田中秀樹准教授の論文が国際学会誌 Transportation Research Part F: Traffic Psychology and Behaviourに掲載

経済経営学部経営学科・田中秀樹准教授が執筆した論文が、国際学会誌 Transportation Research Part F: Traffic Psychology and Behaviour に掲載されました。 昨今話題に上ることも多い「若者のクルマ離れ」の議論を踏まえて、今日の日本の若者のクルマ離れ要因について、都市圏(urban)と非都市圏(rural)に住む若年者の比較や若者の生活様式と自動車保有意識の関係性の観点から分析を行いました。その成果が“Joint car ownership and car type preference model considering engagement in online activities and environmental concern”と題した本論文としてTransportation Research Part F: Traffic Psychology and Behaviour に掲載されました。なお、本研究は田中准教授が代表を務める日本学術振興会 科学研究費補助金（JSPS 16K03869「若年者の自動車保有及び車種選択の要因に関する研究」）の成果の一部です。

論文概要

本論文では、日本の若年者の自動車保有意識について分析を行った。具体的には、都市圏（東京など）と非都市圏に住む18歳～25歳を対象として、どのような車種の自動車を購入するか（購入意思を含む）について、その要因を分析した。分析の結果、居住地域の違いによって自動車保有意識の差を明らかにした。都市部よりも非都市部の方が、交通網整備などを要因として自動車保有意識が高い（自動車を必要とする）ことを確認した。また、非都市部では軽自動車の保有を選択する若者が圧倒的に多いことも確認した。

加えて、自動車保有を阻害（抑制）する要因についても分析を行った結果、オンライン（SNS、ネットサーフィンやチャットなど）での活動時間が多い若者ほど自動車保有（購入）意思が低いことを明らかにした。また、「自動車（ガソリン車）は環境に悪い」と思いながらも「自動車は大気汚染(pm2.5など)やゲリラ豪雨から身を守ってくれる道具でもある」と考えている若者の環境的ジレンマ（environmental dilemma）の存在についても明らかにした。

掲載論文

著者

Junghwa Kim (National Infrastructure Research Division, Korea Research Institute for Human Settlements), Hideki S. Tanaka (Kyoto University of Advanced Sciences) & Jan-DirkSchmöcker (Kyoto University)

論文タイトル

“Joint car ownership and car type preference model considering engagement in online activities and environmental concern”

掲載誌

Transportation Research Part F: Traffic Psychology and Behaviour, Volume 68, January 2020, pp.293-305

掲載論文URL

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1369847819303523

関連リンク

田中秀樹准教授の教員プロフィールページ

（経済経営学部　准教授　木口武博）