「バイオテクノロジー産業の最前線」は、バイオ環境学部の2年生以上が対象の科目です。社会に出てからのキャリアアップを目的に、15回にわたってオムニバス形式で開講しています。産業界(食品、化粧品、医薬品、等)あるいは研究機関の第一線でご活躍されている方を講師にお招きし、講演いただいています。
第11回は、12月5日に不二製油株式会社グローバル研究戦略グループの中森俊宏先生をお招きし「大豆で未来を変える!次世代フードイノベーション」と題してご講演していただきました。
まずは、大豆の起源と我が国にどのようにして伝来してきたのかと言う話しから始まり、これによるわが国の食文化の発展、特に和食の成り立ちとの深い関わりについてご説明いただきました。次に、同社と大豆との関わりについて、幅広い製品群とともに紹介していただきました。その中でも、業務用のチョコレートは、アイスクリームやケーキなど幅広い菓子類に使用されているとのことので、学生も一度は口にしたことがあるのではないかとのことでした。

また、大豆は他の豆類とは異なり、脂質やたんぱく質も豊富に含んでいることから、様々な食品加工原料に使用されていますが、近年では油を絞った後の脱脂大豆たんぱく質が、食肉の代替畜産加工肉関連の製品にも広く利用されてきているとのことでした。特に、牛肉を大豆で代替肉に加工する際の美味しさの決め手になるのは、いわゆる“さし”と呼ばれる脂で、これをいかに添加するかが味の決め手のポイントになるとのことで、これには学生も納得していました。

一方で、ビーガンやハラルなど特別な理由によりお肉を食べられない方向けに、動物由来エキスに代わる大豆由来のエキスを開発しておられ、これによってかつお節を使用しない江戸前そばのつゆづくりにも成功したとのことで、今後も、大豆の特徴を活かした商品開発を行っていくとのことでした。

次回は、12月12日(金)に、ヤマサ蒲鉾株式会社品質管理部長の黒田信行先生を講師にお招きして行います。
(バイオ環境学部 藤田裕之)




