「シリーズ特別講義B」~第一線で活躍中の方にお話を聴く~「食品機能性研究~機能性農産物開発と新たな機能性表示制度~」香椎化学工業株式会社/カシーテクニカルセンター 取締役開発本部長:西谷郁雄先生

2018年10月19日トピックス

「シリーズ特別講義B」はバイオ環境学部3学科の2年生以上に開講されている科目で、今後社会人になるためのキャリアアップに繋げるための15回にわたるオムニバス講義です。この授業では、産業界(食品、化粧品、医薬品、等)あるいは研究機関の第一線でご活躍されている方を講師にお招きし、講演して頂いています。

「化粧品とその開発」

香椎化学工業株式会社/カシーテクニカルセンター

取締役開発本部長:西谷郁雄先生

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第3回は、化粧品や医薬部外品の開発でご活躍の香椎化学工業株式会社、取締役開発本部長の西谷郁雄先生に「化粧品とその開発」と題してご講演して頂きました。

まず、簡単に香椎化学工業の会社についてご紹介頂いたあと、化粧品や医薬部外品の製造、販売に係わる法規制についてご説明して頂きました。 特に、医薬部外品と化粧品との違いについては、医薬部外品の方がより直接的な効果を商品について記載できるかわりに、その商品の資料を厚生労働省に提出し、許可を受ける必要があるので、大変ハードルが高いとのことでした。 一方で化粧品は効能効果を書けないかわりに地方自治体への届出のみで販売が可能という違いがあり、こちらは簡単に製品化することもできるとのことでした。 また、これらは、いわゆる「薬機法(以前の薬事法)」に事細かに決められていること、このほかに景表法のような法律や、ISO227116の製造基準に合致してないと製品化できないとのことで、厳しい基準の上で商品化されていることを説明して頂きました。

また、販売に関しては、国内での販売額が微増しており、これには「日本製」と言うブランドからかインバウンドや輸出が伸びているためとのことでした。
ただ、各国で化粧品に関する法律が異なるため、これへの対応も大変とのことでした。

最後に、皮膚科学の一端として、皮膚の構造やその成分についてご説明をして頂きました。この皮膚の機能で重要なのは、そのターンオーバーとバリヤ機能とのことで、どちらも紫外線や老化と関係していること、特にバリヤ機能が破綻すると炎症やアトピーの原因ともなり、これを保護するためにはセラミドが重要な役割を担っているとのことでした。実際にセラミドを高含有するクリームを開発しているとのことで、肌のバリヤ機能を回復する機能も確認できているとのことでした。

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授業の最後には、実際にハンドトリートメントを製造している動画を見せて頂き、そこでできあがった試供品を学生が実際に手にしながら、興味津々のうちに講義を終えることができました。

次回は、カゴメ株式会社イノベーション本部 自然健康研究部長の菅沼大行先生を講師にお招きして行います。

(バイオ環境学部 バイオサイエンス学科 教授 藤田裕之)

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