バイオ環境学部
バイオサイエンス学科

Department of Bioscience and Biotechnology
バイオ環境学部

環境問題や資源・エネルギー問題の本質的な解決を図るため、バイオサイエンス分野の先端研究の成果や技術を生かし、地域のなかで「人とともに多様な生き物が共生できる環境(バイオ環境という)」を実現することを教育研究の目的とする。

バイオサイエンス学科
環境と調和したグリーンバイオ技術の習得を教育目的とする。学生は動物、植物、昆虫、微生物、食品、遺伝子の領域におけるバイオの知識や技術を講義や実験を通じて広く学び、環境と人々の健康に貢献できるバイオ技術者を目指す。
バイオ環境学部 バイオサイエンス学科 遠井喬平さん

好奇心を満たし
成長を促す
多様な学び。

バイオ環境学部 バイオサイエンス学科
遠井 喬平さん
高等学校卒業程度認定試験
Interview私の先端

大学での学びの本質に
触れた1年生の実習

京都先端科学大学のバイオ環境学部を選んだ理由は、農業や生物分野、環境問題など、学びたいと思っていた領域がすべてカバーされていたから。そして3学科の中でもマクロとミクロの両方から学べる点に魅力を感じ、バイオサイエンス学科に入学を決めました。
“大学ならではの学び”としてイメージしていたのは、座学と体験の両方から幅広い知識と経験を得ること。持ち前の好奇心を発揮して、「フィールドワークやゼミ活動などに積極的に参加したい!」と期待に胸を膨らませていました。
1年生の春学期の「作物栽培実習」は、そんな“大学での学び”の本質に触れる最初のきっかけとなりました。ミニトマトを栽培していて、「脇芽はなぜ出てくるのか?」と先生に質問した時のこと。原因は解明されておらず、「すぐに答えを求めるのではなく、現象が起こる理由を自分で考えてみることが大切」、「生物の現象は単純ではなく、複雑な事象が組み合わさってできている」と教わりました。「だからこそ生物は面白い!」といっそう魅力を感じるとともに、解明された答えを勉強してきたそれまでの学びから、解明していく学びへの変換を意識。そのための論理的思考と広い視野を身につけることが大学の学びだと気づいた瞬間でした。それを機に、先生からの紹介でマツタケの人工栽培に取り組む学外の「マツタケ研究会」に参加、その後も学内外の多様な学びの機会にチャレンジしていきました。
大学での学びの本質に触れた1年生の実習

学内外の学びの機会に
積極的にチャレンジ

1年生の夏には、他大学との合同フィールドワークに参加、秋からは、学内の「スタートアップゼミ」で課題解決型授業に取り組みました。2年生の秋には学科の友だちと自主ゼミ「農業研究ゼミ」を立ち上げ、京野菜などの有機栽培をスタート。3年生では大学コンソーシアム京都の単位互換科目を履修し、環境問題の解決につながるビジネスモデルの構築に取り組みました。
自主ゼミ以外は、すべてグループワークによって課題解決に取り組むスタイルで、チームを形成してゴールに向かう力が鍛えられたと思います。初めはグループ内の意見出しや情報収集、意見をまとめていく論理的思考、役割分担やスケジュール管理とすべてにおいて経験不足で、議論が迷走したり、時間内に終わらなかったり…。本当に悪戦苦闘といった感じでした。それでも、メンバーに働きかけて、なんとかプレゼンテーションまでこぎつけることができました。結果として、「スタートアップゼミ」では学内コンペティションで最優秀賞を受賞、3年生の大学コンソーシアム京都の取り組みでは、苦戦はしつつもそれまでの経験を活かし、先生からのフィードバックを受けながら、協働して進める力を発揮。京都の6大学10チームのコンペティションで準優勝を収めることができました。
学内外の学びの機会に積極的にチャレンジ

1年かけて学科の研究室を
順に経験できる「専門実験」

専門の学びとして力を入れたのが2年生の秋から1年間かけて取り組む「専門実験」です。すべての研究室を2~3カ月ずつ経験し、実験を行っていく科目で、3年生の秋に研究室を選択するための準備の意味もあります。どの分野も興味深く、自分が納得できるまで先生方に質問し、追究したい方向性を考えていきました。その結果、興味のあった「植物」の分野から、農業、食品の機能性へと研究対象を絞ることができ、食品機能学研究室で卒業研究に向けて取り組むことになりました。「専門実験」はグループで行うため、この時にも科学的思考とともにグループワークやプレゼンテーションの力が大いに鍛えられました。
また、大学でもう一つ頑張ろうと決めていたのが、英語力の強化です。苦手だったリスニング力を鍛えながら、「授業にしっかり取り組む」「課題は必ず提出する」「テストに向けて自主勉強する」のサイクルを繰り返すうちに、スコアも少しずつアップし、3年生の最後にはTOEIC®L&Rで600点を超えるという目標を達成することができました。並行して、選択科目の「上級英語」や「専門外書購読」を履修するほか、学内からオンラインで行われた海外インターンシップにも参加し、幅広く英語力を高めることができました。
入学時に望んでいた以上に、好奇心を満たす多様な取り組みを通して学ぶことができた密度の濃い4年間でした。壁にぶつかることも多く、学科の先生にいつもサポートしていただいたほか、他学部学科の先生ともつながりを持つことができ、自分の世界が大きく広がったと感じています。就職が決まった電子部品メーカーは多品種少量生産が特徴で、多様な可能性が広がっている点に惹かれました。社会人としての基本を大切にしながら、好奇心を発揮しいつでも成長のチャンスをつかめるよう、学ぶ姿勢を持ち続けていきたいと思います。
1年かけて学科の研究室を順に経験できる「専門実験」
バイオ環境学部 バイオサイエンス学科 野原晋太郎さん

