大学概要

※ 2026 年4月開設予定(設置認可申請中)内容は予定であり、今後変更になる場合があります。

近年、少子高齢化社会の進展や医療技術の高度化、健康生活に対するニーズの多様化などに伴い、健康や医療・福祉に関わる専門的人材への社会的要請が高まっています。こうした社会の要請に応えるために、健康科学研究科では疾病や障がいから健康への回復、運動による健康の維持・増進とスポーツを通したウェルビーイング(幸福)の実現を目指し、人々の健康を科学的に探究・追究します。本研究科には「健康医療学専攻」と「健康スポーツ学専攻」の2つの専攻があり、前者は「看護学コース」と「言語聴覚学コース」の2つのコースから構成されています。健康科学研究科は、人々の健康の維持・増進を支援する高度専門職業人や、さまざまな健康領域の研究・教育に貢献するリーダー人材を育成します。

健康の理(ことわり)を追究する健康科学

少子高齢化が進む現代、健康に関する課題やニーズはますます高まり、人びとの健康・医療・福祉を担う人材の確保や専門職者の養成は我が国の喫緊の課題となっています。ヒトは齢とともに老化し、身体機能・認知機能の低下や様々な疾病・障がいを伴い易くなります。この避けられない老化をくい止めるにはどのような取り組みが必要でしょうか。老化は運動で防げるって本当でしょうか。運動が健康の維持・増進に良いと考えられるのはなぜでしょうか。また、疾病や障がいを抱えた人びとにとって健康とは何でしょうか。高齢者をはじめ疾病・障がいを抱えた人びとが誰の助けもなく一人で生活をするために何が必要でしょうか。このような健康に関するさまざまな疑問や課題に答えるために、健康科学研究科では健康の理(ことわり)を科学的に追究し、健康支援に貢献する人材を育成します。本研究科は看護職者、言語聴覚士や運動・スポーツ関連職者が各々の専門領域での学びを高めながら他の健康職種についての学びを深め、広い視野に立って人びとの健康支援を担えるプロフェッショナルを養成します。健康を深く学び、健康に関する課題の解決に挑戦し、健康社会の実現に貢献しようという志のある諸君、私たちと一緒に健康を追究しましょう。

健康科学研究科長 田中 秀央

研究内容や教育内容

健康医療学専攻(仮称)

疾病や障がいを有する患者の診断・治療に主眼を置いた生物・医学的な学問ではなく、あらゆる発達段階・健康レベルにある人びとを対象として、その人らしい健康な生活を支援するために、ケア、リハビリテーション、コミュニケーション支援、生活支援を柱とした身体的・心理的・社会的側面を含む全人的医療を目指します。本専攻では特に、これまで本学が培ってきた看護学と言語聴覚学を対象として、看護職と言語聴覚士とがそれぞれの専門性を高めながら他方の分野についても幅広い知識をもち、互いの職種間の連携・協働を実践・推進するための能力を備えて実践の場で指導力を発揮できる高度専門職業人を養成します。

健康スポーツ学専攻(仮称)

健康スポーツ心理学、生理学、バイオメカニクスなどの基礎的研究分野と、ヘルスプロモーション学、コーチング学、アスレティックトレーニング学などの健康スポーツ現場に関わる実践的研究分野の両面から、健康スポーツを科学的に探究します。また、健康スポーツ学を専門的に幅広く学ぶことで、修士研究では学際的なテーマの研究に取り組むことができます。

研究科コンセプト

健康医療学専攻(仮称)

看護職と言語聴覚士として各領域の専門的知識と技能を深めるとともに、互いの領域を横断的に学び、包括的な健康支援に寄与する高度専門職業人や研究・教育者を養成します。

看護学コースでは、看護学の専門領域の研究の基礎となる理論や知識、研究方法を修得し、人間理解を深めた実践能力を養うカリキュラムを編成しています。
言語聴覚学コースでは、言語聴覚学ならびに脳科学や認知科学の領域において、子どもから高齢者まで対象者のライフステージに応じた支援力と問題解決力を養うカリキュラムを編成しています。

健康スポーツ学専攻(仮称)

運動・スポーツを通した身体機能の維持、健康増進、さらに健康に支えられたウェルビーイング(幸福)実現のために、健康スポーツ学を基礎的分野と実践的分野の両面から科学的に探究します。

近年、運動やスポーツは競技の分野だけでなく、教育、健康増進・疾病予防、地域活性化など様々な分野での役割が増しており、人々のウェルビーイング(幸福)の実現のために重要な役割を担っています。本専攻では現代社会が抱える諸問題に、健康スポーツ学における幅広い専門知識を基盤に基礎的研究と実践的研究の両面からアプローチすることで、問題の解決に向けた新たな知の創出と社会実装を目指します。健康スポーツ分野が関わる社会のそれぞれの立場で、研究と実践を往還できる優れた人材を輩出し、社会の革新的な発展に貢献します。

