教員紹介
学位 | 博士(経済学) 京都大学 |
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所属学会 | 日本会計研究学会、国際公会計学会、国際会計研究学会、IAAER(International Association for Accounting Education and Research)、AAA(American Accounting Association)、EAA(European Accounting Association) |
専門分野 | 国際会計、財務会計、企業分析 |
略歴 | 九州大学大学院経済学研究院 教授 |
賞罰 | 日本会計研究学会「学会賞」 |
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研究内容
自国内で時間をかけて利害調整的に形成された内生的会計基準の場合なら、会計基準が機能する社会経済的環境との間にかなりの程度親和性が図られています。しかし、国際機関や米国において作成された会計基準を他国が導入する外生的会計基準の場合では、環境要因との軋轢により様々なコンフリクトが発生します。また、そのコンフリクトを解消・緩和しようとして、関連する諸法規を含めた環境要因が変化します。わたしは、長い間、外生的会計基準とりわけ、アングロサクソン的な思想に基づく会計基準がアングロ・アメリカ諸国以外の法域に導入される際に、どのようなコンフリクトが発生するのか、また、導入国はそれをどのようにして解消・緩和するのか、その結果、当該法域の経済社会はどのように変化するのかを研究してきました。米国基準及び国際会計基準の日本への導入によって、どのようなコンフリクトが発生し、日本の諸制度がどのようにしてそれを解消しようとしているのかを研究し、日本がそれらの外生的制度を日本の環境に合うように「翻訳的に」導入し、その本来の機能を変質させてきたことを明らかにしました。今も、日本基準を維持しながら、米国基準と国際会計基準の任意選択を許している、日本における「会計基準間競争の状態」を日本の会計制度作りに参加しながら注意深く観察しています。
研究キーワード | 負債、会計制度、国際会計基準、京都企業、のれん |
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論文 |
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著書
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“Accounting Regulation in Japan: Evolution and Development from 2001 to 2015” (Routledge Focus on Accounting and Auditing), Co-authored by Masatsugu Sanada, October, 2019.9, Routledge (108), ISBN036-722-1071.
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『京都企業 歴史と空間の産物』徳賀芳弘編著2016年6月 中央経済社(全315頁)、ISBN978-4-502-18551-9.
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『財務会計研究の回顧と展望』徳賀芳弘・大日方隆共編著、2013年2月、中央経済社刊(全450頁)、ISBN978-4-502-46800-1.
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『企業会計の基礎概念』斎藤静樹・徳賀芳弘責任編集、2011年4月、中央経済社刊 (全522頁)、ISBN978-4-502-23790-4.
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『国際会計論-相違と調和』徳賀芳弘著、初版2000年3月、中央経済社刊 (全251頁)、ISBN4-502-17463-7.
メッセージ
会計学の場合、経営学の他の分野と比較して、勉強を始めたばかりのところに壁があります。日常用語を多く用いながら、それらが日常用語と異なる専門的な意味を与えられているからです。例えば、会計処理上の現金という用語は日常用語とは意味が異なり、13種類くらいの有価証券をさします。しかし、この壁さえ突破すれば、フィクション世界と現実世界、フォーマルな制度とインフォーマルな制度を行き来する、魅力的な研究の世界が皆さんの前に開けてきます。