2025.11.25

バイオテクノロジー産業の最前線「着色料と食品設計<色を付ける価値と活用技術>」

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「バイオテクノロジー産業の最前線」は、バイオ環境学部の2年生以上が対象の科目です。社会に出てからのキャリアアップを目的に、15回にわたってオムニバス形式で開講しています。産業界(食品、化粧品、医薬品、等)あるいは研究機関の第一線でご活躍されている方を講師にお招きし、講演いただいています。 

第9回目は、11月21日に理研ビタミン株式会社の食品改良剤開発部イノベーションセンターから藤原和広先生をお招きし「着色料と食品設計<色を付ける価値と活用技術>」と題して講演いただきました。 

理研ビタミン株式会社は、工場が亀岡市内にあるということもあり、本学にとっても大変身近な会社ですが、その製品群は馴染みのある、わかめスープやノンオイルドレッシングと言った家庭用食品だけでなく、業務用の加工食品用の各種エキス、さらには加工用食品原料として食品添加物も製造販売されているとのことで、亀岡工場では特に着色料の製造を行っているとのことでした。 

講義の冒頭、使用する光源によって色の見え方が違うという、色の見え方の不思議についてこ説明して頂きました。これは、スーパーの精肉コーナーや魚介類のコーナー、惣菜コーナーではそれぞれ違う色のLEDを使うことで、その素材に合ったものを選択しているとのことでした。 

次に、カロンなどを例に、色を付けることで食品のイメージを変えたり、見た目を美味しくしたりすることも可能になるということを説明いただき、学生も食品の色から受けるイメージがかなり大きいことに驚いていました。また、色を付けないと成り立たない食品の例として、かに風味かまぼこを持参して頂いて実例を示していただきました。 

最後に、本学のある亀岡市の工場で生産されているクチナシ色素について紹介していただきました。元々は黄色のクチナシ色素も加水分解や酵素処理を行うことで青色、さらには赤色にまで変化させることができる大変興味深い素材とのことでした。 

次回は、2025年11月28日(金)に、丸紅ファーマシューティカルズ株式会社取締役社長の西中重行先生を講師にお招きして行います。 

 (バイオ環境学部 藤田裕之)