目指すキャリア

健康医療学専攻(仮称) 修士課程

  • 多職種連携を進められる高度専門職業人
  • 大学・研究所などでの教育研究職

健康スポーツ学専攻(仮称) 修士課程

  • 健康・スポーツ関連企業、地方公共団体、プロ・社会人スポーツ団体、 健康増進施設、フィットネスクラブなどでの高度専門職
  • 中学・高校などで高度な専門性を有する保健体育の教育職
  • 大学・研究所などでの研究職
  • 更なる研究能力の修得を目指しての博士後期課程への進学

カリキュラム

「研究科共通科目」では、必修科目として健康科学の研究に必要不可欠となる「健康科学特論」を学びます。「専攻基盤科目」では、各専攻の専門的領域を横断的かつ俯瞰的に捉えることに加え、専門科目をより深く学ぶための基盤を築くことを狙いとして、各コースや各分野での学修・研究に必要な基本的概念や研究方法などを学びます。「専門科目」では自身の専攻およびコースの専門性を高めるための理論的基盤を涵養する「講義科目」と理論を実践や臨床現場および研究に繋げる「演習科目」を配置しています。この中で健康医療学専攻では看護学と言語聴覚学の各コース科目のうち、互いに他のコースの科目を3科目修得することにより、コース横断的な知識を修得し、研究を深めます。また、健康スポーツ学専攻においては、広く教育現場、スポーツ実践現場、スポーツ産業等における実践的な学びを涵養する目的として「実習科目」を配置しています。「専門科目」では、学修を通じて今後研究を進めるためのテーマ領域の知識の深化とテーマ領域における研究手法やデザイン、分析手法などへの理解を深め、特別研究に繋げていきます。また、各学生の研究テーマ領域以外の科目を履修することで、専攻における異なる分野への相互理解を深め、さらに分野横断的かつ多面的な視点を得ることを通して、包括的な問題解決能力を涵養することを目指せるカリキュラムになっています。


教育ポリシー

教育目的
  1. 健康医療学専攻(仮称)では、看護学または言語聴覚学の高い専門性を有し、さまざまな課題を解決 する実践力を持つ人材、および課題を探究する研究能力を活用し、社会に還元できる人材を養成する。
  2. 健康スポーツ学専攻(仮称)では、高い専門性を有して社会で活躍できる高度専門職業人及び大学や 研究所等で活躍できる研究者を養成する。
学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)
  1. 健康医療学専攻では、看護学または言語聴覚学の各領域において高度な専門的知識・技能を修得するとともに、社会に活かす実践力や研究力を身につけている者に修士(健康医療学)の学位を授与する。
  2. 健康スポーツ学専攻では、健康スポーツ学の特定の研究領域において高度な実践的知識・技能を修得するとともに、社会に活かす実践力や研究力を身につけている者に修士(健康スポーツ学)の学位を授与する。
教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)
  1. 健康医療学専攻では、学士課程で得た基礎的な知識と技能を超え、大学院レベルでの高度な学びを通じて専門的知識、実践力、批判的思考力を養うことに重点を置いてカリキュラムを編成している。
  2. 健康スポーツ学専攻では、健康スポーツ学に関する高度な専門性を身に付け、学問領域横断的な諸問題の解決に有用な健康スポーツ学の専門的知識と研究・分析力を修得できるようカリキュラムを編成している。
入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)

本研究科では、以下の条件を満たす者を受け入れる。

  1. 健康医療学(看護学および言語聴覚学領域を主とする)又は健康スポーツ学に関連する学士課程や職場において培われた基礎的知識をより深め、学問領域横断的な諸問題の解決に有用な専門的知識と研究・分析力の修得を目指す者
  2. 健康医療学(看護学および言語聴覚学領域を主とする)又は健康スポーツ学を探究し高度な専門性を身に付けて社会の様々な分野で活躍する高度専門職業人や教育・研究者を目指す者
学位論文審査基準
  1. 提出された論文は、審査委員会で審査する。
  2. 審査委員会は、主査1名、副査2名の計3名とし、研究科委員会において選出する。

学位論文 口頭試問

  1. 本学学位規程第8 状の「最終試験」として、口頭試問を行う。
  2. 試問は、次に記載する各専攻所定単位以上を修得(見込みを含む)し、かつ学位論文を提出した者に対して行う。
    ①健康医療専攻 看護学コース   34単位以上
            言語聴覚学コース 34単位以上
    ②健康スポーツ学専攻       30単位以上
  3. 試問は、上記の審査委員会が、提出された学位論文について口述により行う。

合否判定
修士論文は、精深な学識と、研究課題に対する自立的な設定能力、適切な方法論の選定と実施能力、分析・考察における論理性と独創性、成果を修士論文および口頭試問において明確に伝える能力を有する者をもって合格とする。