2025年4月に、「The Journal of Spinal Cord Medicine」誌に、本学 健康医療学部 健康スポーツ学科の金田和輝嘱託講師(健康スポーツ学科)が筆頭著者として執筆した論文「Health-related outcomes of different levels of physical activity among individuals with spinal cord injuries(脊髄損傷者における身体活動レベルの違いが健康に与える影響 )」が掲載されました。
本研究では、脊髄損傷者67名を対象に、身体活動量の違いが心身の健康状態や社会的つながりに与える影響を調査しました。調査の結果、身体活動量が多い群では、身体的・精神的健康だけでなく、健康関連ソーシャルキャピタル(地域や仲間とのつながりや相互支援の指標)が高い傾向が示され、身体活動やスポーツ参加が障がいの有無に関わらず、生活の質向上や社会参加に重要であることを改めて示す成果となりました。
金田嘱託講師はこれまで、国際大会でトレーナーとして活動し、障がい者スポーツの現場でアスリートを支援してきました。これらの現場経験と研究成果を組み合わせることで、今後は障がい者が地域や社会でいきいきと生活できるための支援方法の開発に取り組むとともに、障がい者スポーツの価値を広く社会に伝えていくことを目指しています。
また、この知見は、本学で開講しているスポーツ・ライフスキル(SLS)科目の内容とも深く関連しています。SLSでは、運動やスポーツを通じて健康維持や身体づくりを行うだけでなく、チーム活動やグループワークを通してコミュニケーション力やチャレンジ精神、協調性を育むことを目指しています。本研究の成果を授業に取り入れることで、学生が「運動には心身の健康だけでなく社会的つながりを築く力がある」ことを実感し、誰もが運動を楽しみ挑戦できる共生社会の実現に向けた学びを深められると考えています。
今後も現場と研究の両面から、障がい者スポーツや地域スポーツの発展、そして学生のライフスキル教育に貢献します。

(健康医療学部 健康スポーツ学科)




