バイオテクノロジー産業の最前線「薬品の開発について~CMC研究と品質確保~」【バイオ環境学部】

2023年12月20日トピックス

「バイオテクノロジー産業の最前線」は、バイオ環境学部の2年生以上が対象の科目です。社会に出てからのキャリアアップを目的に、15回にわたってオムニバス形式で開講しています。産業界(食品、化粧品、医薬品、等)あるいは研究機関の第一線でご活躍されている方を講師にお招きし、講演いただいています。

第12回目は、スペラファーマ株式会社CMC研究本部の林光雄先生に「医薬品の開発について~CMC研究と品質確保~」と題して御講演いただききました。

同社は、武田薬品工業株式会社からのスピンアウト(一部門を切り離して、独立させること)で設立され、CMC(Chemistry, Manufacturing, and Control)の研究を行っています。CMCとは医薬品の研究開発の中でも、いわゆる薬の「原体」を探索研究するのではなく、薬の種を実際に服用できる形にしていくものです。

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医薬品が患者さんの手に届くまでには、莫大な資金と時間を必要とします。厚生労働省に製造販売の承認が得られるまでには、基礎研究からヒトでの臨床試験までに長いもので17年も要します。その費用は数千億円にも達する一方で、販売承認までの成功確率は0.01%以下という大変なリスクも伴います。

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最近は、化学合成された低分子の医薬品から、バイオ医薬品と呼ばれる細胞培養や遺伝子組み換え技術を活用した、これまでにない新薬が多く販売されています。特に、抗体製造技術を使用したバイオ医薬品も多く開発されており、これらの品質管理の重要性も高まっています。このような分野では、分析装置を上手に使いこなせる人材が不足しているので、興味のある学生には是非チャレンジして欲しいとのことでした。

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次回は、2023年12月22日(金)13:20から、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社検査部 検査課の竹内正樹先生を講師にお招きして行います。

(バイオ環境学部 教授 藤田裕之)

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