京都先端科学大学

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Department食農学科

農地環境研究室

更新日:2019年9月13日(金)
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消臭効果がある炭。実は二酸化炭素の発生を抑えて地球温暖化を防いだり、畑の土の状態をよくするのに使用されたりと様々な効果が。さらに竹炭の利用で放置竹林対策もバッチリ。地球にとって一石三鳥の役割を果たす!
未利用資源などを活用して農地環境改善
未利用資源の利活用や民間農業技術の科学的解明が、農地環境の改善や環境に調和した農業の実現に繋がります。この研究室では、竹粉や炭化物の農業利用について研究。大気中の二酸化炭素を炭による炭素貯留で削減し、亀岡市や他大学とともに、竹炭を施用した畑で栽培された野菜「クルベジ」による地域活性化に努めています。
教員紹介

藤井 孝夫

コメントなし

藤井 康代

コメントなし
Pick UP!
これからの農業のあり方を科学的に追求する研究室
農地環境研究室のミッションは、農地環境の改善や環境に調和した農業の実現です。
そのために、里山に生い茂るバイオマスなどの未利用資源から作る堆肥や、土壌改良材による農地土壌の改良効果を、京都府特産の農作物である京野菜や豆類、お茶などの栽培を通じて科学的に解明します。
具体的にはどんな研究・プロジェクトに取り組んでいるのか、これからご紹介しましょう。
研究室からお茶の香り?農作物を育てながら土づくりを研究する
農地環境研究室からは、ときどきお茶のいい香りがしてくるというウワサ。農業のために土壌改良が専門の研究室なのになぜ?とも思いますが、土壌の状態を評価するためには農作物を栽培して収量や品質のデータを取る必要があります。その一環として、お茶を育てているのです。
キャンパス内にお茶の木を植えたのは、2016年のこと。京都生まれの品種や紅茶品種など、10種類ほどを栽培しています。本格的に収穫できるまでは5〜7年ほどかかる見込みです。
一定量の収穫ができれるようになれば、緑茶や紅茶、後発酵茶(プーアル茶)を作る計画をしています。
京野菜産地のまっただなかで「京白丹波」プロジェクト
全国的に見ても品質が高いといわれている京都の野菜。特に京都亀岡キャンパス周辺は京野菜の大産地です。
地域資源を活用した土壌改良や肥料の施用方法を検討し京都の特産品を栽培しながらおいしさを追求することをモットーにしています。
たとえば「京白丹波」は京都オリジナルの新しい品種の白大豆。大粒で非常においしいのですが、今のところあまり普及していません。そこで、実際に栽培している農家の方と連携しながら栽培方法や加工方法に関する研究ワークショップを開催しています。京白丹波の魅力をPRし産地拡大につなぎたいと考えています。
最終目標は地域環境や地域の人とつながり、農作物の栽培を通して地域を元気にしていくこと
未利用資源を活用した土壌環境の改善や農作物を栽培する人達との連携を通じて、環境と調和した農業、高品質の農産物生産が地域の人たちによって実現されることを願っています。農作物のすばらしい栽培方法を編み出しても、実際に育ててくれる農家がなければ研究意義は半減してしまいます。環境に調和した農地管理や作物栽培の研究をしながら、地域とも連携して産地を拡大し、ひいては地域を活性化させることも、食農学科の課題だと考えています。
キーワードは「ひとづくり・ものづくり・地域づくり」。知識や熱意をもった人材を育て、高品質の作物を栽培し、地域を元気にしていく。それが、農地環境研究室の目指すところなのです。

研究内容

炭による炭素貯留で、地球温暖化の防止

竹炭栽培
竹炭栽培
炭化
炭化
堆肥化
堆肥化
炭による炭素貯留を推進し、温室効果ガスの減少につなげることを目的とした研究を行っています。異常気象とか気象変動という言葉がよく聞かれますが、気候変動の様々な理由の一つとして、人間の生命活動で排出される二酸化炭素が増加していることが挙げられています。化石燃料の利用を減らし、生物資源(バイオマス)を利用することで排出量は減らせます。しかし、大切なことはすでに増加しているものを減らすことです。そのため、大気中の二酸化炭素を吸って大きくなった木質系バイオマスを炭にすることで炭素として炭に閉じ込めると、再び二酸化炭素として大気中に出てきません。単に炭素閉じ込めだけでは炭を作るエネルギーが必要なだけです。炭を農業へ利用した土壌改良や堆肥化を新しい農業手法として提案するために、炭の製造方や土壌施用への影響、堆肥化への影響などを明らかにしています。

タケの有効利用を目指して

竹粉栽培
竹粉栽培
タケの有効利用を目指した研究を行っています。例えば、熱がかからないようにしながら粉末にしたタケをおいておくと、乳酸発酵します。この発酵した竹粉は農業や畜産業に利用できる可能性があります。実際に商品化されている例もあります。粉末のタケをまいた田で稲を育てたところ土壌中の生物が増加しているようだ、あるいは野菜がおいしくなった、という農業者の声もあります。しかし、それは感覚であって、科学的に検証し証明したものではありません。タケがどのように農業に有効であるのかを、土の状態を調べたり、実際に作物を育てたりすることで明らかにしています。タケの有用性が証明されれば、各地で厄介者になっているタケを見直す動きが起き、環境面や防災の観点から問題視されている暗い荒れた放置竹林も減少することが期待されます。

卒業研究の一例

  • ペパーミント、タイム、ステビアの植物体破片施用がミズナの生育に及ぼす影響
  • マンガン高濃度の稲わら施用が、チャの養分吸収に及ぼす影響
  • 硫酸アンモニウムの施用時期が“京白丹波”の生育に与える影響
  • 軟弱野菜の施設栽培における土壌理化学性の実態
  • 微生物資材を利用した落葉・剪定枝の堆肥化と評価
  • ソーラーシェアリングによる作物への影響
  • 竹繊維活用の可能性-ロックウールの代替資材-
  • 乳酸発酵竹粉および竹粉が作物の生育に与える影響
  • 竹炭施用による土壌物理性変化
  • 不耕起栽培と土壌流亡