人生を真剣に考えた
キャリア教育。

バイオ環境学部 バイオサイエンス学科
野原 晋太郎さん
京都府立向陽高等学校出身
Interview私の先端

自分の中にあった
“英語の壁”が低くなった

大学進学前、将来を考える上で原点にあったのは「できるだけ多くの人の幸せに関わる仕事がしたい」という思いでした。そこから、誰にとっても必要な「食」をよりよくするための専門性を身につけることができ、興味のあった微生物や分子生物学も学べることから、京都先端科学大学のバイオサイエンス学科を選びました。また、力を入れたいと考えていた英語教育が充実している点も、この大学を選ぶ決め手の一つになりました。
その英語教育については、「英語」と「英会話」の授業時間数の多さに加え、授業の課題や準備など自主学習もボリュームがあり、かなり集中して学びました。もちろんその他の科目の講義や実験もあり、忙しい毎日でしたね。例えば、実験は事前の下調べやノート作りから、段取りの確認、実験後のレポート作成があります。学年が上がるにつれて実験の内容も難しくなり、時間数も増えていきます。ほかにも、「食の一次産業を体験しておきたい!」と、学科の友人たちと立ち上げた自主ゼミ「農業研究ゼミ」の活動では、年間通して京野菜を栽培。健康食品管理士の資格取得に向けた授業も履修していました。
入学したからにはどれもおざなりにしたくなくて、英語の自主学習は通学時間などを有効活用してこまめに取り組みました。その甲斐あって、3年生の時にはTOEIC®L&Rのスコアを入学時から約200点伸ばすことができました。何より「英会話」の授業でネイティブの先生と頻繁に話す機会を持てたことで、自分の中の“英語の壁”が低くなり、「英語をもっと話したい、勉強したい!」と意欲が高まったことが最も大きな変化だと感じています。
自分の中にあった“英語の壁”が低くなった

キャリア教育の授業を機に
自分を深くみつめる

3年生になると、「キャリア形成実践演習」の授業や「尖端(トンガリ)就活塾」の活動が、自分自身や人生について真剣に考える場となりました。
「キャリア形成実践演習」で行った自己分析では、「周りから見た自分」の印象を聞き、自身の意外な側面を発見しました。また、グループワークによる企業分析では、各自が興味を持って調べた企業について発表し、意見交換します。自分ひとりだと「食」に関連する企業に偏りがちでしたが、多様な企業の情報とメンバーそれぞれの価値観や考え方に触れて、視野が大きく開けるような感覚でした。実はちょうどこの頃、「進む方向性を本当に“食”に絞っていいんだろうか」と心が揺れていた時期でした。入学して化学や微生物の分野も学んだことで興味の幅が広がり、研究室を決める3年生の秋を目前に迷いが出ていたんです。
そこで、自分の内面の思いを掘り下げ、大切にしたいことをあらためて熟考した結果、やはり「食で社会に貢献する」ことを自分の人生の軸にしたいと思うようになりました。研究室では、美味しさに加えて、「健康」や「利便性」などの付加価値をプラスできる専門性を追求しよう――。他の選択肢を知った上で、自分でこの選択をできたことは、とても意味があったと思っています。
キャリア教育の授業を機に自分を深くみつめる

一人でできることには
限界がある

一方、「トンガリ就活塾」は3年生の秋から開催されるキャリアサポートセンター主催による特別育成プログラムです。当時「今の自分の実力で社会に出られるのか?」と不安を感じ、友だちを誘って参加しました。先生の指導で転機となったのが、「発言をもっとしなさい。いいことを考えていても言葉にしなかったら考えていないのと同じ」という言葉です。アウトプットすることの大切さに納得するとともに、自分から手を挙げる積極性が足りなかったことを痛感。この時から、人から促されなくても進んで発言するよう心がけていきました。これ以外にも先生の言葉やグループワークで感じたことなどは、就活ノートを作ってメモし、よく見返していました。それだけ気づきの多い場でしたね。
また、方向性が決まっても履歴書に落とし込むのは難しく、キャリアサポートセンターの先生に添削していただき、思いをしっかりまとめることができました。就職活動全体を通して感じたのは、自分一人でできることには限界があるということ。周りの人を頼って助けを借りたり、協力し合ったりすることでよい結果に結びつくことを学びました。
卒業後は冷凍食品メーカーで生産管理に携わる予定です。冷凍食品が持つ“時間”という付加価値にとても魅力を感じています。責任を持って安全安心な食品を届けることで、より多くの人の暮らしを良いものにしていきたいと思っています。
一人でできることには限界がある
バイオ環境学部 バイオサイエンス学科 渡辺紗弥さん

