バイオテクノロジー産業の最前線「機能性農産物開発と新たな機能性表⽰制度」【バイオ環境学部】

2022年12月09日トピックス

「バイオテクノロジー産業の最前線」は、バイオ環境学部の2年生以上が対象の科目です。社会に出てからのキャリアアップを目的に、15回にわたってオムニバス形式で開講しています。産業界(食品、化粧品、医薬品、等)あるいは研究機関の第一線でご活躍されている方を講師にお招きし、講演いただいています。

第10回は、農業・⾷品産業技術総合研究機構⾷品研究部⾨エグゼクティブリサーチャーとして、農産物の機能性表示の創設にご尽力された山本(前田)万里先生に「機能性農産物開発と新たな機能性表⽰制度」と題してご講演いただきました。

20221209_P1050190.jpg

講演の冒頭、日本の食と健康に関する問題点から食品機能性研究のこれまでの歩みについて説明いただきました。続いて、食品の機能性を表示できる制度である「保健機能食品」について解説。「特定保健用食品」、「栄養機能食品」、「機能性表示食品」の3つの違いについて商品を例に挙げながら説明いただきました。農産物も「機能性表示食品」として表示できるが、山本先生は「すでに65品目の届出があるものの、農産物は季節変動や産地の違いの原因で機能性成分の含有量に変動があるため届出数が増えない課題もある」と問題点を披瀝しました。

最後に、農研機構で行う最新の研究について紹介いただき、山本先生は「将来的には、一人ひとりの体調にあわせた『セルフケアフード』というお弁当ができるようになるかもしれません」と締めくくりました。

20221209_P1050194.jpg

20221209_P1050207.jpg

山本先生には130枚ものスライドを用意いただいた上、具体的な商品なども数多くご照会していただきました。学生にとって多くの学びを得られる講義となりました。

次回は、香椎化学工業株式会社カシーテクニカルセンター開発本部学術グループ課長の村田祥全先生を講師にお招きして行います。

(バイオ環境学部教授 藤田裕之)

関連リンク

「バイオテクノロジー産業の最前線」~社会の第一線で活躍中の方のお話しを聴く~ 「食の安全安心への取り組みについて」ヤマサ蒲鉾株式会社 品質管理部長 黒田信行先生

「バイオテクノロジー産業の最前線」~社会の第一線で活躍中の方のお話しを聴く~ 「バイオテクノロジー技術の功罪」株式会社ファーマフーズ開発部主席研究員:嵯峨根里穂先生、山田裕晃先生

「バイオテクノロジー産業の最前線」~社会の第一線で活躍中の方のお話しを聴く~ 「バイオテクノロジー技術の功罪」住友ファーマ株式会社取締役、ビジネスデベロップメント、海外事業推進担当:西中重行先生【バイオ環境学部】

「バイオテクノロジー産業の最前線」~社会の第一線で活躍中の方のお話しを聴く~ 「ホップに由来するビール苦み成分の科学」 キリンホールディングス株式会社基盤技術研究所研究員:谷口慈将先生【バイオ環境学部】

「バイオテクノロジー産業の最前線」~社会の第一線で活躍中の方のお話しを聴く~「麹菌と麹の世界」樋口松之助商店株式会社取締役 研究室長:山下秀行先生【バイオ環境学部】

「バイオテクノロジー産業の最前線」~社会の第一線で活躍中の方のお話しを聴く~ 「清酒醸造の基本からバイオテクノロジーへの応用まで」月桂冠株式会社常務取締役 総合研究所長:石田博樹先生【バイオ環境学部】

「リパーゼと油脂加工」(地独)大阪産業技術研究所/生物・生活材料研究部/脂質工学研究室長:永尾寿浩先生【バイオ環境学部】

「大豆ペプチドの開発とその応用」不二製油(株)グローバル研究戦略グループシニアマネージャー 中森俊宏先生【バイオ環境学部】

前の記事へ

次の記事へ

一覧へ戻る

このページの先頭へ