2025.07.07

本学、人文学部心理学科 山 愛美特任教授の寄稿が、世界的作家・村上春樹の研究書『Haruki Murakami and Philosophical Concept(村上春樹と哲学的概念)』に掲載されました

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本学、人文学部心理学科 山 愛美特任教授の寄稿が『Haruki Murakami and Philosophical Concept(村上春樹と哲学的概念)』に掲載されました。 

本書は、村上春樹の作品を学際的な視点から読み解くことを目的にしており、哲学・心理学・文学など多分野の研究者たちがそれぞれの立場から論考を寄せることで、村上春樹研究の新たな地平を切り開こうとする試みです。編者であるJoseph Milburn (ジョセフ・ミルバーン)氏(専門:哲学)は、「村上作品に哲学的な要素や概念は存在するのか? 村上作品は哲学の分野に対してどのような価値を提示しうるのか?」といった問いからこの企画を立ち上げました。 

編者からの寄稿依頼に山特任教授は本書の仮タイトルを見て、「私は哲学者ではない・・」と一時は辞退しましたが、深層心理学や心理療法の視点からの執筆ということで、〈Exploring Hear the Wind Sing as an Initial Story: Encounter with Derek Heartfield as the Starting Point for Haruki Murakami(始まりの物語『風の歌を聴け』を探る―村上春樹の出発点としてのデレク・ハートフィールドとの遭遇)〉と題した論文を寄稿しました。ぜひご覧ください。 

山 愛美 特任教授 コメント

この論考では、村上春樹の第一作『風の歌を聴け』において繰り返し唐突に登場する架空の作家デレク・ハートフィールドに注目し、彼の存在が村上の創作においてどのような意味を持つのかを探りました。私は、ハートフィールドというキャラクターを通して、村上春樹自身の世界観とが示されており、そこに村上の作家としての出発点があると考えています。また、ユング心理学の視点から、村上春樹の創作についても論じています。

書籍紹介
Haruki Murakami and Philosophical Concepts  
https://link.springer.com/book/10.1007/978-3-031-89646-0

https://link.springer.com/chapter/10.1007/978-3-031-89646-0_16

(人文学部 君塚 洋一特任教授)