経験の数々が
将来の夢に結実。

バイオ環境学部 バイオサイエンス学科
渡辺 紗弥さん
秋田県立由利高等学校出身
Interview私の先端

大学生活への期待を胸に
秋田から京都へ

秋田出身の私が京都先端科学大学に入学した初めのきっかけは、修学旅行で訪れた京都の街の雰囲気にひかれたこと。そして、生物学を専門的に学べる関西の大学を探していてこの大学のパンフレットを偶然目にし、食品や植物、微生物を深く学べるバイオサイエンス学科を知り、迷わず入学を決めました。高校時代の私は、将来の夢がなく何がしたいのか分からずにいました。だから大学では、夢を見つけるためにたくさんのことを経験したい。英語もその一つで、「外国人とコミュニケーションが取れるレベル」を目標に、授業の課題は必ずこなし、毎日英語に触れるように心がけました。自分でも動画コンテンツを探して視聴したり、独り言や友だちとの会話にも英語を取り入れたり。ちょっと恥ずかしかったけど、友だちもノリ良く英語で返してくれていました(笑)。また、京都駅のコンビニエンスストアでアルバイトをしていて、海外のお客様に積極的に英語で対応するようにしていました。
大学生活への期待を胸に秋田から京都へ

学ぶ楽しさに目覚めた
「英会話」の授業

特に楽しかったのが「英会話」の授業です。グループで会話したりゲームで盛り上がったりしながら英語に慣れ、他学科の友だちもでき最高でした!さらにネイティブの先生との会話を通して「もっと話せるようになりたい!」と意欲も高まっていきました。高校まで“英語を話すのは好きだけど、テストの点数には表れない系”でしたが(笑)。3年生のTOEIC®L&Rのスコアは575点、入学時から約200点近く伸ばすことができました。でも、スコアはあくまで目安の一つ。話せるようになるカギは、「自分から積極的に話しかけること」だと身をもって学べたことも大きな意味がありました。さらに、第二言語として1年生でドイツ語、2年生で韓国語を履修。韓国語はもともと少し話せたのですが、大学内の留学生との交流イベントで韓国人の友だちができて会話力がアップし、一人で韓国横断旅行ができるまでに。言語を学ぶのって楽しい!この大学に来てそう思えるようになりました。
専門分野では毎回の実験が印象に残っています。実験って、グループでいかにスムーズに進められるかが重要なんです。みんな性格も、意欲も、得意分野もさまざま。黙っていては始まらないので、みんなに行動に移してもらえるまであきらめずに働きかけました。その中で、みんなが話しやすい雰囲気づくりの大切さに気づけたことも大きな収穫でしたね。
学ぶ楽しさに目覚めた「英会話」の授業

4年間で一番楽しかった
密度の濃い就職活動

就職活動では、「自分自身を知るために、したいこと・したくないことを見つけよう」と、インターシップに積極的に参加しました。正課科目の海外インターンシップにオンラインで参加したほか、希望していた食品関連の会社の1dayインターンシップを中心に、次々に30社程度経験。並行して参加していた「尖端(トンガリ)就活塾」で、先生が度々おっしゃられた「歩みを止めるな!」の言葉がモットーになっていました。
専門分野で糖尿病に興味を持ったことから病院関連を見る中で、患者さんの食事を提供する会社で働きたいと思うように。内定をいただいた給食サービス事業会社のインターンシップでは、社員の皆さんの業務への熱い思いにふれ感動しました。患者さんにとっては最後の食事になるかもしれない。その使命への圧倒的な熱量がオンラインの画面を越えて胸にドン!と響いたんです。さっそくキャリアサポートセンターの先生に相談すると、「渡辺さんなら行ける!行ける!この会社に絞ろう」と推してくださいました。その言葉に勇気づけられ、毎日通って履歴書を添削いただき、自分自身や志望理由を掘り下げて書き直しました。その結果一枚の履歴書に思いを凝縮でき、面接での深い対話、内定へと至りました。
密度の濃い就職活動でしたが、辛いと感じたことはなく4年間で一番楽しかったと言えるほど。キャリアサポートセンターの方々の絶大なサポートのおかげです。そのほかにも、さまざまな授業やプログラムを通して、自分の過去・現在・未来について深く考える機会があり成長につながったと感じます。先生や職員の方々、友だちにも恵まれ、入学時の望み通り、たくさんの経験をして考えを深め、進みたい道を見つけることができました。この大学に入って本当によかった。そう胸を張って言えるほど、楽しく充実した学生生活でした。
4年間で一番楽しかった密度の濃い就職活動