「シリーズ特別講義B」~第一線で活躍中の方にお話しを聴く~「医薬品企業の研究開発(製剤開発を中心に)」旭化成ファーマ(株)医薬研究センターCMC研究部主幹研究員:河田友紹先生

2019年01月16日トピックス

「シリーズ特別講義B」はバイオ環境学部3学科の2年生以上に開講されている科目で、今後社会人になるためのキャリアアップに繋げるための15回にわたるオムニバス講義です。この授業では、産業界(食品、化粧品、医薬品、等)あるいは研究機関の第一線でご活躍されている方を講師にお招きし、講演して頂いています。

「医薬品企業の研究開発(製剤開発を中心に)」

旭化成ファーマ(株)医薬研究センターCMC研究部主幹研究員:河田友紹先生

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 最終回は、医薬品の開発、特に製剤化の研究でご活躍中の、旭化成ファーマ(株)医薬研究センターCMC研究部主幹研究員河田友紹先生に「医薬品企業の研究開発(製剤開発を中心に)」と題してご講演して頂きました。

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まず、簡単に旭化成ファーマ(株)の会社内容についてご紹介頂き、医薬品とは「人や動物の疾病の診断・治療・予防を行うために与える薬品」と言う定義から説明して頂きました。

 次に、医薬品と呼ばれている物の分類、医薬品の市場規模や研究開発費についてご説明頂きました。特に、研究開発には10年から20年もかかり、開発費は1品目でも100億円以上もかかるということで、大変息の長い開発期間がかかるという話しをお伺いしました。また、研究のステージには基礎研究、非臨床研究(いわゆる動物実験)、臨床研究に分けられ、臨床研究にまで進んでも、安全性で問題があり開発中止になることもあると言うことを、実例を挙げながら説明して頂きました。

 また、医薬品開発の基礎研究には企業での研究のみでは無理とのことで、大学のシーズを利用した共同研究:オープンイノベーションも重要と言うことで、いろいろなテーマの提案を受け付けているとのことでした。

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 最後に、ご専門の製剤化のお話しを頂き、最近注目されている口腔内崩壊錠と呼ばれる、お水がなくても飲める医薬品の開発秘話をお伺いしました。特に注目されている技術として、3Dプリンターで崩壊錠ができると言う動画を披露して頂き、初めて見る画像に学生も近未来の映像に驚いた様子で講義を終了しました。

 本日の講演で、全15回の講義を全て終了しましたが、学生にとってもバイオテクノロジーの最先端に触れることができ、実りの多い講義になったのではないかと思います。

(バイオ環境学部 バイオサイエンス学科 教授 藤田裕之)

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