籍していることもあり、大学の先生方や、事務の方々はかなり親身になってサポートしてくださったため、困ったことがあればすぐに助けを求めることができる環境が常にありました。前述したとおり、後期には別の日本人留学生が来たのですが、初めの学期は完全に私一人だったため、大学に在学している外国人や、別の学科の台湾人に積極的に話しかけに行き、多くの友達を作ることができました。在籍している留学生は留学前から中国語をきちんと勉強している学生がほとんどで、もちろん私以上に中国語が下手な外国人はいませんでした。しかし私はこのような状況だったからこそ「これ以上下に落ちようがない」という考えを持ち、失敗を全く恐れずに積極的に自分の意見や覚えたての中国語を話すようになりました。そのような私の姿を皆見てくれたのか、一か月もすれば私の周りには自然と同じ学科の友達はもちろん、他学科の友達や、他の国からの留学生がいました。その友達と話すことはとても中国語を話す練習にはなったのですが、私はよく一人で出かけていました。友達と遊ぶことももちろんあるのですが、私はあえて一人でご飯を買いに行ったり、ひとりで散歩をして、お酒を飲みに行ったり、旅行に行ったりとかなり一人での行動も多かったと思います。一人で行動していると何かあれば自分で話すしかないため、どれだけ下手であろうと、理解できなかろうと話すしかなくなるのです。ある居酒屋では、そこの店員と話していくうちにどうやらその店員は高雄餐旅大學出身だったようで、そのまま仲良くなり食事やお酒など、かなりサービスをしてくれました。このようにして私は「積極的に人とのつながりを持つように」、「人に頼らず自分でやってみる」ということを意識して留学生活を過ごしていました。何か月もそのような生活をしていると、行きつけのご飯屋さんでの注文が「いつもの」で通用するようになり、あるご飯屋さんではお店の前を通るだけで「へいへーい」と仕事中にもかかわらず私に声をかけてくれたり、とても毎日楽しく過ごしていました。

高雄餐旅大學に交換留学すると、必ず学校の寮に入らなければなりません。寮は基本的に4人部屋で一見普通の学校寮に見えるのですが、この寮はなにかと厳しく、変わったルールが多く最初は戸惑いましたが慣れれば、当たり前のことを当たり前にしていれば特に怒られることはなく限られた中でも有意義な寮生活を送っていました。いくつかルールを紹介すると、まず「11時までに帰宅しなければならない」ことです。外泊は月に二回までで、必要な際には事前にネット上で申請する必要があり、もし交通機関などの遅れがあり、やむを得ず11時を過ぎてしまう場合でも門限の一時間前、10時前までに申請を出す必要があります。11時を過ぎるという申請を出したとしても11時半までに帰らなければ罰があります。この罰はポイント制になっており、このようなルールを破ると1.2.3….と次第にたまっていきます。そのポイントはあるきまった時間に寮のロビーに行き、ロビーの管理人にそのポイントを消化したいと伝えることでそのポイントの残り数に応じた「掃除」という罰が与えられます。つまり、ルールを守らなければポイントがたまり、そのポイントを消したければ掃除をしなければならないのです。しかしながら、このポイントにも上限があり、途中でポイントを消化せずに7ポイントためてしまうと、台湾の学校には必ず教官がおり、その教官から直接指導を受けるようです。私の周りにはここまでポイントをためた者はいないため、具体的に何の罰かはわかりません。その他には「寮のロビーでサンダルを履く」、「酒類を持ち込む」、などのルールが多くあります。また週に二回部屋の点検があり、一度の点検につきランダムで2階ずつ選ばれ、わたしたちが授業に行っている間に点検が行われるのですが、その点検にも様々なルールがあり、「飲食物を目に見える場所においてはいけない」、「ノートパソコンは閉じた状態にしておく」、「コンセントは必ずすべて抜いておく」などがあり、このルールを誰か一人でも破った場合には部屋の4人に連帯責任としてポイントが課せられます。

