バイオ環境学部の2年生以上を対象にした「バイオテクノロジー産業の最前線」は、学生たちの社会に出てからのキャリアアップを目的に実施しています。15回にわたってオムニバス形式で開講している本講義は、毎回産業界(食品、化粧品、医薬品、等)や研究機関の第一線でご活躍されている方を講師としてお招きし、ご講演いただいています。
11月22日に開催した第9回目では、株式会社ファーマフーズ開発部主席研究員として、機能性表示食品等の基礎研究を中心に行われている道下僚先生と山口加洋子先生にお話をいただきました。
冒頭、山口先生は、株式会社ファーマフーズの事業概要や、研究素材に「たまご」をもとに、様々な食品や医薬品の開発を行っている研究内容などについて動画も使用しながら紹介されました。
続いて、卵黄たんぱく質を加水分解して得られたペプチドが、髪の毛の根元にある育毛細胞に働きかけて、育毛作用を示すという開発事例を紹介。実際に、これを配合したものが商品化され、好評を得ているとのことでした。
道下先生は、新たに進出したアグリ事業について触れ、肥料、農薬とも異なるバイオスティミュラントを開発し、植物の持つ成長力を向上させるための物質の開発も行っているとのことでした。次に、機能性表示食品の素材として幅広く使用されている、ガンマーアミノ酪酸(GABA)の開発について説明されました。学生は、実際にGABAの配合された食品も試食したことで、この素材の理解が大変深まったようでした。
最後にもう一度、ニワトリの「たまご」が持つ機能についてサマリーをしていただきました。参加した学生もその機能への興味を深めた様子でした。
次回は、11月29日(金)13:20から、キリンホールディングス株式会社 基盤技術研究所の谷口慈将先生を講師にお招きして開催します。
(バイオ環境学部教授 藤田裕之)
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