「バイオテクノロジー産業の最前線」~社会の第一線で活躍中の方のお話しを聴く~「麹菌と麹の世界」樋口松之助商店株式会社取締役 研究室長:山下秀行先生【バイオ環境学部】

2022年10月24日トピックス

「バイオテクノロジー産業の最前線」は、バイオ環境学部の2年生以上が対象の科目です。社会に出てからのキャリアアップを目的に、15回にわたってオムニバス形式で開講しています。産業界(食品、化粧品、医薬品、等)あるいは研究機関の第一線でご活躍されている方を講師にお招きし、講演いただいています。

第5回は、 味噌やしょうゆ製造などには欠かせない麹の育種だけでなく、麹を使った製品開発でもご活躍中の、樋口松之助商店株式会社取締役で研究室長の山下秀行先生にご講演いただきました。

ご講演では、まず樋口松之助商店株式会社についてご紹介いただいた後、麹菌についてお話しいただきました。麹菌は日本酒を始め、最近流行の麹甘酒の製造には欠かせない日本の食文化を支える微生物です。味噌や醤油の発酵に利用されてきた「黄麹菌」は国菌に認定されていることや、麹菌が「もやし」と呼ばれるようになった所以などにも触れていただきました。

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続いて、醸造食品と麹菌との関わりについて説明いただきました。製品によってそれぞれ異なる性質を持つ麹菌を使用しているため、各麹菌が持つたんぱく質や炭水化物分解酵素、さらには脂質分解酵素の活性の理解が不可欠であることを説明していただきました。

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最後に、「塩麹」あるいは、飲む点滴としてよく知られるようになった「麹甘酒」など麹を使った商品を紹介していただくとともに、麹を使ったチーズの新たな製品開発についてもお話いただきました。卵黄を麹で分解することで、さまざまな分野で製品化に成功しています。加工食品にも添加されているとのことで、知らない間に口にしているかもしれないとのお話しもあり、聴講している学生も驚いていたようです。

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次回は、2022年11月4日(金)13:20から、キリンホールディングス株式会社基盤技術研究所の谷口慈将先生を講師にお招きして開催します。

(バイオ環境学部教授 藤田裕之)

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