他にも様々な変わったルールがあるこの寮ですが、先ほども述べた通り、交換留学生は必ずこの寮に住まなければなりません。正直、この寮は設備も清潔さも良いとは言い難いですが、1学期8万円ほどで住むことができるため、留学で一番お金のかかる「住居費」がかなり節約でき、なおかつ慣れてしまえば全くルールをルールと思わないようになるため、私の場合はこの寮に住んで良かったと思います。

一年間過ごしてみて、学校の関係者を含め、台湾人自体がかなりフレンドリーで親切であると感じました。私が片言の中国語で道を聞いた際にも、何度間違えても聞き返してくれ、決して適当に済ませたりせず親身になって一緒に目的地を探してくれました。私が一人で様々な場所に行けたのも周りに聞けば教えてくれるという台湾の人の温かさのおかげもあったと思います。台湾はしばしば治安の良い国と言われますがまさにその通りだと私も思います。このように外国人に対しても寛容な態度で接してくれる台湾人ですが一年住んでいるともちろん悪い部分も多く見えてきます。一つは交通ルールを全く守っていないことです。こちらが横断歩道を渡っていようともお構いなしで突っ込んできます。事故も一年間で7~8回は目撃しました。信号無視も日常茶飯事です。これは台湾の友達に教えてもらったことなのですが、日本の教習所では実技試験で教官にブレーキを踏まれれば即失格なのに対して、台湾では教官がどれだけブレーキを踏もうが合格できるそうです。また、台湾人はかなりせっかちな人が多く、それも信号無視やスピード違反の原因の一つなのかもしれません。

話は変わりますが、私は去年の9月から留学をしていたため、コロナウイルスが流行り始めた頃、留学真っただ中でした。台湾では中国で未知のウイルスが蔓延しているとの報道があってほどなくして国民の8割ほどが自主的にマスクをしていました。その後すぐに台湾政府が中国人の入国を禁止し、続けてVISAを所持していない外国人すべての入国を禁止しました。国内政策としてはマスクの買い占めを防ぐために1週間に一回2枚のマスクを薬局にて40円ほどで配布し、不正がないように国民はマイナンバーを使い、購入していました。それから2か月後のマスクの生産が少し落ち着いたころには2週間に9枚へと変更されました。滞在中の留学生は在留カードを使って買うことができるシステムでした。初めのマスク配布が決まった時点で台湾政府はあるアプリを製作しました。それは薬局のマスクの有無を確認できるアプリでした。このアプリの仕組みはまずマスクを探して薬局に来た人がその薬局でマスクが売り切れていたことを知ると、そのアプリの地図上からその薬局を探し、ボタンを押せば、「この薬局には現在マスクがありません」と表示され、そのアプリを使うことによってどの薬局にマスクが残り何枚あるかという情報を共有することができるというものです。その他にもマスクをしていなければ公共交通機関を使用できず、電車に乗る際にも、レストランに入る際にも、デパートに入る際にも必ず検温があり、少しでも熱があれば絶対に入館、使用はできませんでした。また毎日同じ時間にその日の感染者数と感染経路、感染者の数日の行動がすべて公開され共有されていました。その政策が功を奏し5月の時点では国内感染が0になりました。数日前に友人に確認したところ、現在でもその状況は続いており、その帰国者が感染者であったとしても14日間完全に隔離が行われているため国内感染は全くないそうです。

私は留学先が台湾で、高雄餐旅大學でよかったと思っています。これは私の性格上どこに行ってもそう思っていたかもしれませんが、あの学校に行っていなければただのだらだらした一年間を過ごしていたかもしれないと考えると、やはり少し厳しめの制度がある大学に留学できてよかったです。この留学を通しての収穫は挙げればキリがないのですが自分の将来に対する視野が広がったり、俯瞰的に物事を見ることができるようになったり、失敗を前向きに考えられるようになったりと、自分の成長を確実に感じることができました。これは必ず私の人生において重要な出来事のひとつなりました。大した経験もしていない21歳ですが、人生で一番充実した、有意義な一年間であったと言い切れます。この経験を無駄にしないようにこれからもさらに学び続けます。

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