
2025年 6 〜7月に、心理学科「社会・産業基礎演習」(担当:君塚洋一特任教授)の受講生 14人は、右京区太秦大映通り商店街にあるNPO 法人「子育ては親育て みのりのもり劇場」(以下、「みのりのもり劇場」)を訪問し、同団体の活動についてインタビューを行いました。
この演習では、実習を通じて社会学や社会調査の基礎を身につけるとともに、社会とこころとのかかわりについて、人間関係やコミュニティの視点から学んでいます。
まずは、みのりのもり劇場が現地で運営するカフェ「キネマキッチン」で、柴田弓店長から法人の活動のあらましと地域の居場所としてのカフェの運営について伺いました。そして7月に、みのりのもり劇場の伊豆田千加理事長を太秦キャンパスにお迎えし、「居場所づくり」の考え方やその実践について受講生がインタビューおよび意見交換を行いました。
ゼミ生たちは、お母さんたちの子育てサークルの実践から住民が心和めるカフェの運営、福祉作業所の商品販売の支援やコミュニティマガジン『右京じかん』の発行まで、さまざまな意味での「居場所づくり」に取り組んでいるみのりのもり劇場の活動内容と現場でのリアルの体験から様々な気づきを得ることができました。


<受講生の声>
▷ 「居場所づくり」と聞くと、誰かが主催してどこかの施設で会合が開かれ、作られるものだと思っていたが、お話を聞いて、居場所は安心できる環境と関係の中で自然に育っていくものだと感じた。特別な資格や担当、役割がなくても、見守り、声をかけるという優しい行為のひとつひとつが居場所づくりにつながるのではないか。(2年生女子)
▷ 結局、気持ちの持ち方次第で、そう思える場所、その人に「そのままでいいんだよ」と言ってあげられる場所が「居場所」になる。SNSで「つながり孤独」を感じている大学生も同じで、そのままの自分がそこにいられる場所を再確認し、割り切ればよいのだと学んだ。(2年生男子)
▷ 同じ考えを持っている人が集まればコミュニティができる。キネマキッチンは、働いておられる方々には、職場でありながら、居心地のよい職場となっているからこそ「サードプレイス」につながっているのかなと感じた。(2年生男子)
▷ 伊豆田理事長が多くのことをまとめ、活動されておられるとイメージしていたが、実際には、伊豆田さんご自身もまわりの流れに乗ったり、まわりの人を頼って活動されていた。何事も1人でしていくのではなく、コミュニティを広げたり、人と対話していくことが大切なのだと感じた。(2年生女子)
(人文学部 君塚洋一特任教授)