「バイオテクノロジー産業の最前線」~社会の第一線で活躍中の方のお話しを聴く~ 「バイオテクノロジー技術の功罪」株式会社ファーマフーズ開発部主席研究員:嵯峨根里穂先生、山田裕晃先生【バイオ環境学部】

2022年11月21日トピックス

「バイオテクノロジー産業の最前線」は、バイオ環境学部の2年生以上が対象の科目です。社会に出てからのキャリアアップを目的に、15回にわたってオムニバス形式で開講しています。産業界(食品、化粧品、医薬品、等)あるいは研究機関の第一線でご活躍されている方を講師にお招きし、講演いただいています。

第8回は、株式会社ファーマフーズ開発部主席研究員として、機能性表示食品等の基礎研究からヒト試験まで行っている嵯峨根里穂先生と山田裕晃先生に「みんなにやさしいバイオの夢」と題してご講演いただきました。

株式会社ファーマフーズは「たまご」を研究素材として活用し、様々な食品や医薬品の開発を行っています。

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山田先生は、卵黄たんぱく質を加水分解して得られたペプチドが育毛促進に作用することを紹介。ペプチドが髪の毛の根元にある育毛細胞に働きかけて育毛に作用することから、これを配合することで商品化が実現しました。

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次に、嵯峨根先生からは、漬物からの乳酸菌が生産するガンマーアミノ酪酸(GABA)の開発について説明をいただきました。GABAには、いくつもの生理機能が期待されています。しかし、実際にはヒトでの効果検証が難しく、その開発の際には多くの困難に直面しました。一つ一つ問題を解決していく中で、機能性表示食品として届け出が受理されたのです。

最後に、実際の商品を紹介していただきました。学生が商品を手に取って見ることで、商品化に向けた苦労についても体感することが出来たようです。

次回は、2022年11月27日(金)13:20から、ヤマサ蒲鉾株式会社取締役、品質管理部長の黒田信行先生を講師にお招きして開催します。

(バイオ環境学部教授 藤田裕之)

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