2016年度に始まり、今回で6回目となるバイオ環境学部の「ポスター発表会」が2019年1月31日(木)、バイオ環境館(京都亀岡キャンパス)の1階ロビーで開催されました。秋学期に、PBL型(課題解決型)科目である「キャリアサポート実践講座A」「実践プロジェクトC・E」を履修した学生たちによる成果発表会です。発表が始まると、発表者や質問を投げかける学生たちの声があちこちから聞こえ、会場は熱気に包まれました。
会場には、学外からの参加者の姿も見られました。
バイオサイエンス学科「チームこめこめ」のポスターを熱心に見ていたのは、京都大学大学院農学研究科の藤掛進さん。農業経済の専門家として農業振興に関わるプロジェクトを推進しています。間もなく本学との共同研究が本格的にスタートする予定で、今回はそのキックオフ的な位置づけとなる研究のポスター発表があると聞いて駆けつけたそうです。「農業における栽培品種の多様化を探るなかで、私たちは紫黒米に着目しています。その栽培を広めるためには、加工方法をはじめ多くの消費につながる商品開発も課題の一つ。科学的な立場から紫黒米という食材をいかに食べていくか、研究を続けてほしい。若い発想に期待しています。」と話していました。
「冷凍こんにゃくの物性」のポスター前には中尾食品工業株式会社代表の中尾友彦さんの姿がありました。「こんにゃくを低カロリーカップ麺などの保存食に利用できる可能性があると考えています。今回、そこに向けて素材の適性を調べてもらった結果、活用できる可能性があると改めてわかった。最終的な着地点である新商品開発に向けて、まだまだ検討すべきことはたくさんあるので、これからも協力してほしい。」と話す中尾さんに、この研究の指導を担当した藤田裕之教授は「基礎的な研究の成果を企業の現場で応用してもらい、逆に現場の課題を大学へフィードバックしてもらう。そのなかで学生は多くを学ぶことができます。」と思いを語りました。
ポスター発表会の対象となった科目では、学生自らがテーマを選び、調査・研究を進めます。その過程で自分の足りない部分に気づき、必要な知識やスキル、論理的思考を身につけるのが授業の最大の狙いです。同時に、学生たちの研究成果を地域との連携、商品化の実現などにつなげていくことも目指しています。「地域とともに、という大学の立ち位置を大切にしたい。」とバイオ環境学部長の深見治一教授。「今後も地域の皆さんはじめ学外と連携できるテーマにどんどん挑戦してほしい。このポスター発表を学外への発信の場として活用できれば。」と改めて期待をにじませました。
参加した学生たちは互いのポスター発表を聞いたあと、よかったと思うポスターに投票。「キャリアサポート実践講座A」については学科ごとに、「実践プロジェクト」についてはCとEを合わせた12グループの中から、それぞれ得票数の多かった順に最優秀賞・2位・3位が表彰されました。「キャリアサポート実践講座A」の各学科の最優秀賞グループは、2月8日(金)に京都太秦キャンパスで開催される全学の発表会にのぞみます。
表彰のあと深見学部長は「今回はテーマの選び方に広がりが出てきた印象がある。発表も上手くできていたと思う。」と講評を述べ、「最優秀賞に輝いた皆さんはバイオ環境学部の代表として、全学の発表会でもぜひ頑張ってください。」と激励の言葉を贈りました。
2018秋学期 バイオ環境学部ポスター発表会テーマ一覧
★印は各学科の「最優秀賞」
「キャリアサポート実践講座A」(2回生配当科目)
食農学科
- F1 廃棄されるニンジンの活用法
- F2 台風被害の軽減にむけて
- F3 ~本当に切れる包丁とは~「亀岡天然砥石で包丁を研ぐ」
- F4 20年 大河到来!光秀が愛した粽(ちまき)
- F5 かめマップ
- F6 丹波黒豆のPR
- F7 アレルギー対応のたこ焼きを目指して
- F8 みどりのなめらかぷりん
- F9★栄養いっぱい野菜スムージー
- F10 野菜工場レタスの廃棄根の利用
バイオ環境デザイン学科
- K1 亀岡市のごみ分別(パンフレット作成)
- K2 亀岡市のごみ分別(ポスター作成)
- K3 発見!京都市電の軌跡
- K4 御土居散策マップ~おすすめスポット~
- K5 あ!仁丹住所表示板だ!~ホーロー看板探検隊~
- K6 京の七口の痕跡を調査せよ
- K7 地元民に聞いた獣害の現状と対策案!!
- K8 水路のコンクリート化による貝類への影響
- K9・K10★本当に嫌われ者?外来種の実態と可能性(調査編・調理編)
バイオサイエンス学科
- S1 エディブルフラワーの活用法
- S2 エディブルフラワー
- S3 天然防虫アロマ
- S4 毎造菌
- S5★虫は友達~食糧危機に向けて~
- S6 蜘蛛の菌
- S7 リラックスできる匂いについて
- S8 チームこめこめ
- S9 冷凍こんにゃくの物性
- S10 不凍物質
「実践プロジェクト」についてはC・Eを合わせて最優秀賞・2位・3位を表彰。
「実践プロジェクトC」(2回生配当科目)
- C1 甘酒「飲める。」ピーチパインver.
「実践プロジェクトE」(3回生配当科目)
- E1 京都保津「水藍」復活プロジェクト
- E2 柚子まるごとプロジェクト
- E3 京都の梅~城州白で地域おこし~
- E4 京白丹波大豆を用いたきな粉の作製
- E5 おおい町食品開発プロジェクト
- E6 学園大産ビール酵母の探索
- E7 京都市に残る街角博物館「仁丹」を探そう
- E8 緑茶の消費拡大対策を考える
- E9 京都府オリジナル大豆「京白丹波」の産地拡大
- E10★~コーディアル~日本式の提案
- E11 越畑特産物の提案
- 対象者
- 学部・学科
- 内容