【バイオ環境学部ニュース】「シリーズ特別講義B」 ~社会の第一線で活躍中の方のお話を聴く~ 5回目

2019年12月03日トピックス

「シリーズ特別講義B」は、バイオ環境学部3学科の2年生以上を対象に開講されている15回にわたるオムニバス講義です。
この授業は、産業界(食品、化粧品、医薬品等)あるいは研究機関の第一線で活躍されている方々からお話を伺うことで、今後社会人になる学生の皆さんのキャリアアップに繋げてもらうことを目的としています。

「化粧品について」

香椎化学工業株式会社 カシーテクニカルセンター

取締役開発本部長 西谷郁雄先生

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第5回は、2019年10月29日(火)、香椎化学工業株式会社カシーテクニカルセンターの西谷郁雄開発本部長に、化粧品を研究開発される立場から「化粧品について」と題してご講演頂きました。

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まず、化粧品の開発には最も重要な、「化粧品」と「医薬部外品」の製造や販売に係わる法規制について説明して頂きました。 これらの違いは、「医薬部外品」がより直接的な効果を商品について記載できるということです。記載できるかわりに、その製品資料を厚生労働省に提出し、審議の後に許可を受ける必要があり、大変ハードルが高いとのことでした。 一方、「化粧品」は効能効果を書けないかわりに届出のみで販売が可能で、こちらは簡単に製品化が可能とのことでした。これらは「薬機法(以前の薬事法)」に事細かに決められていて、さらに多くの法律や、ISO227116の製造基準に合致していないと部外品として製品化できないとのことで、厳しい基準の上で商品化されていることが明らかにされました。

また、皮膚の構造について説明があった後、皮膚の機能で重要なのは外界からのバリヤ機能で、紫外線対策の重要性について指摘していただきました。このバリヤ機能が破綻すると炎症やアトピー、皮膚の老化に係わるシミやしわとなり、これを保護するためにはセラミドが重要な役割を担っているとのことでした。

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最後に、カシーテクニカルセンターの紹介と、実際にハンドトリートメントを製造している動画を拝見し、化粧品の製造の難しさについても教えて頂き、学生たちは普段使っている化粧品への関心を深めて講義を終えることができました。

次回は、ヤマサ蒲鉾株式会社品質管理部長の黒田信行先生を講師にお招きします。

(バイオ環境学部 バイオサイエンス学科 教授 藤田裕之)

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