2019年8月6日(火)から10日(土)の5日間、2019年度京都大学フィールド科学教育研究センター公開実習(森里海連環学実習I)に本学1年生の谷内宏之さんが参加しました。
この実習は、京都大学芦生研究林を源流とし丹波地方を流れ若狭湾西部にそそぐ由良川を通して、森から海までの流域を複合したひとつの生態系としてとらえる視点を育成することを目的に、全国の大学生を対象に行われたものです。
今年は本学から1名の学生が参加し、非常に有意義な時間を過ごせたようです。
ぜひ、みなさんも参加してみませんか。
実習レポート 谷内宏之さん
~実習レポート~
バイオ環境学部 バイオサイエンス学科 1年 谷内宏之
8月6日(火)〜8月10日(日)の森里海連環学実習Iに参加した。この実習は、主に由良川を源流から河口まで調査して分析し、結果を発表するというものだ。この実習を通して様々なことを学んだ。
1日目は、午後から芦生研究林に行き由良川の源流を見た。
特に印象に残っているのが鹿柵である。鹿の食害が問題になっていることは知っており、食害を受けた土地は荒地となっているかと想像していたが、実際に見てみると鹿柵の外は植物が繁茂していた。
鹿柵外の植物は、先生によるとトリカブトやバイケイソウ、ワラビなど6種類で、それらは有毒種のため鹿の食べない植物との事。
一方、鹿柵内は植物種も多く日の届きにくい林床でも植物は生育していた。
1日目の時点で、3人の仲間と楽しみながらフィールドワークができた。
1日目の後半から2日目にかけては、主に水の採取・分析や水生昆虫捕獲、魚類捕獲のフィールドワークを行った。
時間が経つにつれ話せる人も徐々に増え、お互い協力しながら手際よく作業をすることが出来た
3日目、4日目の分析が私の一番楽しめたところだ。
水生昆虫を顕微鏡で見て図鑑を頼りに種を同定することは大変だったが、先生方の助けもあり、原生生物も生で見ることができた。
5日目は主に成果発表だった。
4人班でいくつかのテーマに分かれてそれぞれ発表を行った。
自分たちの班は、アユと気候・由良川の水質の関係について比較し考察した。アユは岩についた藻類を主に食べるのでクロロフィル蛍光度と何か関係があるのではないか、またコケが育つには日光が必要なので日射量も関係あるのではないか…他には、水温・河川水量・電気伝導率・海水温などの関係も考慮し試行錯誤した。
しかし、相関を出してみても、関係性が弱く、あまり結果は出ずに終わってしまった。
原因を考えてみると方法が悪かったと感じ、次にどうしたら上手くいくのかも考えられたのが良かったことだと思う。更に、先生方にもアドバイスを頂き自分の弱点を掴むことができた。
最後にこの経験で手に入れたと感じることを書こうと思う。
実際に自分の目で見てみることは大切だと感じ積極的に参加したいと思えるようになった。また、現場で出逢った仲間も大切だ。お互い批判することは批判して弱点を埋めることで成長できた。時間の空いた時には、釣りや海水浴などを楽しみながら、けじめをつけてやる時はやり、先生方の補助をいただきながら、自分の役割を達成することができた。
(バイオ環境学部 バイオ環境デザイン学科 准教授 高澤 伸江)