【バイオ環境学部ニュース】「シリーズ特別講義B」 ~社会の第一線で活躍中の方のお話を聴く~ 8回目

2019年12月06日トピックス

「シリーズ特別講義B」は、バイオ環境学部3学科の2年生以上を対象に開講されている15回にわたるオムニバス講義です。

この授業は、産業界(食品、化粧品、医薬品等)あるいは研究機関の第一線で活躍されている方々からお話を伺うことで、今後社会人になる学生の皆さんのキャリアアップに繋げてもらうことを目的としています。

「医薬品の開発について」

スペラファーマ株式会社 開発分析研究本部 主席研究員 小林 篤先生

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第8回は、2019年11月19日(火)、スペラファーマ株式会社開発分析研究本部の小林篤主任研究員に、医薬品の製品化研究を通して「医薬品の開発について」講演して頂きました。

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まず、スペラファーマ株式会社について、武田薬品工業株式会社からスピンアウトしてできた会社で、おもに医薬品の製剤化について研究開発を行っていることをご紹介頂きました。

次に医薬品が実際に臨床に使用されるまでのフローについて説明して頂きました。創薬研究後、安全性を確認する動物試験や多くの臨床試験を経て製造承認が下りるとのことでした。実際には、合成された化合物の内、医薬品として承認されるものは、70万個の化合物のうち、0.01%以下の28化合物しかないということでした。医薬品の開発期間は10年以上、さらにその開発費用は数千億円もかかるということです。

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一方、製剤化には、医薬品原体の安定性を増したり、苦みをマスクしたり、胃や腸での溶解性をコントロールする技術が重要ということでした。

最後に、医薬品の製造に係わる法律(GMP、日本薬局方、ICHガイドライン等)やこれらを遵守することの重要性についてご説明いただきました。また、「患者さんが安心して服用できるような医薬品を開発したい」という小林先生の熱い思いも伺い、講義を終了しました。

次回は、国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構食農ビジネス推進センター長 山本万里先生を講師にお招きします。

(バイオ環境学部 バイオサイエンス学科 教授 藤田裕之)

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