2026.01.16

バイオテクノロジー産業の最前線「医薬品の開発について~CMC研究と品質確保~」

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「バイオテクノロジー産業の最前線」は、バイオ環境学部の2年生以上が対象の科目です。社会に出てからのキャリアアップを目的に、15回にわたってオムニバス形式で開講しています。産業界(食品、化粧品、医薬品、等)あるいは研究機関の第一線でご活躍されている方を講師にお招きし、講演いただいています。 

第15回目は、スペラファーマ株式会社大阪研究センター分析研究所サイエンティストの石場優佳先生に「医薬品の開発について~CMC研究と品質確保~」と題してご講演していただきました。
同社は、医薬品製造における主な3つのフェーズのうちの、CDMOと呼ばれる医薬品開発製造受託機関で、医薬品の開発製造を受託している、CMC研究(Chemistry、Manufacturing and Control)の研究を行っているとのことでした。

まず、医薬品の開発全般についてのお話があり、医薬品の種を探す創薬研究から、安全性や吸収されてからの作用などについて基礎的な研究を行う非臨床試験、さらに実際にヒトでの投与試験を行う臨床試験までの流れについて説明いただきました。ここで得られたデータを元に、医薬品としての承認申請が重要かつ大変で、いくつものハードルを乗り越えた後に新薬がわわれの手元に届くとのことでした。

また、このような医薬品が服用後に効率よく吸収され、効果を発現するためには、様々な製剤化技術が必要とのことでした。ちょうど食材を加工して美味しい食品にする料理に似ているとのことで、学生たちは、単に医薬品の元になる物質を製造するだけで無く、製剤化の難しさについても理解を深めたようでした。合わせて、できあがった医薬品の効果を担保するための品質管理の難しさについても説明いただくとともに、これらを担う人材が不足している現状についてもお話がありました。是非若い人にもこのような仕事にチャレンジして欲しいとのことでした。

今回で、全15回の授業は終了となりました。各企業や研究所において第一線でご活躍されている講師の方々から生の声を聞くことができ、インターンシップでの企業研修とはまた違った学びがあったことは学生にとって大変有意義でした。
講師としてご登壇いただいた先生方には、心から御礼申し上げます。

(バイオ環境学部 教授 藤田裕之)